さまざまな局面においてグローバル化が広がる中、海外向けのECサイト(越境ECサイト)を活用して各国のマーケットを開拓する企業が増えています。今回は、越境ECサイトの概要や、越境ECサイトの構築・運用にかかる費用相場、おすすめの外注先(運営代行会社)などを紹介します。
目次
越境ECサイトとは?
越境ECサイトとは、国境を越えて海外向けに販売を行うサイト(越境ECの取引を行うサイト)のことです。国内のモノ・サービスなどを海外に販売することもありますが、海外在住の日本人が在住国のモノなどを日本に向けて販売するケースもあります。
越境ECを構築する際は、海外向けの機能や基盤の必要性を考慮しつつ、構築方法を決めることが重要です。オリジナルのWebサイトをデザインできる「フルスクラッチ型」や、ECに必要な機能が備えられた「パッケージ型」、初期費用が安く済む「ASP型」などから適した方法を選択します。
自社内で越境ECサイトの構築・運営を行うことが難しい場合、代行会社などに外注することも可能です。
ECサイトの運営代行に依頼できる業務範囲や、外注先を選ぶ際の注意点などについては、以下のページで詳しく紹介しています。
関連記事:ECサイトの運用代行でリソース確保!業務範囲や相場をチェック
越境ECサイトの構築・運営にかかる費用相場
越境ECサイトを構築・運用する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。まずは、外注する際の費用相場を紹介します。
構築費用
ECサイトを構築する方法は、主に5つあります。
1. 大手のECモール(Amazon・楽天など)を利用する場合
大手のECモールを利用する場合、初期費用は無料~数万円が相場です。また、毎月の運営手数料・販売手数料がコストとして必要であり、各種手数料の金額はECサイトの売上に応じて設定されることが一般的です。
2. ASPを利用する場合
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)を利用してECサイトを運営すると、比較的費用を抑えることができます。初期費用は無料〜数十万円、月額利用料は数万円〜が相場です。
ASPについての詳細は以下の記事をご参照ください。
関連記事:ECサイトをASPで構築するには?無料・有料おすすめサービス比較
3. オープンソースを利用する場合
インターネット上に無料で公開されているオープンソースを利用してECサイトを構築する場合、ソースコードなどの専門知識が求められます。構築費用は数十万円〜ですが、運用・保守は自分たちで行う必要があるため、毎月数十万円程度の保守費用が見込まれます。トータルの費用としては100万円を超えるケースも多く、ある程度の初期投資が必要といえます。
4. ECパッケージを利用する場合
クオリティの高いサイトを手軽に制作したい場合、ECパッケージを利用すると便利です。ただし、サイト構築費用は高額になることが多く、初期費用が数百万円、維持費用が毎月数十万円程度必要です。
5.フルスクラッチで構築する場合
フルスクラッチはゼロからサイトを構築でき、カスタマイズの制限もない点がメリットですが、開発費用は高額になります。開発費用に数千万、保守・維持費用などに毎月数十万円〜数百万円程度のコストが見込まれるため、大規模なECサイトを運営できる予算を確保可能な場合に適しています。
ECサイトの構築方法の特徴や選び方、費用相場の詳細などについては、以下のページを参照してください。
関連記事:ECサイト(ネットショップ)構築の方法と費用相場
立ち上げ・運営費用
越境ECサイトの立ち上げ・運営を外注することも可能です。
依頼できる業務は、フロント業務とバックエンド業務に分かれます。フロント業務には、ECサイトの企画、運用戦略や商品提案などのほか、ECサイト自体の構築や集客なども含まれます。バックエンド業務には、受発注・商品発送・商品の登録・在庫管理・アフターフォローなどが含まれます。
費用の支払い方法は外注先によって異なり、売上の5〜10%を支払う「成果報酬型」、毎月一定の金額を支払う「固定報酬型」(相場は月1〜10万円程度)、固定報酬と成果報酬を組み合わせた「複合型」(相場は月5〜10万円程度)があります。
ECサイト構築前の注意点や運営を成功させるコツ、失敗例などについては以下のページで詳しく紹介しています。
関連記事:ECサイト立ち上げ前に。外せないポイントと失敗例をまとめて確認!
また、ECサイトの売り上げを伸ばすコツについては以下の動画でも解説しています。
おすすめの越境ECサイト運営代行会社
越境ECサイトの構築・運営を外注する際は、運営代行会社のサービスの質や実績などを考慮して外注先を選びましょう。費用対効果を期待するのであれば、海外のマーケット事情に詳しい外注先がおすすめです。
なお、ECサイトの構築・運営代行にかかる料金は、サイトの規模や依頼する業務の範囲、各外注先の料金体系などによって金額が大きく異なるため、料金の詳細は公開されていないケースが多くなっています。そのため、発注前に費用感を知りたい場合は各社ホームページの問い合わせフォームなどから連絡し、料金の見積もりを出してもらうとよいでしょう。
株式会社飛躍
株式会社飛躍は、越境ECサイトの構築・運営代行などを幅広く請け負う会社です。ECプラットフォームのShopify(ショッピファイ)を提供しており、越境ECのコンサルティングやECサイトのカスタマイズにも対応しています。既存のECサイトを多言語対応にしたい・サブスクリプション(定期購入)が可能なECサイトを作りたい・コーポレートサイトとの一体型にしたいなどの要望を伝えてECサイトの構築・改修を依頼することもできます。
株式会社エスプールロジスティクス
株式会社エスプールロジスティクスは、ECサイトの構築や運営代行、コンサルティングなどを請け負う会社です。越境ECサイトの立ち上げ時に課題となる、通貨・税金・法律・言語の違いなどに関するサポート体制が整っており、海外進出の相談や戦略立案、運営の実業務など、越境ECの構築・運営に関連するさまざまな仕事を依頼できます。
台湾のECモールであるShopee(蝦皮購物)と業務提携しているため、日本製品の人気が高い台湾への進出を検討している場合にもおすすめです。
株式会社ブランジスタ
株式会社ブランジスタは、海外市場のリサーチ・多言語翻訳・Web集客など、越境ECサイトに関するサポートサービスを提供している会社です。取引決済の代行や通関を含めた海外配送、現地の購入者向けのカスタマーサポートなどにも対応しており、越境ECサイトの運営全般を依頼することができます。
初期費用・固定費用は無料ですが、在庫や受注管理などができる一元管理ツールの「まとまるEC店長」の導入が必須であり、月額料金として約1万円のコストがかかります。
株式会社エフカフェ
株式会社エフカフェは、中国市場でのEC運営実績が豊富な会社です。ECサイトの構築や運営代行、コンサルティングなどに対応しており、アリババグループが提供する大手モールの天猫国際(Tmall Global)への出店、天猫(Tmall)への中国法人としての出店なども依頼できます。中国市場における物流やユーザー対応、プロモーションなども手掛けているため、中国で販売・展開したい商品やサービスがある場合におすすめです。
JUTOU株式会社
JUTOU株式会社は、中国ECサイトへの出店・運営代行などを請け負う会社です。中国の大手ECサイトである淘宝(Taobao)や天猫(Tmall)、京東(JD)などへの出店申請や運営代行を依頼でき、ECサイトの構築や中国語サイトの製作を任せることもできます。日用品・美容品・食品・部品などの運営実績が豊富であること、中国市場における事業展開や業績アップのサポート体制が整っていることが強みです。
越境ECサイトの構築・運営代行はクラウドワークスへ
越境ECサイトの構築・運営代行の外注先はいくつかありますが、クラウドソーシング(仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービス)を利用することもできます。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録ワーカー数が480万人を超えており、大手企業・官公庁などのECサイト運営代行実績が豊富です。
▶依頼できるECサイト関連の業務、発注事例などを詳しく見てみる
越境ECサイトの構築を依頼する場合は、職種(エンジニア・コーダー・Webデザイナーなど)で絞込検索することができ、サイト構築をまとめて依頼することや、デザイン制作・翻訳作業などを部分的に依頼することも可能です。また、海外市場に詳しい人材やマーケターなども登録しているため、ECサイトの運営代行(在庫管理・商品管理など)を依頼したり、運営に関するアドバイスを受けたりすることもできます。