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2019.09.14
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人材ポートフォリオとは?作成する方法や実際の設計事例を紹介

働き方改革が進む日本において、注目されているのが「人材ポートフォリオ」です。人材を最適配置できる手法として知られていますが、どのようなことを意味するのでしょうか。ここでは、人材ポートフォリオの定義やメリット、設計方法などについてご紹介します。

人材ポートフォリオとは?


そもそも、人材ポートフォリオとは、どういう意味なのでしょうか。

「ポートフォリオ」という言葉について

 
ポートフォリオは直訳すると「書類入れ」「折りカバン」といった意味です。「ひとかたまり」や「目的のある書類の束」というニュアンスがあり、クリエイターが実績をアピールするための作品集などを指すこともあります。

ほかにも、ポートフォリオは金融・投資用語として使われています。「現金」「株式」「債券」「不動産」など、投資家が保有している金融商品の一覧や投資の分散、その分散の組み合わせなどを指します。最近は金融業界だけではなく、技術や製品、情報システム、人材などの領域でも、それぞれの構成内容や組み合せを意味する言葉としてポートフォリオが使われています。

企業における人材の構成を表している

 
人材におけるポートフォリオとは、企業内の人的資源の構成内容のことを表します。雇用形態や働き方が多様化し、少子高齢化による人手不足が余儀なくされる日本社会。企業にとっては、人件費の効率化や少ない人数での生産性向上が重要な課題です。

このような状況下で、人材を効率的かつ最大限に活用して業績向上を図るために、人材ポートフォリオが注目されるようになりました。人的資源を可視化できる人材ポートフォリオは、採用や人材育成、最適な人材配置に活用できるため、企業が生き残っていくための重要な指標として期待されています。

人材ポートフォリオ分析のメリット


人材ポートフォリオには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

最適な人員配置ができる

  
人材ポートフォリオのメリットのひとつは、プロジェクトや部署の特性に合わせた最適な人材を配置できることです。企業に属する全人員のキャリアの志向性、強みや弱みなどを人材ポートフォリオで可視化することで、業務目標に見合う人材を配置することが可能になります。

そのためにも、人材ポートフォリオの基準となる事業目標や戦略を事前に明確にしておくことが重要です。適切な配置をすることで、効率的に業務目標を達成するだけでなく、将来的に必要な人材の育成も可能となります。

人材の余剰や不足を把握できる

 
人材ポートフォリオのもうひとつのメリットは、人材の過不足を的確にマネジメントできる点です。どのような人材が何人存在して、どういった業務や部署に配置されているかが把握できるため、過不足しているプロジェクトや部署に対して適切な対応を取ることができます。

実際に人材ポートフォリオを作成する方法


次に、具体的な人材ポートフォリオの設計方法を紹介しましょう。

重要な2つの軸を決める

  
最初に、自社の人材を役割や志向性で分類する、大きな2つの軸を設定します。たとえばこのようなものです。

まず、Y軸に「創造-運用」軸を設定。「創造側」に新しい企画や商品をうみだす人材、「運用側」に販売や管理が得意な人材がそれぞれ対応します。そして、X軸を「個人-組織」軸を設定。「個人側」に個人の力で成し遂げるのが得意な人材、「組織側」チームで協力し合う仕事が得意な人材が対応します。

XとY軸で分けられた4つの象限の人材が、ポートフォリオ設計の基準となります。なお、この軸というのは、自社の事業目標や経営戦略上で重要な指標となる軸を設定しましょう。ポートフォリオ設計の中で軸の設定が一番重要な作業といえます。

出典:クレイア・コンサルティング株式会社:人材ポートフォリオ設計

軸をベースに人材を定義する

 
次に、分類した4領域の人材を定義しますが、たとえば上記の「創造-運用」「個人-組織」の2軸で分類した場合、以下のような定義が可能です。

【1】創造・個人の領域=クリエイティブ人材
【2】創造・組織の領域=マネジメント人材
【3】運用・個人の領域=エキスパート人材
【4】運用・組織の領域=オペレーション人材

各領域の人材の数を確認する

 
そして、分類した4つのグループに当てはまる人材を配置して数を把握します。このように、人材を可視化することが「業務の適切な人材配置」や「人材の過不足管理」につながります。

配置や評価を行う

 
最後に、4領域の人材の理想的な配置や評価を行います。創造性の高い人材が「クリエイティブ人材」や「マネジメント人材」として配置されているか、人と協力して能力を発揮できる人材が「マネジメント人材」や「オペレーション人材」として活躍できるかなどを見極めます。

また、それぞれの領域に必要な人数も決めておきます。すべて均等の人数にするのが妥当ではなく、将来的な事業目標や経営戦略に基づき、優先的に人材確保を進める領域を決めて投資するなど、自社にとって適正な人数を配置します。

人材ポートフォリオ設計の事例


人材ポートフォリオを設計するうえでもっとも重要なのが軸の設定です。2軸の設定事例を数例ご紹介します。

ルーティン-ノンルーティン×分析や設計-営業や接客

  
ある会社は、この2軸を「ルーティン-ノンルーティン」と「分析・設計-営業・接客」に設定して、4領域に分類しています。

「ルーティン」は恒常的・継続的な業務、「ノンルーティン」が課題に対して個別のアプローチが必要となる業務です。一方、「分析・設計」はパソコンなどで分析や設計を行う机上の業務、「営業・接客」は体を動かす業務として分類しています。

このような分類方法は、ひとつの領域に含まれる業務や人材の対象範囲が広いため、業務が多岐にわたり、多様化が進む事業を展開している企業が多く採用しています。

恒常的業務-繁閑業務×専門性が高い-低い

 
また、4つの領域を「恒常的業務-繁閑業務」と「専門性の高・低」の2軸で分けている会社もあります。ここで生まれる人材は下記に分類されます。

・日常業務を継続的にこなす人材
・自社のコア業務を専門性を活かして行う人材
・単発的な補助業務を行う人材
・期限付きで働く特定分野の専門家

このような分類は指標がわかりやすいため、社員の希望に応じた雇用形態を提供しやすく、代替人材を補う難易度も把握しやすくなります。採用や評価などで活用できる軸設定です。

変革-維持×組織-個人

 
前出の「創造-運用」×「組織-個人」という軸の設定のうち、「価値創造を行う人材群」と「既存の仕組みの運用を行う人材群」で分ける「創造-運用」軸は、「変革-維持」や「狩猟民族型-農耕民族型」などとも表現され、多くの企業が採用している指標です。

また、「組織-個人」の軸も、あらゆる業務を分類でき汎用性が高いため、こちらも多くの企業が採用しています。「個人の能力を発揮できる仕事が向いている人材」と「組織ぐるみで仕事を進めるのが得意な人材」では人物像が大きく異なるため、「組織-個人」軸は重要な指標となります。

まとめ

組織の労働生産性の向上や業績向上のために、今ある人材を可視化して最適な人材配置を行うことができる人材ポートフォリオは、これからの日本社会で企業が勝ち残っていくための重要な指標となります。自社の人材ポートフォリオを設計して、採用戦略やマネジメントに役立てることを検討してみてはいかがでしょうか。

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coolpolaris
広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランやの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。         

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