マーケティング
公開日: 2019.05.23 / 最終更新日: 2020.01.06

ペルソナを設定するには?マーケティングに使える項目や方法を紹介

消費者の行動が多様化していることやコンタクトポイントが増えていることから、デモグラフィック(属性)やサイコグラフィックス(心理面)のみでのターゲティングだけでなく、ペルソナを用いることが一般的になってきました。今回の記事ではペルソナを設定する方法やメリット、注意点などを解説します。

そもそもペルソナとは?


ペルソナとは「商品やサービスのユーザーになり得る具体的な人物像」のことを指します。単純に「性別・年代・居住地・好きなもの」などの特徴を羅列しただけのターゲット像とは異なり、あたかも実在しているようなレベル感で属性や心理面の特徴を描写する点がポイントです。ここではペルソナの基本情報や、ペルソナを作成する重要性について解説します。

ペルソナの基本情報

ペルソナは、人間の外的側面を表す言葉として心理学の分野で使われている言葉です。Personaという表記からも想像できるとおり、個人を設定するターゲティング手法のひとつです。

具体的には「年齢」「性別」「居住地」「職業」「趣味」「年収」「家族」などの属性や、「価値観」「生い立ち」「口癖」「ライフスタイル」「平日・休日の過ごし方」などを細かく設定します。あなたの知り合いの中に本当に実在しそうなレベルまで落とし込むことがポイントです。

ペルソナを作成する重要性

ペルソナを作成することはなぜ重要なのでしょうか?答えは、消費者のニーズや行動、思考、情報接触の仕方が多様化してきているからです。

インターネットが普及する前は、新商品が出るとテレビCMで認知を上げ、多くの人がそれを見て購入するというシンプルなモデルでした。しかし、近年は購買に至るまでの行動が多様化しています。消費者をマス(大きな塊)で捉えて、コミュニケーション戦略を考えることに限界があるため、より個人にフォーカスした「ペルソナ」が重視されているのです。

ペルソナを作るメリットは?


ペルソナを作るメリットは大きく分けて3つ。「ユーザーの視点を持つことができる」「ターゲットについて具体的なイメージが持てる」「社内外の関係者間で共通のイメージが持てるようになる」ということです。ここではそれぞれについて解説します。

顧客の視点を持つことができる

ほとんどの場合、自分の属性とは異なるターゲットの商品やサービスを扱っていることが多いのではないでしょうか。女性向けの商品を担当している男性マーケターなどはひとつの例です。ペルソナを設定することによって、「この人だったらどう考えるかな」というようにターゲットに近い視点・観点を持つ事ができるでしょう。

詳細なイメージがつきやすい

ぼんやりと捉えてターゲット設定をすると、誰にも刺さらないメッセージや広告ができあがってしまい、結果的に施策の失敗につながる恐れがあります。ペルソナを設定することで、メッセージやクリエイティブの質の精度を高めることにつながるでしょう。

関係者間で共通認識をもつことができる

例えば「18歳・女性・都内の高校生・新しいものが好き・ソーシャルメディアを1日2時間以上使う」というターゲット属性があったとします。細かく設定しているように感じるかもしれないですが、100人に聞けば100通りの人物像が浮かぶことでしょう。

その点、ペルソナというのは「本当に実在しそうなレベルまで内容を落とし込んでいく」ことがポイント。社内外の関係者間で「こういう人」という具体的なイメージを持つためにも、ペルソナの設定が重要とされます。

ペルソナを作成するときに考えるべき項目例とは?


ペルソナは架空の人物とはいえ、具体的にイメージできるようになるまで細かく設定していくことが重要です。ここでは、実際に作成するときに盛り込むとよい重要な項目例を紹介します。

本人の基本情報(名前、年齢、性別、居住地)

家族構成(配偶者の有無、子供の有無、同居家族)

職業(職種、業種、役職、通勤時間、働き方、年収)

生活スタイル(起床時間などの1日の流れ、平日/休日の過ごし方)

パーソナリティ(性格、価値観、癖)

興味関心(趣味、お金の使い所)

人間関係(友人、恋人、所属しているコミュニティ)

よく使うメディア(どこから普段情報を得ているか、ソーシャルメディアの使用頻度や時間)

流行への感度、所有している者の特徴

普段悩んでいる事、考えている事(仕事面・プライベート面)

上記は一例ですが、ぜひ参考にしてみてください。項目に沿った描写に加え、その人を表す写真をピックアップするとさらにイメージがしやすいでしょう。

ペルソナの設定方法は?


上記に挙げた項目を埋めていき、具体的な人物像を作り上げることがゴールになりますが、やみくもに想像するだけでは意味がありません。大前提は「自社の商品・サービスを買ってくれそうな人によせた都合の良いペルソナは描かない」こと。この注意点を意識しながら、ここで紹介する方法を実践してみてください。

ターゲットのイメージを固め情報を集める

すでに大きな枠組みで捉えた場合のターゲットが分かっていれば、そのターゲット属性に近い人に関する情報を集めていきます。ユーザーへのインタビューやアンケート調査、調査会社や政府が公開しているデータ、ECサイトや自社ウェブサイトでのユーザーの解析などを活用するとよいでしょう。

集めた情報を分類する

データが収集できたら、次は分類作業です。この段階ではまだ情報を絞り込む必要はありません。出てきたデータを上記で紹介した「ペルソナ設定の項目」に最終的に落としていくことを想定しながら、データのグルーピングを行っていきます。

具体的な顧客像を作成する

グルーピングの作業が終わると、ぼんやりと「どのような人か」が見えてくるはずです。そこから具体的に、先ほど紹介した項目ごとに細かい設定を決めていきます。ぼんやりとした輪郭が具体的な人物像として浮かび上がってくるでしょう。写真などを追加してペルソナを完成させます。

ペルソナはBtoBマーケティングにも使えるのか?


ここまではBtoCを前提としたペルソナの設定について解説してきました。ペルソナと聞くと一般消費者のターゲティング手法として捉えられることが多いのですが、実は会社や組織に向けた「BtoBビジネス」においてもペルソナは活用できます。

BtoBでのペルソナ設定の重要性

企業対企業の取り組みにおいて「営業員が訪問して商品やサービスを販売する」という方法はまだまだ一般的ではあるものの、一部業界では企業に対するマーケティング活動が活発になってきています。例えば、業務効率化のソフトウェアなどのテレビCMやデジタル広告を目にしたことはありませんか?今後はBtoBのビジネスにおいてもペルソナを設定してマーケティングを行う重要性が増してくるでしょう。

BtoBマーケティングのペルソナ設定方法

BtoBでペルソナを設定する場合は、「決裁工程の複雑さ」と「登場人物の多さ」がネックになる場合が多くあります。すぐにペルソナの設定に着手せず、まずは「自社の商品・サービス」と「顧客が求めるニーズ」が合致して自社の価値が最大化する的をコアターゲットとして設定します。そこから会社のペルソナ(業種、規模、事業内容、社風など)、そして個人のペルソナを考えてみましょう。

まとめ

今回はペルソナの基本的な情報や設定方法、具体的な項目について解説しました。ペルソナは一度決めたら終わりというものではありません。トレンドや消費者の思考・行動の変化に伴い、都度見直しをしていくことが重要です。最後に紹介したBtoBのペルソナについても、ぜひ挑戦してみてください。

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消費財メーカーでマーケティングを担当。消費者調査、コンセプト・商品開発、ブランディング、メディア戦略立案、販売戦略立案などブランドマーケティング全般、WEBマーケティングについてはオウンドメディア管理、SNSマーケティング、SEOなどを実務として経験。

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