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公開日: 2019.01.08 / 最終更新日: 2020.11.18

【弁護士監修】企業側の業務委託のメリットは?業務委託の注意点も!

業務効率化の手法のひとつとして、業務委託が挙げられます。業務委託を活用することで、企業側にはどんなメリットがあるのでしょうか。雇用契約との違いや、業務委託契約を結ぶうえでの注意点についても触れていきます。

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業務委託と雇用契約の違い

業務委託は労働法が適用されない

雇用契約は、労働者が使用者の指揮命令の下、使用者に対して労働を提供する代わりに報酬を受け取る契約です。労働者は労働基準法などの適用を受けて保護されます。

一方、業務委託は労働契約ではなく、受託者は委託者の指揮監督に拠らず、自己責任と裁量のもと、特定の業務を遂行するものです。業務委託契約は、成果物の完成に対して報酬を支払う請負契約と、業務の遂行に対して報酬を支払う委任契約に区分されることが多いです。

業務委託契約では、受託者は労働者ではないため、労働基準法などの適用を受けないことが大きな違いです。

企業側の業務委託のメリット

専門的な人材を活用できる

企業が専門性の高い人材を必要とする場合、自社の社員でまかなう場合には、新たな人材を雇用するか、今いる社員を教育して育てることが考えられます。新たな人材を雇用するには採用コストがかかり、社員を教育する場合も教育コストや時間を要します。

業務委託で外部の専門性の高い人材を活用するのであれば、こうした費用がかからないことがメリットです。

社員がコア業務に集中できる

業務委託によって、人的リソースを効率的に使えることもメリットに挙げられます。社員がノンコア業務に多くの時間を割いている場合、定型化できるノンコア業務を業務委託でアウトソーシングすることによって、社員をコア業務に集中させることができます。

特に専門性の高い社員は、作業性の高い業務の負担が軽減されれば、専門分野に注力することが可能です。

社会保険料等のコストが不要

業務委託によって自社の業務を依頼した受託者は、自社の労働者ではないため、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料、労災保険料の負担がありません。社員に対して退職金の積み立てを行っている場合も、業務委託の受託者に対しては不要です。

業務委託の場合は、報酬と消費税などの負担のみとなるため、コストを抑えられます。

業務量とコストを連動させられる

年度や季節によって業務量に幅がある場合、自社の従業員を繁忙期に合わせて確保すると、時期によっては人材が過剰となり、人件費に無駄が生じてしまいます。

一方、業務委託であれば発生した業務量に応じて発注することができるため、無駄なコストをかけずに済みます。業務委託を活用することで、業務量とコストを連動させられることもメリットです。

労働法が適用されない

業務委託の受託者は労働者ではないため、最低賃金法や労働基準法は適用されません。労働基準法では、1日8時間、1週間で40時間以内という法定労働時間が決められています。また、最低賃金法によって都道府県ごとに最低賃金が決められているため、使用者は労働者に対して、最低賃金額以上の賃金を支払うことが義務づけられています。

一方、業務委託の場合は、個人との契約であっても労働法の適用は受けず、採算やスケジュールを優先して依頼することも可能です。

契約を打ち切ることができる

無期契約の労働者である社員を解雇するには、厳しい基準があります。会社の秩序を乱した社員を懲戒解雇するには、就業規則の懲戒に関する規定を設けていて、懲戒理由に該当する場合でなければ認められません。

また、業績不振による整理解雇も人員削減の必要性や会社側が解雇回避のために努力を行ったかなどの要件があり、売上が落ちてきたからといって簡単に解雇することはできないのです。

一方、業務委託であれば、理由を問わず、契約の終了とともに打ち切ることができます。

企業側の業務委託のデメリット

ノウハウや技術が蓄積されない

業務委託の受託者は自社の従業員ではないため、受託者の技術が向上していったり、ノウハウを得たりしていても、自社には蓄積されていかないことがデメリットです。

そこで、定期的にミーティングやレポートの提出を求める契約内容にしておくことと、業務の遂行状況が把握できるようになり、ある程度のノウハウは得ることができます。

報酬が高額になるケースもある

業務委託は必ずしもコスト削減につながるとは限らず、特に専門性の高い業務の場合、報酬が高額となり、従業員として雇うよりもコストがかかるケースもあります。

また、イレギュラーな業務が発生してしまうケースでは、追加料金の支払いによって報酬が割高になるケースもみられます。業務委託をする前に、業務委託に向いている業務か検討したり、自社の従業員で担う場合とのコストの比較を行ったりすることが大切です。

業務委託契約を結ぶ際の注意点

実態で業務委託に該当するか判断

請負契約や委任契約のいずれかに該当する形で業務委託契約書を結んだと考えていたとしても、実態が雇用契約であれば雇用契約とみなされます。雇用契約とみなされた場合は、労働基準法などの労働法が適用されるとともに、社会保険の厚生年金や健康保険、雇用保険や労災保険への加入が必要になります。

業務委託契約のつもりが雇用契約とみなされてしまうと、コストの負担や制約が生じますので注意が必要です。

労働者と判断される基準

業務委託契約が雇用契約とみなされるのは、労働者性があると判断されるケースです。労働者性の判断基準となるのは、使用従属性と労働者性の判断を補強する要素といわれるもので、総合的に判断されます。

使用従属性では仕事の依頼の許諾の自由の有無、業務遂行上の指揮監督や労務提供の代替性の有無、報酬の労務対償性が判断基準です。労働者性の判断を補強する要素として挙げられるのは、機械や器具の負担関係や報酬の額などです。

まとめ

業務委託を活用することで、コア業務に自社の人材を集中させることや業務量とコストを連動させることが可能となり、経営資源を効率よく使うことができます。業務効率化を図るためにも、業務委託の活用を検討してみましょう。

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【監修者】弁護士 楠瀬健太
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