
イベントマーケティングとは、リアルな体験を提供できるオフラインイベントを効果的に活用してマーケティングを行うことで、オンラインイベントでは得られないようなメリットも存在します。イベントマーケティングの効果を引き出すコツ、効果測定方法、成功例などを紹介します。
目次
イベントマーケティングで得られる効果とは
イベントマーケティングで得られる効果として、まずはターゲットの可視化が挙げられます。展示会やセミナーなどのイベントでは来場した人と接触できるため、事前にペルソナ設定したターゲットは来場しているか、的確なアプローチで目的を達成できたかを可視化できます。それにくわえ、ターゲットとのコミュニケーションの中で生の声を拾うことができるため、その後のマーケティングデータとしても活用できます。
また、イベントマーケティングはファンを形成できる効果もあります。こうしたイベントに参加する来場者はイベントのテーマに対して高い関心をもっているため、来場の時点で優良な見込み客である可能性が高いです。つまり、適切にアプローチすれば自社商品・サービスを長く愛してくれるファンになりやすく、SNSなどの拡散効果も期待できます。そのため、たとえば既存顧客となったこのようなファンへ向けたイベントを継続的に行うと、顧客満足度の向上につなげることが可能です。
イベントマーケティングは成果を明確に判断できる効果もあります。イベントの成果を判断する材料には来場者数やイベント終了時にわかる目標達成の成否がありますが、これらはほとんどタイムラグを空けることなく把握できます。その後の商談の成果やPR効果も含めても、およそ1カ月程度で成否判断が可能です。
イベントマーケティングの効果と併せてメリット・デメリットも確認しておきましょう。
関連記事:イベントマーケティングとは?メリット・デメリットや手法を紹介!
イベントマーケティングの効果を引き出すための方法とは
イベントマーケティングの効果を最大限に引き出すための方法を5つの段階に分けて解説していきます。
目的と目標の設定
イベントマーケティングは、事前にイベントを行う目的と目標を明確にしておくと効果測定を行いやすくなります。イベントの開催目的として一般的なのは、認知の獲得やブランディング・リード獲得・商談の創出などがあります。どの目的で実施するのかあらかじめ決めておき、社内で共有しておきましょう。
ターゲットや日程を決めてコンテンツ準備
目標や目的が決まったら、次はターゲットの明確化と、ニーズに合うコンテンツや日程の決定を行います。自社商品・サービスの認知向上を目的とする場合、商品知識の浅い来場者がターゲットとなるため、興味を喚起するようなイベントのコンテンツが必要です。
一方、既存顧客に対するセミナーなどの場合、売上単価アップや同時購入を狙う対策を組むようにします。その際、BtoCではなくBtoBならば週末開催よりもビジネスタイムの開催が好ましいでしょう。
イベントのオペレーション設計
次に、イベントをスムーズに運営するための人員体制や会場設計、タイムスケジュールの設定などといったオペレーションまわりの計画を決めていきます。人員体制としては、セミナーならばMCや来場者のアテンドスタッフ、展示会ブースでのイベントならば商談担当者や商品・サービスの説明スタッフなどが必要です。
また、セミナーの場合は来場者の座席やスクリーンの配置、展示会ならば展示物・営業ツールの設置場所、そして商談コーナーのレイアウトも決定します。いずれも来場者の目に触れやすい・コミュニケーションしやすい導線であることが求められます。
ブースでミニイベントなどを行う場合は、タイムスケジュールの設定も重要です。昼食時間や終了間際などの滞留人数が少ない時間帯を避け、人が集まりやすいタイミングを見計らってスケジューリングします。
イベント後のフォロー
イベントは終了後の顧客フォローも重要です。顧客の見込み度に合わせ、対応に優先順位を付けるとスムーズです。BtoBの場合、最優先の見込み客にはイベント会場で次回商談のアポイントメントを取っておき、すぐにフォローを行います。ただしアポイントメントの有無に限らず、顧客が詳細な説明を希望してればすぐにフォローアップを行う態勢を持っておきましょう。
BtoCの場合は、イベント来場の御礼を兼ねたメールやDMなどを送り、関係を継続させることが重要です。
イベントの結果計測と改善
ほかのマーケティング活動と同様、継続してイベントを開催するのであればPDCAを回していくことが重要です。効果測定の指標は来場者数や商談・受注獲得数など、その目的に応じて異なりますが、事前にKPIと測定方法を決めておき、正確な数値を把握するようにしましょう。
効果のあったイベントマーケティング事例
イベントマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
KIRIN 本搾り「たっぷり搾って!本搾り体験」
KIRINのチューハイ「KIRIN 本搾り」は、『たっぷりの果汁とお酒でできている』ことをアピールするため、本搾り体験を行えるイベントを実施しました。参加者が光るセンサーを順番にタッチしていくと、巨大グレープフルーツを絞るようなGIFアニメが生成され、自分のスマートフォンでダウンロードできるというものです。このGIFアニメはSNSで拡散され、大きな話題となりました。
NIKE「Reactland」
中国のNIKEが実施したゲームイベント『Reactland』は、NIKEの新商品「Epic React」の履き心地を体感できるものでした。参加者は事前に自分のアバターを作成し、主人公となってゲームの世界に参加します。「Epic React」を履いて走り出すと、背景が万里の長城や富士山、自由の女神などに変わり、コントローラーでジャンプしたり障害物をよけたりするとアイテムを得られる仕組みです。
参加者は楽しみながら3分間のランニング体験ができるうえ、そのビデオクリップは参加者にプレゼントされたため拡散効果もありました。
日本中央競馬会「有馬記念でさがせ!」
有馬記念の開催に先駆けて、日本中央競馬会と「ウォーリーをさがせ!」によって展開されたスペシャルコラボ企画が『有馬記念でさがせ!』です。Webサイトで有馬記念の歴代優勝馬と「ウォーリー」を探し出すゲームや、自分がアバターとなってウォーリーのオリジナルステージを作成するコンテンツなどを配信しました。
有馬記念への期待感を醸成するだけでなく、オンラインからオフラインへ移行する企画を行った結果、公開期間が2週間だったにもかかわらず最終的な訪問数は320万人を記録し、大きな成果を遂げました。
イベントマーケティングの効果測定の方法例
イベントマーケティングの効果はどのように測定していくのでしょうか。主な流れを3つのステップに分けて説明します。
目標を設定する
イベントマーケティングの効果を測定するために、まずは達成目標を事前に設定していく必要があります。具体的な指標として、自社ブースへの来場者数、会場で成立した商談数や受注件数、受注した売上や利益、獲得した名刺・アンケートの数、次のセミナーへの送客予定数、イベント後のフォローアップメールのクリック数などが相当します。それぞれ目標を定めておき、達成状況によって効果測定を行います。
アナリティクスツールを使用する
効果測定のために前もって顧客管理システムや顧客獲得・育成の作業工程を自動化できるMAツールを整備している場合、このようなアナリティクスツールを使って来場者データを記録してみましょう。顧客管理に関するシステムやツールと連携できると、ターゲットにどれだけアプローチできたかなどといった効果を簡単に把握できます。また、来場者の商談見込み度に合わせたフォローアップ施策などもスムーズに展開することができます。
アナリティクスツールの中には展示会の自社ブースにカメラを設置できるものもあり、これを活用することによって、ブース前の通行量・ブースへの入場率・ブース内の展示物の視認率・来場者の属性などを把握できる場合もあります。このようなツールを活用することも効率的な効果検証につながります。
投資対効果を算出する
イベント実施にかかった費用と投資対効果(ROI)を算出すると客観的な効果測定が可能です。ROIは「利益・効果÷マーケティング投資額×100」で算出でき、数値が高いほど費用対効果も高いことになります。数値を出すだけで判断できるため、規模の違うイベントなどの効果比較にも活用できます。
効果的なイベントマーケティングを行うには?
効果的なイベントマーケティングを行うには、事前の目的・目標設定、コンテンツ・オペレーション計画の策定、効果測定など、専門的な知識やノウハウが必要です。時代やターゲットニーズに合ったプランを設定できるマーケター・プランナーの存在は必須であるため、自社にこのような人材を求めている場合は「クラウドワークス」の活用も検討してみましょう。
オンライン上で企業が個人がつながり、さまざまな業務を受注・発注することができるクラウドソーシングサービスの中でも、国内ユーザー数No1のクラウドワークスにはイベントマーケティングを効果的に展開できる人材が多数在籍しています。
クラウドワークスのサイト上から個人のプロフィールや実績を確認でき、正式に依頼する前に個別で相談することもできるため、ミスマッチのリスクを低く抑えつつ希望に合う人材を見つけられます。個人に依頼できる分、専門の会社などに依頼するよりも比較的コストを抑えられるため、まずは試してみたいという場合にもおすすめです。
▶クラウドワークスの使い方や事例、発注相場がわかる資料をダウンロードする
まとめ
イベントマーケティングを行うことで、ターゲットをより可視化したり、ファンを形成しながら顧客数を増加させたりすることが可能です。イベントマーケティングを効果的に行うにはノウハウや知識のある人材が必要となるため、クラウドソーシングなどを活用しながらプロに依頼することも検討してみてください。