外注ノウハウ
公開日: 2024.01.29 / 最終更新日: 2024.01.30

モニター調査とは?手法別・外注先別の費用やメリット・デメリットを詳しく紹介

モニター調査とは、消費者・有識者などにアンケートやインタビューを行い、自社製品やサービスに対する率直な意見や改善点、消費体験といったデータを収集する調査です。
今回は、モニター調査を行う目的や活用方法、調査の種類や料金相場、おすすめの外注先などを紹介します。

モニター調査の目的、活用法

モニター調査の目的は、商品の購入理由・気に入っているところ・不満点といった消費者のリアルな意見を収集し、今後の商品開発やサービスの改善につなげることです。
モニター(調査対象者)には、自社製品の利用者やターゲット層、特定分野の有識者などを選ぶことが一般的で、さらにモニターの属性(年齢・性別・職業・居住地域など)を絞って調査すれば、より有意義なデータを収集しやすくなります。

モニター調査を実施すると、顧客満足度や改善点、潜在ニーズなどを把握できるため、調査の期間や頻度を決めて調査・改善を繰り返すことで、製品やサービスの質を高めることができます。
そのほか、製品・サービスの認知度向上、市場動向や需要予測、広告のイメージ調査など、マーケティング領域でもモニター調査は幅広く活用されています。

モニター調査にかかる料金

まず、モニター調査には以下のような工程があります。

・調査の企画立案
・設問(質問の内容)の作成
・モニターの募集
・アンケートやインタビューの実施
・データの集計や分析

モニター調査を社内で全て対応することも可能ですが、社内のリソースや費用対効果を考慮したうえで、これらの工程をまとめて外注するか、部分的に外注するケースが一般的です。モニター調査を外注する場合、依頼する範囲によって「セルフ型」「リサーチャーサポート型」に分かれ、どちらを選ぶかによってトータルでかかる料金が大きく異なります。

【セルフ型】
セルフ型は、調査ツール(※調査ツールについては記事後半で紹介しています。)を用いて設問作成やデータ集計などを自社で行い、モニター募集や実際の調査のみ外注する方法です。アンケートの規模や依頼内容、モニター調査の種類によって相場が異なりますが、5~10万円程度が目安になります。

【リサーチャーサポート型】
リサーチャーサポート型は、設問作成や調査の実施、進行管理、データ集計などをまとめて外注する方法です。設問数や回答者の人数、モニター調査の種類などによって費用が大きく異なりますが、30~100万円程度が目安になります。

モニター調査の種類 

モニター調査の種類について、それぞれの特徴や料金相場を紹介します。

調査の種類

料金の目安

インターネット調査

5万円~

郵送調査

5~10万円

サンプル調査

5~15万円

個別インタビュー

30~150万円

グループインタビュー

50~120万円

インターネット調査

インターネット調査(オンラインリサーチ)は、Webアンケートで回答を募る調査方法です。動画や画像による視覚情報を盛り込むことも可能で、商品のパッケージデザインやCMなどのイメージ調査を行うこともできます。
オンライン上に設問を掲載できるため、比較的手間をかけずに短期間で大量に回答を集めることが可能ですが、不特定多数の人がアンケートに答えることから不正な回答が集まる可能性がある点に注意が必要です。また、インターネットをあまり利用しない人、インターネットに不慣れな人などにはリーチしづらいことがデメリットといえます。

【費用相場】
・設問10問のWebアンケート調査:100人分で5万円~

※設問数や依頼範囲によって料金が異なります。

オンライン上で行うWebアンケート調査だけでなく、調査の協力者に特定の場所まで来場してもらう「会場調査」を実施する場合もあります。アンケート調査の種類や料金相場、外注先を選ぶポイントなどについては、以下のページでまとめています。

関連記事:アンケート調査にかかる費用や料金相場とは?外注のポイントも解説

郵送調査

郵送調査は、アンケートの設問を郵送し、回答を記入後に返送してもらう調査方法です。インターネット調査では回答を得づらいモニターへの調査(高齢者向けの商品開発や改善を目的としたもの、地域限定の商品やサービスなど)で活用されています。
率直な意見が集まりやすいものの、事前に同意を取らずに郵送調査を行うと回答率が低くなる傾向にあります。また、アンケートの発送や回収に手間と時間がかかることがデメリットです。

【費用相場】
・発送にかかる費用:100人分で2~4万円程度
・回収にかかる費用:100人分で3~6万円程度

※印刷代や封筒代、印刷用のデータ作成費、料金受取人払の申請費用などを含む場合

サンプル調査

サンプル調査(ホームユーステスト)は、食品や家電、化粧品などを無料で提供し、使ってみた感想や満足度などを回答してもらう調査方法です。
日常生活に近い消費者の生の声を商品開発や改善に活かすことができ、サンプルをきっかけに顧客(ファン)になってもらえる可能性があります。一方で、説明書どおりに使用していない場合もあり、開発中の商品サンプルなどを自宅まで発送するためのコストがかかる点がデメリットです。

【費用相場】
・設問10問のサンプル調査:100人分で5~10万円程度
・設問30問のサンプル調査:100人分で15万円~

※設問数や回収したサンプル数によって費用が異なります。

自社商品のモニターを募集する場合、現金ではなく、提供サービスのポイントや商品券を報酬として渡す場合もあります。商品モニターの報酬相場やモニターを募集する方法、依頼時の注意点などについては、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:商品モニターへ支払う費用の相場は?モニター募集方法や注意点も解説

個別インタビュー

個別インタビュー(デプスインタビュー)は、インタビュアーとモニターが1対1で対話する調査手法です。
オンライン上で行われるケースが多く、対話形式で設問の内容を深掘りすることで、細かなニーズや深層心理、人前では話しづらいデリケートな内容までヒアリングできることがメリットです。ただし、個人に聞くことから偏った意見になってしまうことがあり、インタビュー1名あたりにかかる費用や手間が大きいことがデメリットになります。

【費用相場】
・2~6人の個別インタビュー:各90分で30~150万円程度

※インタビューフロー設計や事前調査、進行管理、その他手配などをまとめて外注する場合

グループインタビュー

グループインタビューは、4~8人程度のグループを作り、モニターの意見や本音を収集する調査手法です。参加者同士で活発な意見交換ができるように、性別や年代、職業などが近い属性のグループで調査を行います。
グループごとの意見の相違点を比較できるほか、複数人で話すことによって意外な意見やニーズを把握できる点がメリットです。一方、他の参加者への同調が起きたり、場が盛り上がらずに本音を聞き出せないまま終わってしまう場合もあります。そのため、グループインタビュー中の司会進行役や、参加者のスケジュール調整などを担える人材が必要です。

【費用相場】
・4人×2グループ:1時間で50万円前後
・6人×4グループ:1時間で100~120万円程度

※インタビューフロー設計や事前調査、進行管理、その他手配などをまとめて外注する場合

インタビューの種類や費用相場、十分な謝礼を支払えない場合の対処法などについては、以下のページを参考にしてください。

関連記事:インタビュー費用(取材費)の相場・実例を紹介!

モニター調査の主な依頼先  

続いて、モニター調査の主な依頼先と料金の傾向を紹介します。

依頼先

料金の目安

モニター調査会社

30万円~

個人(クラウドソーシング)

1,000円~3万円程度

調査ツール

無料~月額1万円程度

モニター調査会社

モニター調査会社は依頼費用が高額になりますが、モニター調査に関する実績やノウハウが豊富にあり、調査の企画立案から作業フローの作成、モニターの募集や手配、インタビュー・アンケートの実施、データの集計・分析までまとめて依頼することが可能です。多数のモニターが在籍している場合もあり、収集したいデータや調査の目的を伝えれば、ニーズに合った調査方法を提案してもらえます。
調査会社ごとに対応可能範囲や料金が異なるため、複数社に見積もりを請求し、費用対効果を比較・検討して依頼先を決めましょう。

【費用相場】
・30万円~

※依頼内容や任せる範囲によって費用が大きく異なるため、問い合わせ・ヒアリングをしたうえで見積もりを確認する必要があります。

個人(クラウドソーシング)

クラウドソーシングとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのことです。モニター調査を自社で行う場合、モニターを募集するために時間やコストがかかってしまいますが、クラウドソーシングなら簡単に安く探すことができます。オンライン上でアンケートの回答者や、インタビューを受けてくれる人材を探せるため、大量のデータを集めたい場合にも適しています。また、商品モニターなどを募集し、きちんと対応してくれる人がいれば継続的に依頼するといった利用方法も可能です。

【費用相場】
・アンケート調査:回答1つあたり50円前後
・自社製品やサービスのモニター募集:1,000円~

調査ツール

モニター調査を行う際に、調査ツール(Webアンケートツール)を活用する方法もあります。調査ツールを使えば、アンケート調査票の作成や配信、データの集計といった一連の流れを自社で行うことができ、費用を大幅に抑えられることがメリットです。従来は調査会社などへ外注するケースが一般的でしたが、近年では調査ツールを導入し、クラウドソーシングでモニターを募集するという「セルフ型」のモニター調査を実施する企業も増えています。
無料で利用できるツールもありますが、初期費用や月額の利用料が発生する場合もあるため、搭載機能や料金を確認したうえで利用するかどうかを検討しましょう。

【費用相場】
・無料~月額1万円程度

Webアンケートツールの概要や選び方、おすすめのツールなどについては、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:【無料も】webアンケートツール5つを比較!選ぶ時のポイントは?

モニター調査のメリット・デメリット

モニター調査には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

モニター調査を実施すると、自社製品やサービスへのリアルな意見(社員や関係者ではない第三者視点の率直な意見)を得られることがメリットです。有識者を対象にモニター調査を行う場合は専門的な知見を参考にでき、商品開発やサービスの改善に活かせます。

また、新商品の試食や試飲、試着などをきっかけに新規顧客やリピーター獲得につながる可能性があり、「また食べたい」「他の商品も気になる」という印象を残せると良い口コミにもつながります。

このように、モニター調査では、自社製品やサービスに関する意見を収集できると同時に、認知度向上やPRとしての効果が期待できることが大きなメリットです。

デメリット

モニター調査のデメリットは、調査の規模や範囲によっては高額の費用がかかることです。とくに会場調査などで直接会ってアンケートやインタビューを行う場合は、会場費や備品代、軽食の準備にかかる費用、交通費や謝礼といったさまざまな費用が発生することもあります。

また、製品やサービスに適した調査方法を選択しないと求めるデータを収集しづらいこと、収集したデータを分析するためには専門スキルを持つ人材を確保する必要があることなどが実施のネックとなるケースもあります。
そのほか、開発中や発売前の商品モニターを依頼する場合、SNSへの書き込みを禁止するといった情報漏えいへの対策も必要です。

モニター調査のポイント

ここでは、モニター調査を行う際のポイントを紹介します。

スクリーニング調査をあわせて実施する

スクリーニング調査(事前調査)とは、モニターの条件を抽出するために、本調査の前段階で行う調査のことです。スクリーニング調査を行うことで、条件に当てはまらない対象者をあらかじめ除外でき、より精度の高いデータを集められます。調査対象者を絞り込むためには、細かな条件でスクリーニング調査を行い、ふるいにかけることがポイントです。

調査票の設問をわかりやすくする

モニター調査の回答の質は、調査票の設問に左右されます。言葉の遣い方や表現によっては質問の意図が正しく伝わらないこともあり、何を回答すればよいか分かりづらい設問では求める調査結果を得られません。そのため、質問の順序を変えたり、5段階から選べるように選択肢を設定したり、その他の意見を集めるために備考欄を作るといった工夫が必要です。

調査票の作り方や依頼文を作成するコツ、アンケートの回答率を上げる方法などについては、以下のページでまとめています。

関連記事:回答率が上がるアンケート依頼文とは?作成時のコツと文章例を紹介!

費用対効果を検討しながら外注を活用する

すでに紹介したとおり、モニター調査を外注する際は「セルフ型」「リサーチャーサポート型」によって料金が大きく異なります。外部へ丸投げすると費用が高額になるため、クラウドソーシングや調査ツールを活用し、自社で対応する業務・外注する業務を明確化することで、費用をなるべく抑えることがポイントです。
設問票のテンプレートを用意して他の調査でも活用できるようにしたり、インタビュアーの経験豊富な人材やモニター調査の進行管理を任せられるディレクターを確保したりなど、部分的な外注化で費用対効果を高めましょう。

モニター調査には「クラウドワークス」が使える!

モニター調査を行う際は、比較的安くスムーズに依頼できるクラウドソーシングを活用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録者数480万人を超えており、さまざまなスキル・実績を持つ人材が多数登録しています。

クラウドワークスには複数の依頼形式があり、「タスク形式」を使うと費用を抑えて多数のモニター回答を募ることができます。タスク形式は、複数の登録ワーカーに一括で作業を依頼できる形式で、不特定多数の回答・年齢層や職業などを限定した回答のどちらを募集する際にも使えます。モニター調査の他、アンケートや体験談などを募集する際にも活用されています。

【タスク形式での発注事例】
・製品やサービスに関するイメージ調査:1回答(1人)あたり10~50円
・製品やサービスの利用者限定のアンケート:1回答(1人)あたり50~100円

また、モニター調査に関する実績やスキルを持つ人材を探し、「プロジェクト形式」で仕事を依頼することも可能です。モニター調査の設問作成やインタビューの実施、結果の分析など幅広い業務を依頼したい際に役立ちます。

【プロジェクト形式での発注事例】
・オンラインスクールの受講モニター募集:500~1,000円程度
・オンラインの個別インタビューを受けてくれる人募集:60分で5,000円
・グループインタビュー(会場での合同インタビュー)の参加者募集:90分で2万円
・街頭やオンラインのインタビュアー経験者募集:時給1,500~2,000円
・モニター調査に関する事務代行(リサーチや設問作成など):時給1,000円~

クラウドワークスのモニター調査について、相場や発注方法の詳細情報はこちら!

クラウドワークスには日本全国・海外在住のワーカーが登録しているため、居住地域で対象者を絞り込んで「現地調査」を依頼すれば、交通費や出張費などのコストをカットすることもできます。

現地調査の活用方法や料金相場などについては、以下のページを参考にしてください。

関連記事:現地調査の費用相場や外注先を紹介

クラウドワークスの使い方や事例、発注相場がわかる資料を無料でダウンロードする

クラウドワークスのサービス資料
サービス特徴、活用事例、発注相場などを紹介しています。

本資料ではクラウドワークスの特徴、事例、使い方、ワーカーの属性、発注相場などサービスの情報をまとめています。

【こんな方におすすめ】
・サービスを詳しく知りたい
・外部人材の活用を検討したい
・発注相場や事例を知りたい

クラウドソーシングTimes編集部
クラウドソーシングTimes編集部です。クラウドソーシングの最新事例やマーケティング・業務効率化など、企業活動に役立つ情報をお届けします!

コメントは受け付けていません。