飲食店を始める際には、お店の認知度を上げるロゴを作成することが重要です。お店のコンセプトを表現しているだけではなく、時代感に合ったおしゃれなものを用意しましょう。ロゴを作るうえでのポイントや、制作する際の依頼先について紹介します。
目次
飲食店にロゴが必要な理由
本題に入る前に、まずは飲食店にロゴが必要な理由を知っておきましょう。企業名やブランドと同様、飲食店においてもロゴは重要です。その理由は大きく分けて「ブランディングの役割」と「コーポレートアイデンティティの確立」の2つがあります。
ブランディングに役立つ
飲食業界は一般的に競争が激しいと言われています。その中で、新規顧客を獲得しながらリピーターにも継続的に支持される店づくりをするには、ブランディングが重要です。顧客獲得だけでなく、価格競争に巻き込まれにくくなる効果もあるので、結果として収益性が高まるというメリットもあります。看板メニューを持つように、ロゴをひとつのアピールツールとして、カスタマーの認知やイメージ形成をしていきましょう。
コーポレートアイデンティティを確立する
ロゴはコーポレートアイデンティティを確立するうえでも重要な要素と言えます。コーポレートアイデンティティとは、会社の理念など「その会社が何者であるか」を表す概念です。
コーポレートアイデンティティを体現したロゴを継続的に使っていけば、ロゴに込めた想いが顧客に伝わっていきます。浸透すれば、スターバックスのロゴのように、ロゴを見ただけでどのような飲食店なのか分かるようになるでしょう。さらに、飲食店から物販(グッズ化して売り出す、駅構内に出店する)などに拡大展開していく場合も、ロゴが大きな役割を果たします。
おしゃれなロゴデザインの作り方
ここからは、おしゃれなロゴデザインの作り方を紹介します。上で紹介したように、ロゴはお店のコンセプトを反映したものにしましょう。そこからシンボル、カラー、フォント(文字が入る場合)という流れで決めていきます。それぞれの重要なポイントを解説します。
お店のコンセプトを反映する
ロゴを作り始める前段階として、お店のコンセプトはきちんと決まっていますか?コンセプトは「もっとも○○な~」「唯一○○な~」などのフレーズをベースに考えると、独自性が出て競合飲食店と差別化ができます。決まったコンセプトをロゴに反映していくために、「ロゴを見た人に持ってもらいたいイメージ」を想像しながら作成を進めましょう。具体的な要素については以下で紹介します。
シンボルになるものを決める
まずシンボルを検討しましょう。文字だけのロゴが存在しているように、必ずしもシンボルを入れる必要はありませんが、一瞬見た時の印象やイメージ、記憶に残るという点で機能してくるのがシンボルです。
選ぶ際は、コンセプトを反映するようなモチーフから検討していきましょう。たとえば、アットホームな家庭料理店であればハートマーク、料理長こだわりの飲食店なら包丁のモチーフなどです。ほかの飲食店がどのようなシンボルを使っているか調査をするのも良いでしょう。
色の持つイメージを考慮する
ロゴ作成において、色の選択はとても重要なポイントです。その理由は、「色」によって人に与える印象は大きく左右するからです。具体的には以下のとおりです。
赤 情熱、力強さ
青 クール、清潔
緑 安全、ナチュラル、健康
黄色 明るい、栄光
紫 ミステリアス、大人っぽさ
黒 落ち着き、力強さ
ちなみに、赤や黄色は「ディスカウント」の意味合いで値引き後の価格などに使われることが多いです。このようなことも全体のイメージに影響することがあるので、再度確認しておくようにしましょう。
フォントのイメージを考慮する
店名などの文字を入れる場合は「フォント」にも注意しましょう。理由は、使用するフォントによってイメージが変わる可能性があったり、フォントの権利や規約違反になるリスクがあったりするからです。お店のコンセプトや決めたシンボル、カラーとの組み合わせを見ながらフォントを選択していきましょう。
親しみやすさを醸成したいのであれば「手書き」、本物・伝統的なイメージならば「筆文字」を実際に書くのも手段のひとつです。権利関係については、各フォントの提供元の規約をチェックするようにしましょう。
商標登録はフォントの著作権に注意
ロゴの制作が完了したら、商標登録を行いましょう。その際に気をつけなければいけないのが、フォントの著作権です。既存のフォントを使用する場合、フォントを所有・販売している会社(ベンダー)ごとに許諾範囲が異なるため、それぞれの規定を確認したうえで商標登録に進みましょう。
飲食店のロゴ制作はどこに依頼する?
飲食店のロゴを外注する際は、どのような会社に依頼したらいいのでしょうか。「デザイン会社に依頼する」「無料のロゴ制作サイトを使う」「クラウドソーシングを利用する」の3通りが代表的な選択肢です。それぞれのポイントについて解説します。
デザイン会社に依頼する
完成度という点では、プロデザイナーに頼めるデザイン会社に依頼するのが良いでしょう。相場平均は8~30万円程度と言われています。価格は会社次第なので上下しますが、比較的コストが高くなってしまう点はデメリットと言えます。
デザイン会社を選ぶメリットは、「ブランドアイデンティティやコンセプトからデザインを考えてくれる」「デザイン案を複数出してくれる」「修正に対して柔軟性がある」などです。デザイナーに対して意向を伝えるオリエンテーションでは、コンセプトはもちろん、ターゲット像(可能であればペルソナ)も伝えましょう。
無料のオンラインツールを使って自分で制作
「ロゴ 無料」と検索すると、複数の無料ロゴ制作サイトが見つけられるので、そこから業態やイメージ、色やフォントなど自由にカスタマイズしてロゴを自作することもできます。このように、短期間かつ無料でできる点はメリットです。
しかし、あくまでも無料サイトなので、クオリティ面で100%満足できるものが作れるとは限りません。ロゴは、一度決めたら一定期間変えないほうが早く定着します。予算とクオリティのバランスを見ながら慎重に決めるようにしましょう。
クラウドソーシングで依頼する
「クラウドソーシング」の利用も検討してみましょう。最大のメリットは、デザイン会社と同じようにデザイナーにカスタムオーダーができること、コストが抑えられることです。特に、コンペ形式で案を募ると、多様なデザイン案から選ぶことができます。デザイン制作会社に勤務する現役デザイナーが副業としてクラウドソーシングを活用している場合もあるので、同等程度のクオリティが期待できるでしょう。
依頼時の注意点や相場などはこちらの記事で紹介しています。
関連記事:ロゴデザインの相場とは?依頼方法やケースごとの相場に紹介!
まとめ
飲食店のロゴの必要性や実際に作る際のポイント、制作する場合の依頼先について紹介しました。ロゴはお店の看板やホームページ、メニュー、店内などさまざまな場所で目にするものです。コンセプトに合ったロゴを制作して、競合との差別化にチャレンジしてみてください。
飲食店のホームページの必要性や看板デザインについては、こちらの記事をそれぞれご覧ください。
関連記事:飲食店のホームページの必要性は?制作にかかる料金相場や作り方は?
関連記事:飲食店の看板デザインのコツとは?集客や売上アップにつなげるには?