会社やブランド、商品などのロゴを新しく作る場合、費用はいくらかかるのでしょうか?今回は、基準となる料金や金額の相場、有名企業のロゴ作成金額などを詳しく紹介します。
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ロゴの依頼料金相場
ロゴの作成を依頼する際の料金相場は、およそ以下の通りです。
依頼先 | 金額(目安) |
ロゴ制作会社 | 15~100万円 |
個人のデザイナー | 1~15万円 |
クラウドソーシング | 5,000円~3万円 |
以下、個人や制作会社・書道家・ロゴ販売サイト・クラウドソーシングで依頼する場合などのケースについて紹介します。
JAGDAの基準料金
JAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会)は故・亀倉雄策氏によって1978年に設立されたグラフィックデザイナーのための組織です。JAGDAが公表している料金表によると、年間販促量や作業量によって価格の変動が起こるとされています。例えば、年間広告費100万円の社名ロゴタイプであれば、概算ですが48万円程度です。
出典元:JAGDA 料金表
個人や制作会社に依頼するケース
デザイナーやデザイン制作会社に依頼するケースは、その知名度や実績、規模によって大きく変わってきます。この依頼方法は、過去の実績を見て依頼できるという安心感があります。金額を抑えたければ数万円からのプランも見つけることが可能です。フィードバックの回数や出してもらえる候補数によっても価格が変動するので、事前に相談してから決めましょう。
書道家に依頼するケース
伝統的なイメージを醸成したい、海外向けに日本らしさを出したいという希望があれば、書道家に依頼するのも一つの手でしょう。上記の個人デザイナー、デザイン会社に依頼するのと同様、知名度や実績によって大きく変わります。金額の幅は、数万円から数百万円と広いのが特徴です。
ロゴ販売サイトを利用するケース
すでに作られたロゴを販売しているサイトがあるのをご存知ですか?インターネットショッピングで商品を選択するのと同様に、サイトに掲載されたロゴを選択して購入することが可能です。事前ミーティングやフィードバックなどのやりとりの手間が省ける分、比較的安い価格で手に入れることができます。
クラウドソーシングで依頼するケース
最近増えているのが、クラウドソーシングで依頼するケースです。会社に属していないフリーランスのデザイナーや、副業としてデザインをしている方に依頼するため、比較的低価格でデザイン開発をしてもらえます。
既製品と異なり、オーダーメイドの依頼ができる点、デザインにかかった費用に限りなく近い金額で発注できる点が人気です。コンペの形式を取ることも可能です。いいデザイナーが見つかれば継続依頼もできるため、大きな予算は取れないけど、こだわりたいという人にオススメの方法と言えるでしょう。
有名企業のロゴ作成費用
ロゴを作成するプロジェクトは時間もお金もかかると言われています。しかし全てのロゴ開発に莫大な費用がかけられていたかというと、そうでもありません。
たとえば、Googleは自社でデザインしたため外部へ支払う製作費はかかっておらず、その後のアップデートについてもほぼ無料でおさえています。Coca Colaも1885年に開発されて以来、大きな変化を加えておらずほぼ無料と言われています。
その他、有名な企業の事例を以下に2つ紹介します。
100万ドルをかけた「ペプシコーラ」
出典元:ペプシコーラ
ペプシコーラを販売しているペプシですが、ロゴに100万ドル(1億2,000万円)という金額をかけて開発したそうです。デザイン費用に加えて、有名なデザイナーを起用することにより発生するブランド費用や、デザイン開発に要した期間にも比例して金額は変わります。
ペプシのロゴは、見た人が商品に引きつけられるような黄金比を用いて美しさやバランスを追求し、開発されました。
ほとんどお金をかけなかった「Nike」
出典元:Nike
世界的な有名スポーツブランドのNikeはロゴ開発に最も費用をかけていない企業の一つと言えるでしょう。その金額はなんと35ドル(約4,200円)で、グラフィックデザインを学んでいた学生によって開発されました。
スピード感や躍動するイメージを持たせたデザインで、女神ニケの翼をモチーフにして描かれました。普遍的そしてシンプルなロゴこそが人の頭に残る、ということを証明した事例と言えるでしょう。
オリジナルロゴを作成する必要性・重要性
オリジナルのロゴを作成することは会社やブランドの名前を覚えてもらう、良いイメージを抱いてもらうという点において、大きな意味を持っています。記憶に残るデザインを採用し、会社やブランドの理念・コンセプトを反映したロゴを作成すれば、「これはあの会社(ブランド)のロゴだ」と認識してもらえるようになり、信頼感や安心感が生まれやすくなります。
また、似たような製品が複数ある場合、知っているロゴ・気に入ったロゴが使われている製品を選ぶという人も多いことでしょう。ロゴは他社・他製品との差別化という意味においても重要な役割を果たします。
さらに、オリジナルロゴは顧客や一般の人のみならず、自社の社員・従業員にも大きな影響を及ぼします。会社や製品のロゴの認知度が高まれば、社員・従業員のモチベーション向上につながり、会社・製品のイメージアップや業績アップも期待できます。
会社やブランド、製品のロゴは一度決めたらある程度長期的に使用するケースが多いため、十分な検討を重ね、より良いデザインのものを作成することをおすすめします。
ロゴデザインの依頼方法は?
企業やブランドイメージを作り上げる上で、目印として重要な役割を果たすロゴですが、デザインを依頼するにはどのように進めていけばよいのでしょうか。ここでは思った通りの仕上がりに近づけるため、依頼時に具体的に気をつけた方がよい点について解説します。
ヒアリングを通してイメージを伝える
デザイン会社やデザイナーとのミーティングにて、作りたいロゴのイメージをしっかり伝えます。例えば「温かみを感じられる」「革新的な」など抽象的なイメージに加え、「ロゴ作成の目的」「理念やコンセプトなど伝えたい事」「ターゲット」「ロゴの使用場所」などの詳細を伝えるようにしましょう。
また、ロゴを見た人にどう感じてもらいたいか、どう見られたいかという点も考えてみるのもよいでしょう。
制作されたデザインの提案を選択する
オリエンテーションの後は各デザイン会社やデザイナーから複数案のデザインが上がってきます。デザインの選択は人によって感覚が異なるので、意外と困難なステップです。デザインの好みだけでなく、「どこで使うのか」、「目的」、「ターゲット」など事前に作成したガイドラインに基づいて目的に沿ったロゴになっているかどうかを確認しながら選択していきましょう。
イメージに沿って修正を依頼する
次は選択したロゴをイメージに沿ってより近いものに修正の依頼をしていくプロセスです。フィードバックは丁寧に行いましょう。この時も使う場所や将来的な活用方法を想定していくことをオススメします。
例えば海外進出の予定が数年後にあれば、日本語だけのロゴは使えなくなってしまいます。また背景がかならず白い場所で使えるとも限りません。様々な要素を考慮して、イメージ通りの仕上がりに近づけるフィードバックを行いましょう。
ロゴ作成にかかる費用の内訳
続いて、ロゴ作成にかかる費用の種類や目安金額、費用の決まり方などを紹介します。
①デザイン費
デザイン費とは、依頼相手のデザインスキルを活かしてロゴをデザインしてもらうために支払う費用です。デザイン費の設定金額はデザイナー個人やデザイン事務所によって大きく異なり、3〜10万円ほどが相場といえます。
文字のみ・イラスト(シンボル・キャラクターなど)のみのロゴよりも、文字とイラストを組み合わせたロゴの方がデザイン費は高くなる傾向にあります。
②作業料
作業料はデザインのためにかかる工数に対して支払う費用で、工数に比例して高額になります。デザイナーの平均的な月収や作業時間から作業料を算出し、かかった時間に応じて請求されるケースもありますが、作業料がデザイン費や修正費(後ほど説明します)のなかにあらかじめ含まれているケースもあります。
③付加価値料
付加価値料とは、デザインしたロゴに対して発生する付加価値を予測・数値化して支払う料金です。たとえば、通常のロゴよりキャンペーンやイベントで使用するロゴの方が付加価値は高いとみなされ、付加価値料が上がります。また、依頼するデザイナーやデザイン事務所の知名度も付加価値料を左右する要素です。
④提案数
デザインしてもらうロゴを1点に絞らず、複数提案してもらってそのなかから気に入ったデザインを選びたいという場合、提案数に応じて料金も加算されます。
大手のデザイン事務所へ依頼する場合や、デザイナー自身が経験を積みたい場合であれば、「デザイン数が5点以内であれば同料金」などという料金設定のケースもあります。
テンプレートを使用してロゴをデザインするデザイナー・デザイン事務所へ依頼する場合、たとえ提案数が多くとも似通ったデザインだったり、デザインのクオリティが十分とはいえなかったりするケースもあるため注意しましょう。
⑤修正数
作成してもらったロゴデザインに対して修正を依頼する際、別途料金がかかるケースもあります。「修正2回までは無料」などという依頼先もありますが、通常は修正の回数に応じて料金が発生します。修正料金の設定はデザイナー・デザイン事務所によって異なりますが、「デザイン費の10%前後」がおよその相場といえます。
⑥ロゴ作成にかかる経費
ロゴ作成を依頼する際にかかる経費として、デザイナーと打ち合わせを行う際の交通費や飲食費、通信費などが挙げられます。また、デザインソフトの使用料やフォントの購入費など、ロゴデザインを行うにあたって直接的に必要となった費用も経費に含まれます。
⑦商標登録費
会社や商品のロゴを新たに作成した場合、商標登録を行うケースもあります。自分で登録申請を行うこともできますが、弁理士や弁理士と提携するデザイン事務所に代行してもらうこともできます。出願費用、登録料、代行費用を合わせると50万円近くになることも多く、まとまった金額を用意しておく必要があります。
代行費用の相場は15万円ほどともいわれているため、それより低額で商標登録のみを代行してくれる弁理士を探せば費用を抑えることも可能です。
⑧CI・VIの作成費
CI(Corporate Identity)、VI(Visual Identity)は、いずれもイメージや視覚効果を用いた企業戦略です。ほぼ同義で使われることもありますが、CI→企業のロゴやシンボルによってイメージを作る戦略、VI→企業(組織)以外のロゴやシンボルによってイメージを作る戦略、のように使い分けられる場合もあります。
CI・VIの作成費とは、ロゴのデザイン(色・形・比率など)や使用機会などを明確にし、ロゴのイメージを損なわないようにするための費用です。具体的には、「ロゴに関するルールや取り決めを行い、それを資料やマニュアルにするための費用」ということができ、10〜15万円前後が金額の相場です。
ロゴ作成・ロゴデザインに価格差が出る理由
ロゴの作成やデザインにあたり、価格差が発生する理由はいくつかあります。
まず、ロゴの作成・デザインには多くの工程が必要という点です。1工程あたりの価格差がわずかであったとしても、多くの工程を経ることで、最終的に大きな金額差となります。
次に、依頼先ごとに価格設定が大きく異なるという点です。デザイナーの経験や知名度によってデザイン費が左右されるほか、提案数・修正回数などの対応範囲も各デザイナー・デザイン事務所によって異なるため、価格差が生じます。
そのほか、商標登録の有無やCI・VI施策をどこまで行うかといった点も、ロゴの作成・デザイン費用を決める大きな要素といえます。
各費用の詳細については、本記事の前半を参照してください。
ロゴ作成・ロゴデザインで想定外の費用を抑えるには
では、ロゴの作成・デザインを行う際に不要な費用を抑えるにはどうすればよいのでしょうか?
想定外の費用が発生する原因として多いのが「作成したいロゴに対するイメージのズレや共有不足」です。依頼時点でロゴのイメージが固まっていなかったためにデザイナーからの提案数が増えたり、作成したいロゴのイメージが正しく共有されていなかったために修正を複数回依頼したりすることになり、料金がかさむというケースはよく見られます。
そのため、どのようなロゴを作成したいのかきちんとイメージや方向性を定めておき、具体的な資料や図案を例示して依頼先へ共有しておくと、無駄な費用を抑えることにつながります。
ロゴデザインを依頼先に一任する場合であっても、料金内で対応してもらえる提案数や修正回数についてあらかじめ確認しておき、追加費用が発生しないように注意しましょう。
おすすめのロゴ制作会社を紹介
ロゴの作成・デザインを依頼できる会社は多数あり、それぞれに得意分野や料金体系が異なります。選ぶポイントをおさえ、複数の会社を比較検討してみるのも良いでしょう。
以下のページではおすすめのロゴ制作会社を紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:今、話題のロゴ制作会社4選!ロゴデザイン依頼ならココ
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まとめ
今回は、ロゴデザインにかかる費用や外注費用の相場、費用を抑えるポイントやおすすめの外注先などをまとめて紹介しました。ロゴは企業や商品の印象・売上を左右する重要なものであるため、良い依頼先に適正価格で発注できるよう、事前に必要な準備やリサーチを進めておきましょう。