マーケティング
公開日: 2019.07.11 / 最終更新日: 2020.01.06

EC市場規模や直近の動向とは?2019年の最新トレンドも紹介!

ECの市場は、スマホの普及などにより右肩上がりの成長となっています。では実際にEC市場規模はどのくらいで、今後も成長は見込めるのでしょうか?2019年のEC市場におけるトレンドと合わせて解説します。

EC市場とは?規模や成長率は?


まずは、日本のEC市場の規模や成長率をみてみましょう。

BtoC市場規模は約18兆円

経産省の調査(※1)によると、平成30年度の日本国内におけるBtoCのEC市場規模は18.0兆円となり、前年の16.5兆円に比べ8.96%の伸びとなっています。また、BtoBのEC市場規模は344.2兆円で、前年の318.2兆円に比べ8.1%増となりました。BtoCとBtoBはいずれも拡大傾向にあります。

特に、BtoC市場では、物販系分野の構成比が全体の8.12%(前年度7.45%)、サービス系分野が11.59%(前年度11.3%)を占め、これらが成長市場を牽引しています。

※1:経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」

EC化比率は6.22%

すべての商取引の市場規模に対する、電子商取引の市場規模の割合であるEC化率は、BtoCのEC市場で前年比0.43ポイント増の6.22%、BtoBのEC市場で前年比0.8ポイント増の30.2%となりました。このことからも商取引の電子化が進んでいることがわかります。

規模の拡大が予測されている

野村総合研究所が2018年12月に発表した「2024年度までのICTやEC市場などに関するトレンド予測レポート」によると、2019年の5年後、2024年度におけるBtoC-EC市場は27兆2000億円、年率5~10%程度の成長が続くとされています。そのため、EC市場は今後も拡大することが見込まれます。

EC市場が成長している背景とは?


EC市場成長の要因には、どのようなことがあるのでしょうか。

スマホ決裁比率の拡大

EC市場成長の要因のひとつとしては、電子商取引にキャリア決済をする人が増えたことが挙げられます。総務省の「平成28年度通信利用動向調査」によると、インターネットで購入する際の決済方法の1位は「クレジットカード払い」が63.0%でトップ。これに、「コンビニエンスストアでの支払い」(35.1%)が続き、コンビニでの後払いが「代金引換」(32.0%)を凌ぐ勢いとなっています。

また、「ネットバンキング・モバイルバンキングによる振込」が15.1%となり、クレジットカードを持たない若年層や、個人情報漏洩に対する不安からクレジットカード利用を避ける層の支持により、スマホ決済率が拡大しています。

CtoC業態の成長

EC市場の成長を後押ししているもうひとつの要因として、メルカリなどのフリマアプリに代表されるCtoC-EC市場の成長が挙げられます。前出の経産省調査によると、CtoC-EC市場は2018年で6,392億円に達し、前年の4,835億円から32.2%増と飛躍的な伸びを見せました。2012年にフリマアプリが誕生して以来、わずか6年で巨大マーケットが形成されたことになります。

越境ECの拡大

越境ECとは国境を超えて行われる電子商取引のことで、高品質で安全性の高い日本製品が外国人に支持されていることによりますます拡大を続けています。

前出の経産省調査によると、平成30年の日・米・中3カ国間における越境ECの市場規模はいずれも増加。特に、中国人による日本での越境EC購入市場は、前年比18.2%増の1兆5,345億円、同じく中国人の米国事業者からの越境EC購入額は、前年比18.5%増の1兆7,278億円となり、中国消費者の活発な越境EC利用が目立っています。

EC市場におけるトレンドとは?


拡大の一途をたどるEC市場ですが、最近のトレンドはどうなっているのでしょうか。

パーソナライゼーション

消費者一人ひとりに最適な提案をする「パーソナライゼーション」は、昨今のAI技術の発展からかなり高度なレコメンドサービスを提供できるようになりました。サイト訪問者の検索や行動履歴、位置情報、購入履歴等の情報をもとに、最適な場所・タイミングで必要とされている情報を提供する緻密なパーソナライゼーションは、いまや必須のマーケティング施策です。

動画コマース

静止画像より動画コンテンツのほうが関心喚起や購買促進につながることは実証済みです。しかし、もはや差別化要素にはならず、動画を見てから別サイトで検索して購入するというタイムラグも発生し、購買のチャンスロスになっていました。

これを革新的に解決したのが、2018年に発表された、触れる動画の「TIGコマース」(ティグ コマース)です。TIGコマースは、動画を見ながらフリックして買うことができ、次世代型のデジタルマーケティングサービスとして注目されています。

クロスコマース

クロスコマースとは、体験と購買を融合させて、セールスやビジネスのチャンスロスを防ぐための考え方です。動画コマースもそのひとつですが、2018年にはインスタグラムからすぐに購入ができる「Shop Now」が日本でもリリースされ話題となりました。モノやサービスを見たり体験したりしてすぐに購入できる、というスキームがクロスコマースで、今後も発展すると予測されています。

インフルエンサーマーケティング

特定のコミュニティにおいて、ほかのユーザーに対し口コミの影響力が大きい人を活用し、認知や購買意欲を向上させるのがインフルエンサーマーケティングです。ただし、フォロワーは購入することもできるようになっているので、フォロワーが多い=影響力が大きいではなく、本当に質の高い、効果のあるインフルエンサーの見極めが重要といわれています。

また、SNSが普及したことから、ごく普通の一般人からも多くのインフルエンサーが誕生しました。SNSでは有名人よりも身近な人の意見に左右されることが多いため、こうしたインフルエンサーの有効活用が重視されています。

インフルエンサーマーケティングには注意点も多く、実は一歩間違えると失敗してしまうこともあります。何がリスクになるのか、以下の記事でチェックしてみてください。
関連記事:インフルエンサーマーケティングとは?効果と成功事例を紹介!

EC市場のマーケティングや戦略についての詳しい内容はこちらの記事で紹介しています。
関連記事:ECマーケティング・戦略とは?具体的手法や企業の成功事例を紹介!

まとめ

電子商取引であるEC市場は、今後も年率5%前後で成長することが予測されており、あらゆる方面から注目される市場です。最近では、動画を見てすぐに購入できたり、インスタグラムから即購入できたりなど、いかに購買のチャンスロスを防ぐかというデジタルマーケティング施策がトレンドとなっています。自社の商品やサービスを効果的に販売に結びつけるためにも、これらの施策を見極めて有効活用するようにしましょう。

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広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランやの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。

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