商品・サービスの購入だけでなく、ブランドの体験接点としても欠かせないECサイトを立ち上げて成功させるためには、事前に知っておくべきポイントがあります。そこで、ECサイト構築前に心がけておくこと、成功させるコツ、失敗例などを詳しく紹介します。
目次
ECサイト立ち上げ前に心がけておきたいこと
最初に、ECサイトを立ち上げる前に知っておくべきことを紹介していきます。
ECサイトで体験を提供する
ECサイトが出始めた頃は、店舗に行かなくてもモノを購入できるという手軽さが売り上げを伸ばす要因になっていました。しかし、そこから少しずつECサイトが増えて乱立状態となっている現在では、特徴がない・目立たないサイトは競合の中に埋もれやすくなっており、価格競争で疲弊してしまうという状態に陥りやすくなっています。
そのため、「モノを売る」という最低限のことができているだけでは立ち行かなくなったECサイトが生き残っていくためには、実店舗で得られるような「体験」の供与がひとつのカギとなります。たとえば、商品に触れたときに感じる高揚感・店舗のたたずまいや接客などから得られるブランドの雰囲気・長時間並んでやっと購入できたなどの体験は、ECサイトでは得ることができません。
また、職人がひとつずつ手づくりした開発ストーリーを店員からじっくり聞くのと自分で調べるのとでは、前者のほうがより購買を後押しする情報となることもあります。説明を聞きながら、丁寧に作られた商品を身に付けている自分を想像する、ステータスを感じる、よりエモーショナルな買物体験を得られるのです。
このように、実店舗で得られる商品の世界感・体験・感情をECサイトでも同等に感じられるようにすることが、これからのECサイトに重要な要素といえます。
ECサイトこそブランディングが重要
前述したように、ECサイトは顧客と直接コミュニケーションが取れないため、ブランドの価値や世界観をいっそう丁寧に伝える必要があります。そのため、ECサイトを立ち上げるのであれば商品のブランディングをしっかりと行っておくことが重要です。
サイトのデザインや雰囲気、何を伝えるかというコンテンツの取捨選択、買いやすさ・使いやすさにつながるユーザビリティなど、そのすべてがブランドを象る要素となります。それにくわえ、発信する情報に用いる言葉の選び方、サンプルセットの有無、梱包の丁寧さなど、直接対話できないからこそこのようなすべてにおいて細かな気遣いが求められます。
多くのユーザーから支持され、選ばれ続けるECサイトは、ECサイトがブランド体験の大事な接点ということを理解し、確立したブランディングを徹底しているといえるでしょう。
ECサイトを立ち上げるにあたっての重要なポイント
続いて、実際にECサイトを立ち上げる際に、覚えておきたい3つのポイントを紹介します。
ブランディングに沿ってコンセプトを固める
ECサイトはブランディングが重要だと説明しましたが、ECサイトの構築でもっとも重要なことは「誰に対してどのようなコンテンツや情報を提供するのか」「どのようなサイトにするのか」という、ブランディングに沿ってサイトのコンセプトを明確にしておくことです。コンセプトさえ定まっていれば、ECサイトはそれを実現させる場であるため、目的がブレないサイトを作ることができます。
制作の流れとして、まずは「誰に対してどのようなコンテンツや情報を提供するのか」を具体化していきます。自社商品を売るならば、商品の強みはなにか・ターゲットのペルソナはどうするのか・ユーザーはサイト上でどのような行動を取るのか・何をきっかけに購入するのか・どのような情報が欲しいのかなど、ユーザーの購買行動に沿ったストーリーを設計します。要するに、「訪問者に購買を促し、いかにCVRを上げるか」という観点で内容を考えていきます。
そして、「どのようなサイトにするのか」という流れでは、サイトのデザインやユーザビリティを構築していきます。具体的には、どのようなテイストのデザインにするのか・どのような情報を載せるのか・使いやすさや買いやすさは問題ないかなどを確認していきます。いずれも、すべての要素はユーザーの視点に立った内容で成り立っているかどうかが重要なポイントです。
運用しやすさを視野に入れて設計する
ECサイトは、立ち上げた後の運用のしやすさも考慮すべき点です。ECサイトは立ち上げてからが本格的なビジネスのスタートですが、運用しにくいECサイトは長続きしない可能性があります。日々の情報更新、購入・決済・発送・アフターフォローの管理、効果分析・改善など、担当者が簡単に運用できるよう設計することが重要です。必要であれば自社のニーズに合ったツールやシステムを導入することも検討しましょう。
構築方法と費用を事前に知っておく
最後のポイントは、ECサイトの構築方法や費用を知っておくことです。構築方法として、既存のシステムを利用して立ち上げを行うASP(アプリケーションサービスプロバイダ)、無償提供されているECシステムを利用して制作するオープンソース、ベンダーが開発したシステムを導入するパッケージ、クラウド上にシステムを作るクラウドEC、開発の自由度が高いフルスクラッチなどがあります。
構築方法にはそれぞれ特徴があるため、ECサイトで目標とする売上に応じて、対応可能なシステムを導入することが望ましいです。必要な機能、それに応じて発生する費用をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
こちらの記事ではECサイトの構築方法を詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:ECサイトの作り方とは?ワードプレスなら初心者でも簡単にできる?
ECサイトを立ち上げても失敗してしまうケースは?
ECサイトの立ち上げでは、以下のように失敗してしまうケースもあります。具体的にどのような例があるのか確認してみましょう。
ターゲットが広すぎる
失敗例のひとつとして、ターゲット層が広すぎるということが挙げられます。自社の商品を売りたい場合はメインターゲットが存在しますが、たとえば「40~50代の女性」とするより、「子育てが一段落して自分の時間を持てるようになった、都市圏在住の40~50代女性で、美意識が高い」など、ペルソナ分析でターゲットを細分化するのがポイントです。
ECサイトの運営においては、こうしてターゲットを絞り込むことで接点・アプローチ方法をより明確化し、効果的・効率的なマーケティングを行うことが大切です。
ストーリー設計がうまくできていない
もうひとつの失敗例として、顧客とのコミュニケーションを深めるためのストーリーがない・ストーリー設計がうまくできていないことが挙げられます。
繰り返しになりますが、ECサイトを立ち上げる際は、ユーザーがサイトに来てからの行動・欲しいと想定される情報・リピートにつながる要素などを整理し、そのニーズに合うアプローチを構築するというストーリー設計が必要です。
うまくできていない場合は、ペルソナ分析を行ったターゲットの行動を調べて仮説のストーリーを作り、効果検証を行います。これを繰り返すことによって自社商品の販売に最適なストーリーが絞られていきます。
リピーターの醸成がうまくいっていない
リピーターの醸成・育成がうまくいっていないECサイトも、失敗しやすい例のひとつです。サイトに何度も来てくれる・自社商品を何度も購入してくれるリピーターは自社への関心が高く、ブランドロイヤルティが高い優良顧客です。見込み客を取り込むよりも効率的にCVを獲得できるうえ、ブランドのファンとして口コミの拡散効果も期待できます。
リピーターを醸成するためには、一度購入したユーザーに対し、その後もブランドに対するロイヤルティや満足度を高める対策を講じることです。購入後のサンクスメール送信、定期的な情報発信、グリーティングメール、限定・特別商品販売、クーポン配信など、「お得意様」ならではの特典やサービスを提供することで効果的なCRMも実現します。
ECサイトの立ち上げでお困りなら「クラウドワークス」
自社でECサイトの立ち上げが難しい場合は、クラウドソーシングサービスの「クラウドワークス」を通してプロに依頼することがおすすめです。
ECサイト立ち上げ時に依頼できること
ECサイトを立ち上げるには、入念な競合調査とコンセプト設定、そこから具体的なECサイトの設計・開発、商品登録など、膨大な作業が必要です。中には専門的な知識を要する業務もあり、ノウハウやリソースがないとスムーズな立ち上げが難しい可能性もあります。
クラウドワークスにはあらゆる業界のプロや経験者が登録しており、競合調査を行うマーケティングプランナー、ECサイトの設計・開発ができるプログラマー、商品撮影が可能なカメラマン、紹介文を書くライター、サイトのデザインを行うWebデザイナーなど、ECサイト立ち上げに必要な業務をそれぞれのプロに依頼することが可能です。
ECサイト運営において依頼できること
ECサイト立ち上げ時への依頼だけでなく、運用においても依頼できます。フォーマット上でトーン&マナーを合わせながら商品登録を行うことや、リピーターを増やすためのSNSやメルマガ配信、サイトの効果検証など、専門的なノウハウを必要とするような業務においてのハイレベルな人材を探せます。
中には1人で何役もこなせる個人やフリーランスもいるため、事前にクラウドワークスのプラットフォーム上から実績や経歴に目を通しておき、気になる人にはメッセージを送信したり、スカウト機能を使って直接依頼したりすることもできます。
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まとめ
成功するECサイトを立ち上げるには、よりユーザー像を具体化するためのペルソナ設定を行うなど、いくつかの事前準備が必要です。ある程度の専門的な知識・ノウハウは必要であるため、クラウドソーシングでプロに依頼することも検討してみてください。