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公開日: 2023.05.31 / 最終更新日: 2023.07.31

マーケティング費用の決め方とは?費用相場と予算配分のポイントを解説

マーケティング費用とは、企画立案や市場調査、広告宣伝といったマーケティング活動全般にかかる費用のことです。今回は、マーケティング費用を決める際のポイント、予算配分の決め方、マーケティング施策別の費用相場などを紹介します。

マーケティングとは何か

マーケティングとは何かマーケティングは、さまざまな意味合いを含む言葉です。ターゲット層のニーズを満たす商品やサービスを開発・提供し、企業の収益を上げるための活動全般の総称として使われます。具体的なマーケティング活動は多岐にわたり、市場調査、商品企画、広告宣伝、商品の輸送・販売などが含まれます(マーケティング活動=商品やサービスを売れやすくするスキーム(仕組み)を作るための活動)。

また、マーケティング部門の業務範囲や役割は、企業や案件によって異なります。例えば、企業Aでは市場調査・データ分析などの知識が求められ、企業BではデジタルマーケティングやWeb広告の運用実績が重要視されるといった具合です。そのため、実務内で行き違いが生じないよう、関係者間で「マーケティングとは何を指しているのか」について認識合わせを行ったうえで具体的なマーケティング活動を進めるようにしましょう。

マーケティング費用の予算配分の決め方

マーケティング費用の予算配分の決め方マーケティング費用の予算配分は、「前年度の収益」に対してマーケティングにかける費用の割合を決める方法が一般的です。スタートアップマーケティング(創業間もない企業)の場合は前年度の収益の3~5%程度、ランレートマーケティング(直近の実績が安定的に継続すると予想される企業)の場合は2~3%程度が目安です。

また、BtoB(法人向け)、BtoC(消費者向け)の商品・サービスかによっても予算配分が変わります。企業規模などによりますが、BtoBの場合は前年度の収益の8%程度、BtoCは14~15%程度というケースもあります。ただし、これらの割合はあくまで目安なので、自社の予算やマーケティング活動を行う目的などに合わせて予算配分を検討しましょう。

マーケティング費用を決める際のポイント

マーケティング費用の予算配分の決め方続いて、マーケティング費用を決める方法やポイントをいくつか紹介します。

前年度の「マーケティング費用」をベースにする

マーケティングにどれくらい費用をかけるかを検討する際は、前年度のマーケティング費用をベースに決める方法もあります。前年度のマーケティング費用をベースにすると予算が組みやすく、マーケティング活動ごとの予算の振り分け方も参考にできるため、稟議を通しやすいことがメリットです。

ただし、前年度と同じようなマーケティング活動になる可能性が高いため、前年度にマーケティングの結果が出ていない場合は、マーケティング活動や予算配分を見直し、あらためてマーケティング費用を決める必要があります。

前年度の「粗利」で費用の割合を決める

前年度の粗利(売上から原価を引いた金額)に対してマーケティング費用の割合を決める方法もあります。粗利を原資としてマーケティング費用にかける割合を決めると、使える費用の上限がはっきりとするため、費用を使い過ぎてしまうリスクを防げることがメリットです。また、マーケティング費用を前年度より増額したい場合、粗利の総額(売上総利益)を増やすことになります。

これにより、マーケティング担当者が粗利を意識するようになり、安易な値下げの防止や営業部門との連携強化といった副次効果が期待できるでしょう。

具体的な目標を設定し、費用を逆算する

新規事業のマーケティング費用を検討する場合は、具体的な目標(売上・問い合わせ件数など)を設定し、その予算をもとにマーケティング活動にかける費用を決めます。現実的に可能な範囲(どのようなステップで、いつまでに成果を上げるかなど)を具体的に決めて、マーケティング活動にかける費用を逆算します。

ただし、費用を逆算するために、戦略を練ってマーケティング活動に落とし込んだり、費用対効果をあらかじめ推測したりする必要があるため、前年度の粗利などから算出したほうが難易度は低いといえるでしょう。

マーケティング施策別にみる費用相場

マーケティング施策別にみる費用相場ここでは、マーケティング費用の相場を紹介します。マーケティングの施策によって費用が大きく異なるため、それぞれの費用相場を把握しておきましょう。

広告媒体の種類については、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:広告の種類ってなにがあるの?特徴や費用などを一覧で大公開!

テレビCM

マーケティング施策としてテレビCMを配信する場合、テレビCMを制作する費用+テレビ局に支払う放映料金が発生します。

【テレビCMの制作費用】
・簡易的な動画制作の場合:数十万円程度
・大規模な撮影が必要な場合:数百万円~

【放映料金/15秒のテレビCM1回あたり】
・東京のキー局の場合:40~80万円程度
・ローカル局などの場合:3~4万円程度

テレビCMは、他の広告より多くの人にアプローチできます。ただし、広告の宣伝効果を得るためにテレビCMを何度も流す必要があり、放映回数が多いほど費用が高額になります。

YouTube広告

YouTube広告を配信する場合は、YouTube広告の制作費用+配信費用が必要です。

【YouTube広告の制作費用】
・広告動画1本あたり数万~

簡易的な動画制作であれば安く済みますが、テレビCMと同じクオリティを求めると、その分費用が高額になります。

【配信費用】
・配信1回あたり3~20円程度

配信費用は、広告内容や配信形式、視聴数などによって単価が変わります。配信ターゲットを細かく設定できるため、ターゲットを絞って配信量を抑えれば、少ない費用でも宣伝効果が期待できるでしょう。複数の広告パターンを用意し、評判の良い広告の配信量を増やすといった運用方法も可能です。

動画広告の種類や得られる効果、成功事例などについては、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:動画広告とは?基本知識や種類一覧からメリットや成功事例まで紹介

リスティング広告

リスティング広告は、Googleなどでユーザーが検索した際に、検索結果の画面上部に表示される広告です。ユーザーが検索したキーワード(子ども プレゼント おすすめ、など)に連動した広告が表示されるため、購買意欲の高いユーザーにアプローチできます。

【リスティング広告の費用相場】
・月20~30万円程度

リスティング広告は、広告費に応じて表示回数が限定される「バナー広告」と、クリックされるごとに費用が発生するPPC(Pay Per Click)の2種類があります。商品や業界によって変わりますが、1クリックあたりの単価は50~100円程度が相場です。競合の多いキーワードでは、1クリックあたり1,000円を超えるケースもあります。広告出稿の最低料金は、Googleは1,000円~、Yahoo!は3,000円~が目安です。

リスティング広告の概要やメリット・デメリット、広告出稿のやり方などについては、以下のページを参照してください。

関連記事:リスティング広告とは?メリットや出稿のやり方、費用をまとめて解説

ポスティング

ポスティングを実施する場合、チラシ・パンフレットなどを直接届ける必要があるため、印刷物のデザイン費、印刷費、配布するための人件費などがかかります。

【ポスティングの費用相場】
・チラシなどのデザイン費:数万円~
・印刷費:1枚あたり2~3円程度
・配布するための人件費:1枚あたり3~10円程度

ポスティングは、インターネットの使用頻度が低い(Web広告でアプローチできない)層に宣伝できることがメリットです。とくに地域密着型のビジネスは、特定地域に集中して宣伝できるため、ポスティングの効果が期待できるでしょう。

ポスティング料金の決まり方やポスティング業者に依頼できること、依頼時の注意点などについては、以下のページでまとめています。

関連記事:今、依頼したいポスティング業者3選!依頼料金も大紹介

SEO

SEO(検索エンジン最適化)は、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンでキーワードを検索した際に、検索結果の上位に表示されるように対策することです。上位に表示されるとユーザーが目にする機会が増えて、CVボタンや広告のクリック率向上といったコンバージョンにつながります。

【SEOに関する費用相場】
・内部SEO(基本的なSEO対策など):10~50万円程度
・外部SEO(被リンク対策など):1~100万円程度
・コンテンツ制作(記事執筆、画像作成、キーワード分析など):数千円~10万円程度

サイト全体のSEO対策などをコンサルタントに任せる場合、10~100万円程度が相場です。ただし、依頼内容や範囲、Webサイトの規模などによって料金が大きく変わるため、外注する際は事前に見積もりを確認しましょう。

内部SEOのやり方や外部SEOとの違いについては、以下のページを参照してください。

関連記事:SEO内部対策のやり方とは?効果的なチェックリストの例も紹介!

SEO対策の費用相場や依頼先を選ぶポイント、サービス内容などについては、以下のページでまとめています。

関連記事:SEO対策の費用相場とは?依頼先の決め方や料金目安を紹介!

アクセス解析

アクセス解析とは、自社サイトを閲覧したユーザーの属性(性別・年齢など)や、サイト内での行動(どのページを閲覧したかなど)を分析・把握することです。

【アクセス解析の費用相場】
・月額数万円〜30万円程度
※コンサルティングまで含めて依頼する場合、数百万円以上になるケースもあります。

Googleアナリティクスなどの解析ツールを利用すれば、自社でアクセス解析を行うことも可能です。アクセス解析ツールは有料プランもありますが、無料でも利用できます。

アクセス解析の概要や依頼する目的、アクセス解析を行う方法などについては、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:アクセス解析とは?目的や方法、解析でわかることを詳しく解説!

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、自社サイトに訪問したことがあるユーザーに対して表示する広告のことです。課金方式は、クリックされるごとに費用が発生する「クリック型」と、広告が表示されるだけで費用が発生する「インプレッション型」の2種類から選べます。

【リターゲティング広告の費用相場】
・月額20~50万円程度
※リターゲティング広告の単価は、自社サイトへの来訪者数などによって変わります。

SNS広告

SNS広告は、Instagram・Twitter(X)・FacebookなどのSNSを利用し、広告を発信・運用するマーケティング手法です。SNSの場合、広告費の定額が決まっていないため、自社のマーケティング活動の予算に応じて、計画的に広告を配信できます。

【SNS広告の費用相場】
・クリック型:1クリックあたり50~100円程度
・インプレッション型:1000回表示あたり50円~

そのほか、アプリのインストールごとに費用が生じる課金方式もあります。

SNS広告の種類や仕組み、成功事例については、以下のページを参照してください。

関連記事:注目を集めるSNS広告って?SNS4種類の費用や効果を徹底比較!

純広告

純広告は、メディアの広告枠を購入し、自社の広告を掲載する形式です。自社の商品・サービスを知らないユーザーへの認知度を上げたり、ブランディングを行う際に利用されます。

【純広告の費用相場】
・テキスト広告:インプレッション数×0.5~1円程度
・バナー広告:インプレッション数×1~3円程度
・リッチメディア広告:インプレッション数×0.5~1円程度
・メール広告:配信数×5~20円程度

費用相場は、掲載先メディアのPV数や広告掲載の時期、自社の信頼性などによって変わります。トータルの費用は50~100万円程度が相場ですが、大手メディアの目につきやすい位置に広告を掲載する場合は、数千万円以上になる場合もあります。

メルマガ

メルマガの配信方法は、ネットワーク上で配信する「クラウド型」と、自社サーバーやネットワークを使用し、メルマガの管理・運用を行う「オンプレミス型」の2種類があります。

【メルマガの費用相場】
・クラウド型:月額2,000円~1万5,000円程度
・オンプレミス型:月額2,000円~5万円程度

オンプレミス型の場合、システムの導入費・ライセンス料などで100~600万円ほどの初期費用が発生します。クラウド型と比較すると、カスタマイズの有無やセキュリティ、価格などで違いがあるため、自社の用途や予算に合わせて適したほうを選択しましょう。

メルマガ配信の概要や効果測定の方法、効果を上げるコツなどについては、以下のページでまとめています。

関連記事:メルマガの効果とは?効果をあげるコツや曜日、効果測定方法を解説!

MA(マーケティング・オートメーション)

MAは、マーケティング活動を自動化することで、新規顧客への対応や見込み客の育成などに活用できるシステムのことです。

【MAの費用相場】
初期費用:無料~15万円程度
月額費用:5,000円~10万円程度

MAの費用相場は、利用する機能やデータ容量などで料金が大きく異なります。そのため、自社の広告運用の体制を決めたうえで、各社のサービスや料金を比較・検討しましょう。

マーケティング関連の仕事依頼なら「クラウドワークス」へ

マーケティング関連の仕事を外注したい場合、クラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」には、さまざまなスキルを持つ人材が登録しています。

コンサルタントやリサーチャー、事務経験が豊富な人材などが多数登録しているため、集客や売上、ブランディングといった目的別のマーケティング戦略立案を依頼したり、SNSの集客・運用や、マーケティングツールの導入・運用などの代行作業を任せたりできます。

また、キーワード分析やアクセス解析、競合サイト調査など、マーケティング関連の仕事を部分的に依頼することも可能です。クラウドワークスは無料で登録でき、発注手数料などはかからないため、外注の窓口として活用されてはいかがでしょうか。

【クラウドワークスで募集されたマーケティング関連の仕事の例】
・競合商品のリサーチ代行(仕入れ先、価格などのリストアップ作業):1件50円~
・国内や海外の現地調査(インタビュー、写真撮影、資料収集など):1件1~5万円程度
・Webマーケティングの運用(SEO対策、ディレクションなど):時給3,000~4,000円

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(※)クラウドソーシングサービスとは、仕事を依頼したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのこと

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まとめ

マーケティング活動は、市場調査から企画・宣伝、商品の販売まで多岐にわたります。マーケティング施策によって費用が大きく異なるため、予算配分などについてコンサルタントにアドバイスを依頼するケースもあります。また、高スキル人材にリサーチや運用代行などを外注する方法もあるため、マーケティング費用を決める際に、マーケティング活動を社内ですべて対応するか、部分的に外注するかをあわせて検討しましょう。

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クラウドソーシングTimes編集部
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