マーケティング
公開日: 2019.04.19 / 最終更新日: 2020.01.06

コンテンツマーケティングの戦略とは?立て方や成功事例を紹介!

最近よく聞かれる「コンテンツマーケティング」という考え方ですが、どのような定義を持つのでしょうか?さらに戦略の立て方や実際に成功した事例はどのようなものでしょうか?今回はコンテンツマーケティングについて詳しく解説します。

コンテンツマーケティングとは?


コンテンツマーケティングとは、価値のあるコンテンツを発信することで自社の商品やサービスにつなげるマーケティング手法です。SEO対策と混同される場合もあるのですが、実際に意味するものは異なります。ここではコンテンツマーケティングの定義と、SEOとの関係性について紹介します。

コンテンツマーケティングの基礎知識

コンテンツマーケティングを一言で言うと、「価値があり、適切で一貫性のあるコンテンツを提供することにより、顧客の関心を高めて利益に結びつく行動を起こすマーケティング」のことです。コンテンツは記事やブログ、映像、画像など制限はありません。

情報過多の現代では、企業から「買ってください」と伝える広告に対して、消費者にとっても価値あるコンテンツを提供できれば、まず目に止まる可能性が高く、さらに内容が良ければ行動を起こしてもらいやすいという考え方があるのです。

コンテンツマーケティングとSEOの関係性

目にとめてもらう(集客)ための手法として王道なのがSEOです。コンテンツマーケティングとは何が違うのでしょうか?SEOとは、あるキーワードで検索したユーザーに対して、適切なウェブサイトを上位表示させるという手法です。しかし、検索をしている時点で少なからず既にニーズ(顕在ニーズ)があることがわかります。

一方、コンテンツマーケティングは潜在的な顧客にもアプローチが可能です。価値のあるコンテンツによって、潜在的なニーズを顕在化させることができます。

コンテンツマーケティングの戦略の立て方は?


コンテンツマーケティングの戦略はどのように立てていけばよいのでしょうか?ランダムに目的なくコンテンツを乱立させても意味がありません。ベースとなる戦略を立て、ターゲットに対してしっかりリーチ(到達)するように設計して初めて、コンテンツの効果が発揮されます。ここでは戦略の立て方をステップで紹介します。

調査をして目的・ターゲットを設定する

コンテンツマーケティングを行いたいと思っている目的は何でしょうか?自社の商品やサービスの売上を増やしたい、既に獲得している顧客とのエンゲージメントを高めたいなど色々とありますが、まずは目的を明確にすることが重要です。

さらにターゲットを設定しましょう。性別・年齢・居住地・家族構成などの属性を一つ一つ丁寧に決め、具体的なターゲット像の一人となるペルソナを設定します。

メインとなるキーワードを決める

ペルソナを設定できたら、その人たちが抱える課題や潜在意識を深掘りしていきます。自社の商品やサービスがどのように解決するか検討していくと同時に、自社とターゲットをつなぐキーワードを設定してしきます。流入数を把握するために検索ボリュームを確認し、ターゲットが検索しそうな関連キーワードも漏れなくリストアップしておきましょう。

カスタージャーニーマップを作成する

ターゲットとメインとなるキーワードを設定できたら、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。一人のターゲットがどのようなタイミングで、どういった検索を行いコンテンツにたどり着き、最終的に自社商品やサービスを購入するのかという道筋を定義したものです。ここで重要なのは、あくまで「一般消費者の目線」で作成することです。

皆さんが実際に購入した商品やサービスについて、「悩み」から「購入の意思決定」まで、どのようなルートを辿ったか思い返してみると参考になるでしょう。

チャネルを選択して配信する

カスタマージャーニー作成により、「どのタイミング」で「どこで接触するのか」という型ができたら、「どのコンテンツ」を「どのチャネル」で提供するか具体的に決めていきましょう。

例えば、興味関心の段階では、企業色が出ないキュレーションサイトにコンテンツを用意し、購入直前の比較検討時には価格比較サイトなどでターゲットがコンテンツに接触できるといった具合です。近年は複数のチャネルを組み合わせることが一般的です。

コンテンツを分析して改善する

コンテンツマーケティングは改善をすることによってターゲットリーチや購入への結びつきなどの精度が上がります。「想定していたキーワードで来てくれているのか」、「作成したカスタマージャーニー通りに購入に結び付いているのか」、「狙ったターゲットが取れているのか」など分析を行いましょう。

コンテンツの見直しやチャネルごとの効果を確かめることにより、無駄打ちを減らし効率的に施策を進めることができます。

コンテンツマーケティングの戦略事例は?


コンテンツマーケティングを実際に行い、成功した事例を紹介します。コンテンツマーケティングを行う上での悩みの一つが、良いコンテンツができても自社商品やサービスの売上につながっていないという点です。実際の事例を用いて、コンバージョンにつなげる方法も紹介します。

導線をうまく設計した「経営ハッカー」


出典元:経営ハッカー

「経営ハッカー」はクラウド型の会計サービスを提供しているサイトです。「年末調整」、「租税公課」、「源泉徴収」などのキーワードからの流入が多いことを分析により導き、経営者や個人事業主に向けたコンテンツを増やすことによって成功した事例です。

さらに、コンテンツの一部としてサービスのデモ動画や年末調整のホワイトペーパーを掲載することによって、コンバージョンを高めることにも成功しました。

潜在的ニーズに応えた「Mint.com」


出典元:Mint.com

クラウド型の家計簿ソフトを提供している「Mint.com」は、ターゲットの潜在的なニーズをうまく掘り起こすコンテンツを提供している事例です。例えば1月2日に「Need a New Year Reset? Try a No Spend Month」といった新年に多くの人が考えそうな事にフォーカスして記事を掲載しています。

また2月7日のバレンタイン前には「How to Spend on Valentine’s Day Without Looking Cheap」といった面白いタイトルで記事が書かれています。家計簿とは直接関係がない記事ですが、ターゲットが「お金」に関心が高まるタイミングをうまく捉えて、結果的に自社ソフトにつなげている成功事例です。

BtoBとBtoCの両方に対応した「Intelligentsia Coffee」


出典元:Intelligentsia Coffee

品質にこだわったコーヒーや紅茶を提供している「Intelligentsia Coffee」は、BtoBとBtoCの両輪をカバーできるコンテンツを提供し、成功している事例です。BtoBとしては、卸先である飲食店やカフェ向けに、コーヒーの淹れ方や商品知識をまとめたコンテンツを発信しています。

印刷すればそのままマニュアルになる程、丁寧に説明されており、さらに要望があれば講習なども行っているそうです。BtoCとしてはコーヒーに関する知識や背景となるストーリーに加え、モバイルアプリではEC機能や適した水量が一目でわかる計算機などが紹介されいます。

コンテンツマーケティングを安定的に運用するには?


日々大量のコンテンツが発信され続けているため、コンテンツマーケティングは継続して取り組んでいくことが重要です。安定的に運用するためには、自社で運用することに加え、記事の作成など部分的に外部委託することも一つの手です。ここでは自社運用と、外部委託する場合のポイントを紹介します。

自社で運用する

自社で運用する場合は、サービスサイト内でコンテンツ発信する、またはコンテンツ用でメディアサイトを別運営するというパターンがあるでしょう。基本的には、SEOを狙いすぎた記事ではなく、消費者にとって価値のある良質なコンテンツを発信し続けることが重要です。

マーケティングやリサーチチームと協働して、消費者のインサイトにささるコンテンツを作ることを意識しましょう。あわせて定期的なリライトやキーワードの見直し、タイトルの質にもこだわることが重要です。

クラウドソーシングを活用して運用する

最近増えてきたクラウドソーシングですが、メリットとしては、短期間で大量のコンテンツを作ることができる点、その分野に詳しい専門家に依頼できる点などが挙げられます。デメリットは自社運用には発生しない、外注費用がかかることです。

メディアを始めたばかりで、ある程度の数の記事が必要なタイミングや、人手不足などでコンテンツ制作が追いつかない場合は利用するのも一つの手でしょう。

まとめ

今回は、コンテンツマーケティングの定義やSEOとの違い、戦略立案のステップ、実際の事例を紹介しました。偏ったWeb広告や質の悪いコンテンツは今や、消費者によって見分けられてしまいます。自社にしか発信できない価値ある情報を用いて、コンテンツマーケティングに挑戦してみてください。

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