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公開日: 2020.04.30 / 最終更新日: 2023.12.13

テレワークとは?リモートワークとの違いやセキュリティ対策のポイントとは

働き方改革や感染症予防の観点から注目されている「テレワーク」ですが、具体的にはどのようなワークスタイルなのでしょうか。その意味やメリット・デメリット、導入時に必要なセキュリティ対策、導入事例などを紹介します。

テレワークとは?


最初に、テレワークの意味を確認しておきましょう。

場所や時間にとらわれない働き方

テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた造語で、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことです。働く場所によって「在宅勤務(自宅利用型テレワーク)」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型テレワーク)」の3つに分けられます。

「在宅勤務」とは、自宅に居ながらPCやインターネット、電話などを通じて会社と連絡を取り合いながら仕事をする働き方です。「モバイルワーク」は移動中や顧客先、カフェなどでPCや携帯電話を使って働く方法で、「サテライトオフィス勤務」は、勤務先以外のオフィススペース(レンタルオフィスやコワーキングスペース、自社専用施設など)業務を行うスタイルです。

テレワークが必要なケースとして、家庭の事情(妊娠・育児・介護など)や健康上の理由(ケガ・疾病など)でフルタイム出社が難しい社員がいる場合、社会情勢(感染症拡大防止)や社の方針によってオフィスへの出社人数を減らしたい場合などが挙げられます。

また、テレワークに適した業務部門は、企画・研究・開発、経理・総務などのスタッフ部門、営業、SE、サポートサービスなどの顧客対応業務などです。近年では、企業努力によって幅広い部門でテレワークを可能にした事例なども見られます。

テレワークと在宅勤務の違い

テレワークとは、上記で説明したように、ICTを利用してオフィス以外の場所で仕事をする働き方の総称です。

それに対し、在宅勤務とは、自宅で仕事をする働き方をいいます。短時間のみ勤務できる人材を有効活用できる点、通勤・退勤を含めた長時間移動のストレスを解消できる点などが在宅勤務のメリットです。

一方、仕事とプライベートのON・OFFを切り替えづらいというデメリットもあり、サテライトオフィス勤務やモバイルワークなどと併用するケースもあります。テレワークと在宅勤務は、それぞれの特性をふまえて柔軟に組み合わせると良いかもしれません。

テレワークとリモートワークの違い

近年では「リモートワーク」という言葉も聞かれるようになりました。

リモートワークとは「remote = 遠隔・遠い」と「work = 働く」の造語です。遠くで働くという意味となるため、テレワークとの言葉の違いはほとんどありません。ただし、テレワークという言葉は国や大企業が使う傾向にあり、テレワークよりも新しい言葉であるリモートワークはIT業界やベンチャー企業などで使われている傾向にあります。

いずれにしても必要なスキルを集めてプロジェクトを組むので、メンバーが同じ場所にいる必要はなく、1人が複数のプロジェクトに参加することも可能です。このような場所や時間、雇用形態の制約を受けにくい働き方の実現は、深刻化する人材不足の一助にもなります。

テレワークによる効果


テレワークによる効果としてまず挙げられるのが、「雇用創出と労働力の創造」と「優秀な社員の確保」です。人材不足が叫ばれるなかで、育児や介護、退職したシニア、通勤が困難な障害者等の優秀な人材の受け入れは、業務の効率化とクオリティの向上、顧客への迅速な対応などの「生産性の向上」につながります。

また、在宅勤務により家族と過ごす時間が増え、仕事と生活の調和が整う「ワーク・ライフ・バランスの実現」や、通勤減少の二次的効果である「オフィスコスト削減」「環境負荷の軽減」も生み出します。

さらに、非常災害時やパンデミック時における事業継続を可能とする「事業継続性の確保(BCP)」の効果もあります。このように、テレワークの導入は自社だけではなく社会にとっても大きな効果をもたらすことが可能です。

テレワークのメリット・デメリット


テレワークのメリットとデメリットを詳しく説明します。

メリット:生産性向上

上でも紹介しましたが、テレワークの大きなメリットのひとつは生産性向上です。自宅やサテライトオフィスで仕事をすると、社内業務中に対応していた急な打ち合わせや顧客対応が発生しないため、業務に集中しやすくなります。

また、自分のペース・体調に合わせて仕事ができることから、心身のコンディションを良い状態で維持しやすくなります。高い集中力で仕事に臨めるようになり、優れたパフォーマンスを発揮できる人もいます。

生産性をさらに向上させるには?
テレワークにおいて、さらなる生産性の向上を目指すにはポイントがあります。詳細をまとめた資料を無料でダウンロードできます。▶成功事例から紐解く、チームの生産性がアップするポイントとは
 

メリット:コスト削減

オフィスの利用度が減るため、ワークスペースの削減やペーパーレス化などが可能となり、それらに伴うコスト削減が可能となります。通勤交通費や水道光熱費なども大幅にカットできるため、資金をほかの用途に回すことができます。

メリット:優秀な人材の確保

テレワークを導入すると、社員や退職者だけではなく、フリーランスや専門家集団なども含めた広範囲から優秀な人材を登用しやすくなります。高いスキルを持つ人材を1案件限定で集めたいなどといった場合、テレワークであれば離れた場所から参画してもらうことも可能です。

デメリット:勤怠管理の複雑化

上述した3つの大きなメリットがある一方で、社員がオフィス外で働くことになるので労働実態を把握しづらく、勤怠管理が難しくなる点はデメリットとして挙げられます。自宅で仕事をすると、長時間労働になる・昼夜が逆転するなど生活が不規則になるケースも多いため、スケジュールや体調の管理を社員一人一人がきちんと行うことが求められます。

テレワークにおける勤怠管理には、PCの作業履歴やWebカメラの活用、ログ管理システム、勤怠管理システムなどを利用するなど、勤怠管理のルールを明確にし、共有することが重要です。

デメリット:セキュリティリスク

もうひとつのデメリットとして、セキュリティリスクが高まる点が挙げられます。PCやスマートフォン、タブレットを外部に持ち出して作業を行うため、画面を他人に見られる可能性や端末の紛失による情報漏洩、ウイルス感染やハッキングなどのリスクが高まります。テレワーク導入時に行うべきセキュリティ対策については、次項で詳しく紹介します。

テレワークに必要なセキュリティ対策

テレワーク導入によって生じるセキュリティリスクに対し、取るべき対策の例を紹介します。

ガイドラインやルールの策定

社内におけるセキュリティガイドラインや、社員の行動ルールを決めておくことは重要な対策です。

まず、情報セキュリティの指針や基準を定めたガイドラインを策定し、定期的に見直しましょう。さらに、業務上でデータをやり取りする際の送受信方法・端末の持ち出し申請フローなど、社員の行動に関するルールを決め、全員で順守するようにします。セキュリティに関する資料の配布やオンラインでの勉強会などを行い、社員のセキュリティ意識を高めることも有効です。

ネットワーク・端末・データなどの見直し

業務で使用するPCやスマートフォン、ネットワークなどに関する対策も必要です。

テレワークで業務を行う際は、公衆Wi-Fiなどを避け、決められたネットワークのみ(社内LANなど)を利用するようにします。使用するPCにはセキュリティソフト、セキュリティサービスなどを導入し、安全な接続を確保しましょう。

主なセキュリティソフト・サービスには以下のようなものがあります。

beat
 情報技術大手である富士ゼロックスによるセキュリティサービスで、手厚いサポートが特徴です。リモートワーク時のVPN接続に使えます。

FortiGate
 フォーティネットジャパン株式会社が提供するセキュリティサービスです。社内外のリモートアクセスに対応し、高速接続が可能という特徴があります。

Verona
 株式会社網屋が手掛けるクラウドVPNサービスです。拠点間VPN接続だけでなく、モバイルVPN接続にも対応できる柔軟なアクセスがポイントです。

また、リモートワークのためにデータを持ち出す必要がある場合には、データ自体を暗号化したり、開封時のパスワードを設定したりする方法も有効です。安全なWeb利用のためのセキュアブラウザや、業務エリアの暗号化が可能な「セキュアコンテナ機能」のあるアプリ・サービスなどを端末へ導入するのも良いでしょう。

テレワークを実践している企業事例


日本で最初のテレワーク導入事例は、1984年に日本電気(NEC)が吉祥寺に作ったサテライトオフィスとされています。ここでは、現在までにテレワークを導入し、成功している企業の実践例を紹介します。

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社では、「どこでもオフィス」という名称でテレワークを導入しています。全社員にノートPCとiPhoneを貸与し、どこにいても通常のオフィス勤務時と同様の環境を使用できるようにしました。これにより、1人あたりの年間労働時間の削減、育休復職率97.2%を実現しています。

また、年末年始に名古屋・大阪・北九州の地方拠点に帰省する社員は、交通機関が混雑する期間はそこに留まり、自治体対象のフォーラムを実施。自社のテレワークを利用した地方活性化にも積極的に取り組んでいます。

明治安田生命保険相互会社

明治安田生命保険相互会社では、取り組みやすいモバイルワークの実践として、営業現場にタブレット型端末を導入しました。その結果、直行・直帰が可能となり、出張時の体力的負担の軽減など、利用者の約8割が業務効率化を実感しています。

また、約4割の社員が、テレワークによって部下のアウトプットの質が向上したと評価。さらに、本社の中堅スタッフの時間外勤務時間は前年対比で約20%も削減されました。

サイボウズ株式会社

ソフトウェア開発のサイボウズ株式会社では、全社員対象に働く場所や時間を選択できるテレワーク制度を導入しました。子育てや社員自身の体調不良などの突発的な在宅勤務でも、当日の連絡のみで実施可能としています。

さらに、同社ではテレワークによる社員のUターン勤務や海外勤務希望を積極的にサポートし、地域企業とのつながり強化、現地パートナーの開拓、グローバル展開への知見の獲得などの効果もあげています。

READYFOR株式会社

日本初にして最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR株式会社では、業務の一部をオンラインアシスタントに依頼しています。

いままで人的リソースと時間を割いて行っていた業務をアウトソーシングすることで、自社スタッフは本来もっとも時間を割くべきサービスの付加価値の向上を専念することに成功。サービスのユーザビリティ向上も実現できました。自社スタッフにノウハウがたまっていったことも、スムーズなアウトソース化につながりました。

また、業務のアウトソーシングによって、自社の働き方やサービスとしての理想形を見直すきっかけにもなりました。スタートアップなどの成長企業にとっても、テレワーク環境を活用した業務のアウトソーシングは有効な手段といえます。

READYFOR株式会社様の詳しい内容は以下のインタビュー記事をご覧ください。
関連記事:オンラインアシスタントと定期的にビデオ会議で1on1を実施し、人対人のコミュニケーションを重視:READYFOR株式会社

以下の記事では、IT企業や中小企業が働き方改革としてテレワークで人材活用を行う事例をまとめています。さまざまなアイデアが満載ですので合わせてご覧ください。
関連記事:働き方改革の人材活用事例10選。IT企業や中小企業のケースとは?

テレワーク環境下での労働力確保なら「クラウドワークス」

先ほども紹介したように、テレワークの導入にあたって課題となるのが優秀な人材の確保です。外部サービスを活用すれば、即戦力となる人材へ柔軟な業務発注が可能となります。

さまざまな職種のスキルを有する人材が登録している「クラウドワークス」は、約480万人のクラウドワーカーに250種類以上の仕事を発注できます。

プラットフォーム上で希望する職種のクラウドワーカーを検索し、実績や評価を確認できるので、ニーズに合った人材を簡単に探せます。単発・長期どちらでも利用でき、発注・支払・納品などはオンラインで完結します。セキュリティリスクを低減したい場合は、NDA締結を行うこともできます。

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まとめ

テレワークとは、オフィス以外で仕事をする働き方全般をいいます。導入・推進を検討しているのであれば、テレワークのメリットやデメリット、必要なセキュリティ対策などをおさえておきましょう。さらに、クラウドソーシングサービスなどを活用すれば、テレワーク時に即戦力となる人材を確保することも可能です。ぜひ、自社に合ったテレワークのスタイルを検討してみてください。

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広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。

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