SNS広告はほかのウェブ広告とは違った特徴があり、広告の方向性やユーザーへの伝え方などひと工夫が必要な場面も出てきます。そんなSNS広告の中から代表的なものを4種類、費用面、広告効果を中心に徹底比較します。
目次
SNS広告の基本知識とは?
SNS広告は、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に掲出する広告のことで、現在ではユーザーの規模感からFacebook、Twitter(X)、Instagram、Lineが4大SNSと言えます。
SNS広告の強みは、ユーザーごとに登録されている趣味や居住地域などの基本情報、年齢、性別といった属性に合わせて広告の配信ができることと言えるでしょう。そのため狙ったターゲットへのアプローチが行いやすくなります。
ほかのウェブ広告(バナー広告、リスティング広告)と違う点も上記にあります。これらのウェブ広告は、あくまで興味のありそうな人に対して広範囲に広告を配信するだけですから、よりターゲットを深く絞り込んで配信できるSNS広告は、効率的な集客が可能という点で高いポテンシャルを秘めています。
SNS広告それぞれの特徴や仕組み、費用は?
詳細にターゲットを設定できるFacebook
Facebook広告の最大の特徴はターゲティングしやすい点です。実名登録であり、ユーザーの住んでいる地域、年齢や性別だけでなく言語などを登録する必要があるので、ターゲットの絞り込みは難しくはありません。
Facebook広告の費用の目安は1クリック約100~200円が目安ですが、ターゲティングの範囲や予算などでそれよりも安く調整できます。費用の方式は広告表示のたび費用が発生するインプレッション課金と、広告や動画の再生毎に課金されるクリック課金の2種類です。
拡散力を見込めるTwitter(X)
Twitter広告の特徴は、若年層のユーザーを対象にした商品・サービスの広告が有効な点です。ニッチユーザーへのターゲティングもできるほか、ユーザー同士のリツイートが発生すると短期間での拡散も期待できます。
広告枠は主に3つ。ユーザーのタイムラインの上から1~4番目あたりの投稿になるように表示されるのが「プロモツイート」、おすすめユーザー欄に表示されるのが「プロモアカウント」、1日限定で、全てのTwitterユーザーのトレンドの最上位に表示されるのが「プロモトレンド」です。
Twitter広告の費用はメッセージの返信、リツイート、お気に入りの追加、リンクを開く、この4つのいずれかのアクション時(エンゲージメント時)に発生します。費用目安は1エンゲージにつき40円から80円です。
若年層に効果的にアプロ―チできるInstagram
Instagram広告の特徴は、Facebookに迫る数のユーザー数がいるSNSで、20代~30代の若い世代の女性を中心に利用されています。広告はInstagramのフィードに画像・動画で掲載され、若年層ユーザーに対しリーチでき、細かなターゲティングすることもできるでしょう。
Instagram広告は最低100円から運用可能です。算や配信期間などを自由に設定できますが、目安として10万円程度で始め、3種類のセグメント(広告主が決めたターゲット)を1日1,000円で配信していくことがおすすめのやり方です。
運用しつつ3種類を比較しながら最適なセグメントを絞り込んでいくと効果的でしょう。
幅広い年代に使われているLINE
LINE広告の特徴は幅広い年代にアプローチできる点です。広告はタイムライン上やLINE NEWSトップ、記事一覧ページ、関連サイトなどに表示されます。以前は広告の出稿最低金額が100万円と参入障壁が高い媒体でしたが、これが撤廃され2,30万円で参入できるようになりました。
LINE広告の費用の目安は最低入札価格が設定されています。広告の課金はクリック課金とインプレッション課金の2種類で、クリック課金は静止画の場合で24円、インプレッション課金は動画の場合で400円が最低金額です。
なお、2023年6月にリリースされたThreadsは独自の広告運用を展開していく方針であるとされているため、今後の最新情報に注目しておくと良いでしょう。
SNS広告の成功事例とは?
若年層から認知された「花王」
花王が新発売した商品広告において、TV広告などのマス広告ではなくYouTube広告を利用した例をあげます。
「ビオレ おうちdeエステ」という商品のマーケティング施策として、毛穴汚れに対して興味・関心が高いユーザーをターゲットに設定しました。YouTube広告の目的は、商品認知の向上や商品理解・購入検討の推進で、広告では「自分ごと化」できるような動画クリエイティブを設計し、動画内の主人公に対し共感を促す内容になっています。
この結果として、対発売期比でシェア率が約3倍以上上昇、かつ、SNSやレビューサイトなどで「YouTubeの広告を見て購入した」というユーザーが多くなりました。
ターゲットの興味に訴求した「GANMA!」
マンガ無料配信サービスである「GANMA!」は、より多くの新規ユーザー獲得を目指し、従来のInstagram広告の活用だけでなく、Facebook広告の「ストーリーズ広告」を利用したプロモーションを推進しました。
媒体が持つリーチの広さと、縦型で全画面のフォーマットの没入感に着目して広告を作成したそうです。縦型フルスクリーン表示のコンテンツを複数並べられる特徴を生かし、静止画3枚のクリエイティブを作成。マンガのコマ割りを広告用に変え、画面下部のクリックボタンへと自然に誘導する工夫を施しました。
その結果、動画1本で構成されたストーリーズ広告に比べ、クリック率 1.73倍と大幅な改善を実現したそうです。
SNS広告を運用するには?
どのような訴求がしたいのか考える
SNS広告でどのような訴求がしたいのか考え、方向性を整理しておくとその後の運用がスムーズになります。方向性を決めておけば運用者が変わっても、商品やサービスの魅力を十分に伝えられるはずです。
各SNSの利用規約を遵守する
SNS広告それぞれに利用規約があります。企業が各SNSを利用して広告を出す際には、関連する法律を守るのはもちろん、SNS固有の世界観(例えばFacebbokは「世界をもっとオープンにし、つながりを強める」)を壊さないような広告を投稿する必要があります。順守していない場合はユーザーの印象も悪くなってしまい、場合によっては掲載が取り下げられる可能性もあるため注意しましょう。
代理店に運用を依頼する
SNS広告を代理で運用してくれる会社を探すのも一つの手です。SNS広告運営にリソースを割けない場合や短期間で成果を出したいといった場合、代理店に依頼するのがおすすめです。
SNSで顧客を獲得する方法を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SNSで集客を成功するには? 新しい顧客を獲得する方法や事例を紹介
まとめ
ここまでSNS広告を4種類あげ、それぞれの特徴や費用についてみてきました。成功事例からもわかる通り、それぞれの媒体の特徴を把握し、緻密な広告設計をしたうえでターゲットに対してアプローチしていくと、成果が得られやすいのではないでしょうか。