消費者のオンライン購買比率が拡大している今、ECマーケティングの重要性が高まっています。今回の記事ではECマーケティング・戦略というテーマで、自社の戦略見直しの参考になるような具体的な施策や、企業の成功事例を紹介していきます。
目次
ECマーケティングとは?
ECとは「E-Commerce(電子商取引)」の略称です。今回取り上げるECマーケティングとは、Eコマース上でマーケティングを実践すること。具体的に言うと、集客から購買意思決定・リピート購入等を含め、ユーザーに自社商品を発見・購入してもらい、継続して利用してもらうための戦略や戦術を立てる活動を意味します。
ECマーケティングにおける4つのプロセスとは?
実店舗での購買行動と同じように、EC上でも消費者の行動を把握し、それぞれの段階での適切なアプローチが重要です。ここではECマーケティングにおける4つのプロセスとして「集客」「回遊」「購入」「再訪」を紹介します。消費者行動の特徴や、効果的なアプローチ方法をチェックしていきましょう。
集客
集客は、自社のサイトにユーザーを集めるというプロセスです。集客~流入のプロセスにおいては、自社のECサイトや商品を発見してもらうことは重要です。そのため、検索ワードに対してのリスティング広告や、関連したワードに対してのバナー広告などが有効です。また、時間はかかりますが長期的な視点ではSEO対策も効果的です。
リスティング広告の出稿方法やメリット・デメリットはこちらをご覧ください。
関連記事:リスティング広告は効果ある?メリットとデメリットを解説!
回遊
回遊は、ユーザーが自社ECサイトにたどり着いた後、サイト内で商品の検索、特徴のチェック、レビューの確認などを行うプロセスです。自社ECサイトに流入した目的により変わりますが、回遊のプロセスにおいては、ワード検索ができるバーの設置、おすすめ商品を紹介するレコメンド機能、充実した商品特長や写真、購入者のレビューなどが効果的です。
購入
購入は、消費者が意思決定をするプロセスです。既にカゴに商品が入っている状態で、送付先や支払い方法を選択する工程を意味します。ここで分かりにくい点があると、いくら購入直前であってもページから離脱してしまいかねません。特に、支払い関連に関しては誰しもが慎重になるので、入力画面はシンプルかつフォーマルさを意識すると良いでしょう。
ECサイトの売上の考え方はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:ECサイトの売上を伸ばすには?方程式で重要なのは購入率!
再訪
一度購入してもらったユーザーにアプローチして再購入を促す、というプロセスが再訪です。ここではメールマガジンの配信や、リターゲティング広告などが有効になります。当然購入した商品の満足度が大きく影響するので、レビューや事後調査などを使って、リピート購入が期待できるほどの商品・サービス力が提供できているかも継続的にチェックしていくことが重要です。
ECマーケティング・戦略の具体的手法とは?
ここではECマーケティング・戦略の具体的手法について解説します。上記で紹介したプロセスにおいてそれぞれどのような施策が有効なのか、そのポイントを含めてチェックしていきましょう。自社の現在の戦略・戦術を見直すきっかけにしてみてください。
SEO、コンテンツ対策
SEOは「集客」のプロセスで有効な手段で、GoogleやYahoo!で検索した際に上位表示を狙う施策です。コストをかけて表示させるオンライン広告のような短期的・スポット的な施策に比べて、長期的な視点でサイト内のコンテンツを拡充させることが重要です。SEOは、ユーザーへのエデュケーションという観点で、ECサイトにおいてもコンテンツ対策を検討することが効果的と言えます。
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サイト内検索
サイト内検索は「回遊」のプロセスで有効な施策です。サイト内でユーザーが快適にショッピングを進めてもらうことが目的となり、具体的には「ワード検索」「カテゴリー検索」「サイズ検索」「価格検索」などが挙げられます。
レコメンド機能
レコメンド機能は「回遊」プロセスで有効です。過去の商品検索・閲覧履歴や、カゴに入れた商品から分析したレコメンド、一度購入したユーザーであれば過去の履歴などからおすすめ商品を紹介する機能です。サイト内の回遊を促す効果や、新しい商品を発見してもらう効果があります。
商品画像
テキスト以上に重要と言えるのが「商品画像」の拡充です。特にデジタルネイティブやソーシャルメディアを頻繁に使う若い世代は、ビジュアルでのコミュニケーションを好みます。商品画像に加えて、可能であれば動画で紹介することも検討しましょう。
動画で商品を紹介するメリットはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:動画マーケティングは効果がある?メリットや事例を徹底解説!
レビュー拡充
購入の決め手になると言っても過言ではないのが「レビュー」です。レビューは商品を発見してもらうきっかけや、購入直前の後押しとして有効となります。いくら良い商品であってもレビューが少ない、または評価が悪いと購入をストップする原因になります。
リターケティング広告
リターゲティング広告は、一度サイトを訪れてくれた人に対して広告を配信する施策です。全く関心がない新規のターゲットより関心があるため、クリック率などが高まる傾向があります。
メールマーケティング
メールマーケティングは「再訪」のプロセスで有効です。商品を購入したユーザーにメール配信することで、リピート購入を促す施策です。継続的に接点を持ち、ユーザーとのエンゲージメントを高めるために効果的と言えます。
ECマーケティングの成功事例を紹介
ここでは、ECマーケティングの成功事例として「北欧、暮らしの道具店」「Zappos(アメリカの靴のECサイト)」「ライスフォース」のケーススタディを紹介します。それぞれのポイントを参考に、自社サイトの戦略・戦術立案に反映してみてください。
北欧、暮らしの道具店:コンテンツ拡充による集客
「北欧、暮らしの道具店」は北欧雑貨を販売するECサイトで、2007年のオープン以来成長を続けています。成長の大きな要因は、コンテンツの拡充によりメディアとしてのポジションも確立したこと。アイテムの紹介コンテンツから北欧ライフスタイルの紹介などは、まるで雑誌を読んでいるような感覚もあり、そのような中で同時に買い物もできるという場を提供している事例です。
出典元:北欧、暮らしの道具店
Zappos:ECビデオ導入で売上アップ
アメリカで靴を中心に服飾のECサイトを運営している「Zappos」は、初めてECサイトに動画を導入したことによって売上を伸ばしました。動画導入後には売上が20~40%拡大し、動画ありの商品は、ない商品と比べても6~30%売上が高まることがわかりました。さらに、消費者が商品をよく理解したうえで購入するので、返品率減少にもつながったという事例です。
出典元:Zappos.com
ライスフォース:Facebookマーケティングでファンを獲得
お米を原料にした化粧品を提供している「ライスフォース」は、Facebook活用により売上を拡大。Facebookでは商品の購入は促さず、あくまでユーザーとのコミュニケーションの場と捉え、ターゲットとなる30~50代の女性の関心が高い記事や投稿を継続しています。ユーザーとのエンゲージメントが高まり、結果的に売上につながった事例です。
出典元:RICE FORCE
まとめ
今回はECマーケティングというテーマで、消費者行動のプロセスや具体的な手法、企業による成功事例を紹介しました。ECマーケティングは、今後もオンライン購買比率が拡大することでさらに重要になっていきます。ぜひ今回の記事を自社の戦略立案の際に参考にしてみてください。