インターネット上で商品を販売するために必要になるECサイト。ECサイトの構築方法は5種類あり、知識がなくても立ち上げられるものもあります。なかでもワードプレスは昨今の主流です。ECサイト構築の基礎や初心者でも作れる方法を一緒に見ていきましょう。
目次
ECサイト構築方法と費用の相場
ECサイトを構築するためには5つの方法があります。それぞれの方法の特徴やメリット・デメリット、費用相場などを比較していきましょう。
ASP
ASPとは「アプリケーションサービスプロバイダ」の略で、既存のシステムを利用することで簡単にWEBサイトが作れる点が特徴です。
ASPの代表例としては、国内大手のBASEが挙げられます。既存の構築システムを選んで組み立てるだけで、誰でも短時間で簡単に作れるのが最大のメリットです。システムが更新されるため常に最新の状態で利用でき、初期費用はなんと0円から。月額費用も無料のプランがあるため、初心者にとっては使いやすいです。
なお、ASPのデメリットとしては、既にあるシステムやデザインからセレクトして構築していくので、カスタマイズやデザインに制限が出てしまいます。有料のオプションをどれだけ付属させるかで費用が変化します。
オープンソース
オープンソースとは、無償提供されているECシステムを利用して制作する方法です。ある程度の知識と技術があればカスタマイズが可能で、自分好みのサイトを作ることができる点がメリット。反面、オープンソースはシステムの更新が行われないので、自身でアップデートしていかないと古くなってしまうというデメリットがあります。
オープンソースはサーバーや保守作業も自分で行わなくてはいけないため、初期費用は数十万円からと若干高めですが、月額費用は数千円からとなっており、一度作ってしまえば費用を抑えることも可能です。
パッケージ
パッケージとは、ベンダーが自社開発したECサイトシステムをカスタマイズして導入する方法です。初期費用が数百万円からと高額であるため、年商1億円以上の企業が導入するケースがほとんどです。
ただし、自社用にカスタマイズして導入するので、システムやデザインに制限がありません。さらに、後述する「フルスクラッチ」に近いカスタマイズの幅があるにも関わらず、比較すると費用が安い点もメリットとして挙げられます。
デメリットとしては、システムが古くなることや、自社サーバーを使う際に保守管理の負担が大きくなることが挙げられます。
クラウドEC
クラウドECは、パッケージ同様、自由なカスタマイズが可能なシステムです。クラウド上にシステムを作れる特徴があり、ECシステムが常に更新されるので古くならないのがメリットです。
メリットだらけのように感じるクラウドECですが、企業では触れることができないブラックボックスのような領域があること、開発期間が長く開発費用も数百万円となることはデメリットと言えるでしょう。
フルスクラッチ
かつてはカスタマイズECサイトが主流でしたが、パッケージやクラウドECの改良によって廃れつつあります。フルスクラッチの特徴は、ここまで挙げた5つの方法のうちもっとも開発自由度が高いこと。ほかのシステムとの連携も可能で、マーケティング効率も最大化できることが最大のメリットです。
一方、デメリットとしては開発期間の長さと費用面です。ゼロから作るために莫大な負担が必要となります。たとえば、ZOZOTOWN並みの超大手ECサイトでなければ費用対効果を高めることは難しいため、パッケージやクラウドECに交代されつつあります。
規模別・おすすめECサイトの作り方
ECサイト制作においては、業態や売り上げがひとつの判断材料になります。まずは自社がどこに分類されるかが重要です。
個人は無料ASP
個人でECサイトを立ち上げようとしている場合、おすすめは無料ASPです。初期費用や月額費用が0円から始められるのは、資金が少ない個人事業にとっては魅力的です。決済のたびに手数料がかかったり、自分の好みにカスタマイズする際に料金が必要になったりしますが、それでも圧倒的に安価、かつ簡単に作れます。
年商1億円未満は有料ASP
ECサイトでの売り上げが年に1億円を超えない場合、有料ASPが良いでしょう。有料ASPは無料のものに比べてさまざまな機能があり、カスタマイズも可能です。有料とはいえ初期費用でも数万~数十万円ほどなので、それほど高額な資金が必要となるわけではありません。売り上げが安定するまでは有料ASPを使い、軌道に乗ってきたら状況に応じてカスタマイズしていくのがおすすめです。
年商1億円以上はパッケージなど
年商が1億円以上を見込む大型のECサイトを作るには、1日あたりかなりの注文数・金額が考えられるので、自社に合わせたサイトのカスタマイズが必須です。基幹システムと連携できるため、大型のECサイト作成にはパッケージやクラウドECが適しています。
なお、専門的な企業ばかりでなく、クラウドソーシングでECサイト構築経験者を探して依頼するという方法もあります。比較的安価で単発依頼もできますし、守秘義務契約を結べるため外部に情報が漏れることもありません。
売れるECサイトをデザインするコツはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:ECサイトのデザインのコツは?参考にしたいサイトや作り方も紹介
ワードプレスによるECサイトの作り方とは
今やWebサイト作成の主流のひとつはワードブレスです。ワードプレスを使ったECサイトはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ワードプレスを使うメリット、デメリット
ワードプレス(WordPress)は、見やすく作りやすいことに加え、機能拡張も簡単な点が特長です。そのため、サイト構築が早くできることはもちろん、コストも抑えられる点が大きなメリットです。さらに、ブログ記事での集客力に期待できるという点は、BASEなどの無料サイトとの違いでもあります。
なお、デメリットとして考えられるのは2点。1つ目は拡張機能の限界です。基本的には既存の機能を拡張させるのが主であるプラグインなので、新しい決済システムの導入などへの対応は難しくなります。
そして2つ目はセキュリティリスクです。ワードプレスは世界中で使用されているシステムのため、セキュリティ面で狙われやすいという点が挙げられます。
ECサイト構築時に使えるプラグイン
ワードプレスでECサイトを作る場合、基本的にはプラグインを利用します。ここでは、ECサイト構築に役立つプラグインを4つ紹介しましょう。
「Welcart」は、ショッピング、決済、受注管理、顧客情報管理といったECサイトの基本的な機能を満たしたプラグインです。日本で作られたプラグインなので、日本語対応しているのも嬉しいポイント。
「EC―CUBE」はオープンソースのプラグインで、ECサイト構築ができます。無料版でもECサイト構築に十分な機能は備えていますが、カスタマイズしたい場合は有料のプラグインを利用しましょう。
「easy myshop」は、HTMLなどの専門知識がなくてもさまざまな機能を使えるプラグインです。より細かい機能、高機能なシステムを利用したい場合は有料版にグレードアップするのがおすすめ。
「WP-OliveCart」はとてもシンプルな無料プラグインで、基本機能はショッピングカートと商品管理の2つです。シンプルなECサイトを作りたい場合に向いています。
ECサイト構築で知っておきたい言語
ウェブサイトを作るうえで欠かせないのが言語です。ページに訪れる利用者側をクライアントサイド、アプリケーションを提供する側をサーバーサイドに分けて、それぞれ必要な言語を説明します。
クライアントサイドの言語
クライアントサイドに必須な言語は3つです。ウェブサイト作成で必須となる言語・HTMLは、ウェブ構造を決める基本的な役割を果たします。そして、ウェブサイトの色やサイズ、レイアウトといった見た目を司るのはCSSとなり、ウェブページに動きをもたせたい場合に使うのはJavaScriptです。
サーバーサイドの言語
サーバーサイドではPHPやjavaといった言語が用いられます。PHPは更新された記事を自動でトップ画面に掲示させる機能などが代表的です。Javaは幅広い汎用的な言語で、システム構築からモバイルアプリ開発までさまざまな場面で使われます。
まとめ
ECサイトを作る際、それぞれの構築方法のメリット・デメリットをよく確認しましょう。ワードプレスを利用する場合、プラグインを活用することで構築ができます。もちろん、それほどウェブの知識がなくても自分で構築することも可能です。自社にとってどれが最適なのかを比較・検討してみてください。
ECコンサルタントやECサイトでの売上の考え方をご存じですか?ECサイト立ち上げの段階では、これらの内容も知っておくようにしましょう。
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