マーケティング
公開日: 2019.04.03 / 最終更新日: 2020.11.09

ブランディングの手法とは?競合と差をつける4つのプロセスを紹介!

企業や商品・サービスのブランディングをしていきたい、と考えていても具体的な方法がわからないという方も多いでしょう。ブランディングと一言で言っても手法は様々です。今回は具体的な手法に加え、競合他社と差をつける4つのプロセスを紹介します。

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そもそもブランディングとは?

「ブランディングとは?」と聞かれ、具体的に適切な説明ができるでしょうか?意味合いが異なる「マーケティング」と混同されて使われたり、ブランディング=広告と勘違いされていたり、抽象的な意味合いで使われがちです。ここでは、ブランディングの定義やマーケティングとの違い、ブランディングのメリットについて紹介します。

ブランディングの定義

ブランディングとは、「ブランドの持つ個性や特長を、ユーザーとの共通認識にする活動全般」を意味します。ユーザーにどのように思ってもらいたいか、そのイメージを持ってもらうために何をしたらよいか、などを考え実行する過程をブランディングと呼んでいます。

また、セルフブランディングという言葉もよく耳にするでしょう。あなた自身をどのような人だと思ってもらいたいか考え、パーソナリティやイメージとなるビジュアル(写真や動画)をSNSで発信することも、立派なブランディング活動です。

ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングとマーケティングはそれぞれのゴールが異なります。ブランディングが「ブランドへの共通認識を創造すること、その過程」を意味するのに対して、マーケティングは「商品やサービスが消費者に届くまでの戦略・戦術立案と実行」を指します。

定義は異なりますが、両者は密接に関わっており機能面の差別化が難しい近年ではブランド力が購買活動などマーケティングの側面に大きく影響するのです。逆に、商品やサービスの満足度がブランド力向上に寄与することもあると言えるでしょう。

企業がブランディングをするメリット

ブランディングを取り組むことにより、「差別化による価格競争からの脱却」、「調達面での優位性」、「優秀な人材の確保」、「社内モチベーションの向上」と大きく4つのメリットが生まれると言えます。指名買いが起こることにより、価格に頼らず売上拡大がはかれるため、ネームバリューと規模の拡大により調達面でいい影響が起こります。

さらに認知度やイメージが向上することにより、優秀な人材が確保しやすくなるでしょう。自社のイメージが上がれば働く社員の誇りとなり、モチベーションUPにもつながると言えます。

ブランディングの手法は?


ブランディングはすぐに効果が現れるものではなく、長期化する傾向があります。さらに、効果測定が難しいとされているため、マーケティングと同様にターゲットやゴール、目的をしっかり設定してから進めることにより成果反省がしやすくなります。

ターゲットとポジションを設定する

まずは「PEST分析」や「3C分析」、「SWOT分析」を用いて、環境分析を行い自社の置かれた環境を把握することが重要です。自社競合の強み・弱み、置かれている環境がわかったところで、狙いたいターゲット像とポジションを設定しましょう。簡単に言うと「誰に、どのように思ってもらいたいか」ということを明確に言語化するということです。

顧客に持たせたいイメージを決める

次にブランドアイデンティティを決めていきましょう。まず同時に競合を含めたポジショニングマップを作りましょう。競合と全く同じ内容伝えていても差別化にはなりません。自社がどこに位置するべきなのか、狙うべき方向性が正しいのか確認しましょう。それからブランドプロミス(消費者への約束事項)、ブランドのパーソナリティ(人格)を設定します。

コードとスタイルを置く

ブランドの中身となるアイデンティティを決めたら、次はどのように表現していくかを決めていきます。「コード」はタグラインやキャッチコピーなどの言語を指し、Appleの“Think Different”などが具体的な例です。「スタイル」はカラーやデザイン、ロゴのことを指し、無印良品でいう統一化された製品デザイン、店舗デザインがスタイルにあたります。

イメージを言語化する

「誰に」のターゲット設定、「どのように思ってもらいたいか」のブランドアイデンティティ、コード・スタイルを設定できたら、次はそれらを外に向けて発信していきます。

商品やサービスの内容、実際の機能、広告やパッケージ、ウェブサイトやブランドに関わる人々など、全ての要素がブランディングに影響します。上記で決めた内容をルールとして、ブランドが一人歩きしないようにコントロールしましょう。

ブランディングの手段としての広告とは?

広告を行うこともブランディングの一つの具体的な手法です。しかし商品やサービスの機能・特長を伝達するような広告とは大きく異なります。ブランディング広告の目的は、ブランドアイデンティティの伝達であり、商品を買ってもらい売上を上げることではありません。

ブランディング広告は長期的に行うことが重要で、目先の売上につながりにくいため十分な予算がないと難しいとされていました。しかし、Web広告で費用をおさえて行うことも可能になってきています。

ブランディング手法を評価する指標は?

ブランディングの中で、難しい点の一つとされているのが「どのように評価するか」という点です。マーケティング施策のように、売上と新規獲得ユーザー数などでシンプルに測れないからです。ここではブランディングを評価するための4つの指標を紹介します。

ブランド・ロイヤリティ

ブランド・ロイヤリティとは、ブランドに対する愛着・忠誠の度合いを意味します。例えば、シャンプーと言えばあのブランドと言ってもらえることや、少し価格が高くても買ってもらえるかどうかによって、ロイヤリティの度合いを測る事ができます。

基本的には売上への結びつきが見えにくいブランディング活動ですが、ブランド・ロイヤリティはリピート率に影響を及ぼすことが分かっています。

ブランド認知

ブランド認知とは、どのくらいの人が知っているかという指標です。知らないということはイメージが無いということになります。また認知率があまりにも低ければ、伝達方法(チャネルやコミュニケーション方法)に問題があるということです。

知覚品質

知覚品質とは、消費者がそのブランドに対して抱いているイメージのことを指します。例えば「革新的」、「親しみやすい」、「信頼できる」、「高級感がある」などです。ブランドアイデンティティを設定する際にあらかじめ決めたブランドのパーソナリティと、消費者に知覚品質が近ければ近いほどブランディングがうまく行っていると言えるでしょう。

ブランド連想

ブランド連想とは、消費者がブランド名を耳にした時に浮かぶイメージや言葉のことを指します。例えば「シャネル」と聞いたら、「高級感」、「おしゃれ」、「パリ」など言葉が浮かぶのではないでしょうか。

ブランディングが成功しているか測る指標になるとともに、狙った通りのイメージを持ってくれている消費者の思考や、過去のブランド体験・接触履歴を分析することによって次への施策のヒントにもなります。

まとめ

今回はブランディングの具体的な手法や、競合と差別化するためのポイント、また評価のための4つの指標を紹介しました。ブランディングは簡単ではありません。そして数年にわたり辛抱強く行なっていく大きなプロジェクトになるでしょう。

大変な一方で、消費者のマインドを変えるという、まさにマーケティングの醍醐味といった仕事です。ぜひ今回の記事を参考に、自社のブランディング活動について見直してみてください。

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消費財メーカーでマーケティングを担当。消費者調査、コンセプト・商品開発、ブランディング、メディア戦略立案、販売戦略立案などブランドマーケティング全般、WEBマーケティングについてはオウンドメディア管理、SNSマーケティング、SEOなどを実務として経験。

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