政府が進める「働き方改革」の流れや昨今の経済環境から、業務効率化によって生産性を向上させることは、企業にとって課題となっています。
実際に業務効率化を進めていくためには、何から手をつけていけばよいのでしょうか。そこで、業務効率化の準備段階としてやるべきことや手法について解説していきます。
目次
そもそも業務効率化の意味とは?
そもそも、業務効率化にはどのような意味があり、どういった目的で行われるのでしょうか。
作業を効率化し生産性を向上する
業務効率化は、これまでの仕事のやり方を見直すことで、作業性を向上させて処理時間を短縮したり、ミスを減らしたり、コストを下げることをいいます。業務効率化は生産性の向上につながるものです。
業務効率化によって、たとえば、これまで手がまわらなかった仕事に人的リソースを投入したり、時間外手当を圧縮したりすることができます。あるいは、コストを削減することで、利益率がアップします。
業務効率化にあたってやるべきこと
業務効率化を始める際には、まずは準備として現状を把握し、業務効率化の対象とする業務の洗い出しを行う必要があります。
既存の業務の棚卸し
まず、現状を把握するために、業務の棚卸しを行います。単に業務を書き出すのではなく、大項目、中項目、小項目に分けていくのがポイントです。たとえば、大項目は「見積業務」や「受発注業務」、「請求業務」といったものになります。
担当者にヒアリングを行うと、日々の細かな業務名が上がってくることが多いですので、小項目を中項目にまとめていきます。さらに、作業時間についてもヒアリングしてきましょう。
やるべき業務と無駄な業務の分類
業務の棚卸しが終わったら、曖昧な目的で実施されている必要性の薄い業務を分類していきます。たとえば、毎月、作成している集計表の中には、過去に一度や二度、必要とされただけで、実際には誰も活用していないものがあるのかもしれません。
また、部署ごとに本来決められた業務がありますので、外れるものは他部門への移管や協業も検討するべきです。
付加価値を生まない業務は効率化の対象
やるべき業務を絞っていく作業では、顧客に対して付加価値を生むかどうかも判断材料となります。たとえ、時間がかかっていたとしても、丁寧な対応を行うことで顧客の満足度往生につながっている業務は業務効率化の対象としない方がよいケースもあります。
主に社内の処理で必要性が薄い無駄な業務は廃止し、時間がかかる業務や担当者によって作業時間にバラツキがある業務などを改善していくとよいでしょう。
業務効率化の手法は?
それでは、実際に業務効率化を進めていくには、どういったやり方があるのでしょうか。代表的な手法を挙げていきます。
会議の見直し
会議の見直しは、不要な会議をなくす、会議を効率化して所要時間を短くするという2パターンで進めていきます。会議は、情報共有や意見交換を行って、意思決定を行う場です。しかし、単に情報共有の場となっている会議であれば、メールやチャット、掲示板などを活用して情報共有すれば、会議のために集まる時間を省けます。
また、事前に資料を配布しておき、会議の議題やゴールを示しておくことで、情報共有にかかる時間が短縮されるとともに、建設的な意見を出し合う有益な場となっていきます。
人員配置の見直し
業務の棚卸しの結果をもとに不要な業務を廃止すると、リソースに余裕がある人と、作業時間が長いままの人が発生することがあります。こういったケースでは、単にリソースに余裕ができた人に別の業務を割り振るのでは、業務効率化が進みにくいです。
スキルに応じた業務を担当できるように人員配置を見直したり、処理スピードが劣る人には、早い人のやり方をもとに再教育を行ったりすることも検討しましょう。
残業の禁止
定時以降も残って仕事をする風土のある企業の場合、残業を禁止して定時で帰ることを意識づけることで、作業効率が上がり、労働時間の短縮につながることがあります。
ただし、単に残業を禁止するだけでは、社員が仕事を持ち帰ることになりかねず、モチベーションの低下につながり兼ねません。そもそも、定時で終わる業務量であるのか、検証することも必要です。
業務のアウトソーシング
社内のリソースが足りない場合、新たな人材を雇用したり、残業代を支払ったりするよりも、アウトソーシングを行う方がコストを削減できるケースがあります。また、アウトソーシングは、専門性の高い業務を委託できることや社員をコア業務に専念させられることもメリットです。
クラウドソーシングを活用すると、登録者の中から業務に適した人材を選んで、発注することができます。すぐに依頼できるという利点があり、業者を利用するよりもコストを抑えられることもあります。
業務効率化ツールを使う
業務効率化ツールと呼ばれるITツールを導入することで、これまで手間のかかっていた作業時間の短縮を図ることが可能です。業務効率化ツールで代表的なものを挙げると、グループウェアは組織内でのスケジュールやタスク、ドキュメントの共有、SNSやメール機能、テレビ電話機能を持つツールです。
名刺整理、スケジュール調整、自動交通費精算といった機能のツールもあります。自社の現状をもとに、業務の無駄を省いて効率化が図れるツールを選びましょう。
業務効率化のためのシステム開発
業務効率化ツールは汎用性があるものですので、自社にマッチするものが見つからないこともあるでしょう。そのような場合は、費用対効果を踏まえたうえで、業務効率化のためにシステム開発を行うのも選択肢のひとつです。
何をシステムによって担うことで業務効率化が図れるのか、システム開発に取り掛かる際には依頼内容を明確にしておきましょう。
まとめ
業務効率化を図ることは働きやすさにつながり、社員のモチベーションアップや定着にも寄与していきます。部署単位、企業単位で業務効率化を推進し、利益率のアップとはたらきやすい環境づくりを目指しましょう。
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