マーケティング
公開日: 2019.08.01 / 最終更新日: 2020.11.18

企業がイノベーションを創出するには?プロセスや組織体制のコツ

「イノベーション」の重要性は明らかですが、どう創出するか、組織体制をどう整えるかは企業次第です。多様な分野とITを融合させ、社会に新しい価値を提供するにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、その創出方法や、体制づくりなどについてご紹介します。

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イノベーションを創出するプロセス


イノベーションは会社の成長や競争市場で生き抜くためには重要なテーマですが、その重要性は理解していても、どう創出するかを悩む経営者・担当者は多いのではないでしょうか?ここでは、イノベーションを創出するプロセスを説明します。

課題の把握と調査

イノベーション創出は、まず現状の課題を洗い出し、情報集めを行います。最終的なゴールや理想とする将来像を明確にしながら、現状を見極めるデータを収集しましょう。そこから理想のゴールとのギャップ、すなわち、課題を抽出します。現在直面している問題や機会をきちんと把握することが重要です。

アイデア創出

次に、その課題をどう解決すれば理想や目標に近づけるかのアイデア出しを行います。最初の段階ではブレーンストーミングを行い、他人の意見を否定することなく、たくさんのアイデアを出し尽くすことが肝心です。その後、似たようなアイデアをグルーピングして分類し、その中で理想や目標の実現のために必要なものを取捨選択して、優先順位を付けていきましょう。こうして課題の解決策を絞り込んでいきます。

ビジネスシナリオやビジネスモデルの策定

次のプロセスは、アイデアをカタチにするシナリオの設計を行い、具体的に実践していく段階です。まず、絞り込んだ課題解決策によって、社会や顧客にどんな新しい価値を提供できるかを整理します。そして、そのために必要な製品やプロセス、組織や人財など、イノベーションの実現方法を具体化していきます。

こうして設計されたビジネスモデルやシナリオを実際に行動に移し、理想とする姿に向けて計画を進めていきましょう。進行にあたっては、目標達成までの期限を区切った管理表を作り、タームごとに進行チェックを行うことも重要です。

実現性検証

最後は、具体的にどこまで実現できたかを評価する「実現性検証」を行います。最初の段階の理想や目標が明確であれば、その達成度や評価、反省点を明確にあぶり出すことが可能です。これらの分析により改善策を導き出し、次のステージへとつなげていきます。

こうしてPDCAを繰り返すことで、理想や目標の達成に近づけていきましょう。

イノベーションの種類や実際のイノベーション事例はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:イノベーションとは?海外・日本での事例や、分類される5種類を解説

イノベーションを創出しやすい組織


次に、イノベーションを創出しやすい体制や組織について説明します。

組織一丸となって取り組む

イノベーション創出のために重要なことは、それに関与するスタッフ1人ひとりに、イノベーションをおこす当事者という自覚を持たせることです。自らのアイデアが具体的なカタチになって実用化されることでモチベーションを向上させ、「やる気」を喚起します。

この1人ひとりのパワーが結集して組織一丸となって取り組めば、大きな効果をうみ出すため、全スタッフがイノベーション創出にコミットできる環境整備が必要です。

誰でもアイデアを出せる環境を構築

自社の社員であっても、自社製品のユーザーであり、その使用感への感想や新しい利用法などのアイデアをたくさん有しているかもしれません。そのようなアイデアや意見を気軽に出せる場を提供しましょう。普段一緒に働くことのないほかのスタッフや、外部の人間をまじえてディスカッションすることも刺激となり、イノベーション創出の活性化につながります。

企業がイノベーションを創出する方法


イノベーションを創出するために、企業ができる環境づくりを確認していきましょう。

イノベーションの専門部署を置く

イノベーションは、その重要性から、最近では企業内に専門部署を設置するケースが増えてきました。社長直轄の経営部門として経営陣も構成員となる場合が多いですが、プロジェクトチームとして、短期間で結果を出す取り組みも増えています。

アイデア創出の時間を確保

全社員が参加できる「時間設定型」にする方法は、勤務時間内のうち、ある一定時間をイノベーションにつながるアイデア出しや活動のための時間にするスタイルです。社員のモチベーション向上や適性判断にもつながります。

社内コンペの開催や賞金の支給

イノベーション創出のために、社員から企画や提案を「コンペ」形式で集めるスタイルもあります。経営陣も含めた全員から、イノベーションのアイデアやビジネスプランを募集するものです。優れたプランを表彰し、社内ベンチャー制度により創案者の手で事業を実現化させるケースもあります。やる気のある優秀な人材の発掘にもつながると言えるでしょう。

外部公募

社内だけではなく、外部を活用してアイデアを募ることもできます。たとえば、クラウドソーシングなどもそのひとつ。クラウドソーシングにはあらゆる分野の知見者が登録しており、社員では考えられないような違った視点のビジネスプランや意見を多数収集することが可能です。ぜひこちらの資料もご覧ください。
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イノベーション創出に利用できる場


各地にある「オープンイノベーション」の場を利用すると、新たな人やアイデアに出会えるチャンスが増えます。具体的な「場」としておすすめな3カ所を紹介します。

hoops link Tokyo

「hoops link Tokyo」は、SMBCグループにより2017年に東京都渋谷区にて誕生。「新たな出会い・アイデア・挑戦」がうまれることを意図して作られました。スタートアップから大企業にいたるまで、幅広い企業・行政・学術研究機関・NPOなどが集う場です。

すでにイベント回数は300回、来場者数は15,000人(2019年2月時点)を超え、社会課題の解決につながる事業など、幅広いテーマでイノベーション創出活動が行われています。

出典元:hoops link Tokyo

KDDI DIGITAL GATE

KDDIが5GおよびIoTのビジネス開発拠点として東京都渋谷区に設置したのが、「KDDI DIGITAL GATE」です。2018年9月のスタート以来、KDDI専門チームやパートナー企業、スタートアップなどをまじえたオープンイノベーションの場として利用され、5GやIoT時代における先進的な市場価値の高いサービスの模索と創出を続けています。

出典元:KDDI DIGITAL GATE

BASE Q

「BASE Q」は、2018年5月に「新たな価値の創出と社会課題の解決を目指す人々が集うビジネス創造拠点」として、東京ミッドタウン日比谷にできました。数多くのスタートアップやNPO、クリエイターが集うイベントを開催するほか、会員制ラウンジの「BASE Qイノベーション・ビルディングプログラム」を運営し、企業のイノベーション創出のサポートを行っています。

出典元:BASE Q

まとめ

企業の持続的な成長と、競争市場において生き抜くために必要とされているイノベーション創出ですが、その創出方法には一定のプロセスがあります。また、イノベーションを具体的に進めるには、社内で取り組むほかにも、社外ツールを有効活用するなど選択肢も幅広いです。最近はオープンイノベーションの場も各地にあり、普段接することのない人や企業、業界や分野、アイディアや意見に出会えるチャンスが増えるので、ぜひ活用してみましょう。

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coolpolaris
広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランやの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。

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