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公開日: 2020.05.04 / 最終更新日: 2023.12.13

中小企業でのテレワーク導入の流れとは?導入事例や成功のコツを紹介

感染症による外出自粛要請を契機に、中小企業においても例外ではなくなってきているテレワーク導入ですが、自社の業務には適応しない、IT環境が整っていないなどで導入をあきらめている企業も多いのではないでしょうか。ここでは、中小企業や各業種の事例を紹介しながら、テレワーク導入を成功させるコツについて説明します。

中小企業がテレワークを導入する流れ


最初に、中小企業がテレワークを導入する場合の流れについて説明します。

中小企業でも導入のメリットは大きい

中小企業は「テレワークに適した業務がない」「企業規模が小さいのでIT環境が整っていない」などの理由で、大手企業やベンチャーに比べるとテレワークの導入に踏み切れていないケースが少なくありません。テレワークに適した職種は事務職や技術職などと言われていますが、その人数規模が少ないのも中小企業でテレワーク化が進まない理由のひとつとしてあげられます。

その一方、テレワークの導入によるオフィスコストや交通費の削減、生産性向上などは大きなメリットです。そのため、むしろ中小企業こそ積極的に導入することで、大きなベネフィットを得られることも少なくないのです。

テレワーク導入の流れ

テレワークの導入は半年から1年かけて行うのが一般的です。単にシステムを導入するだけではなく、これを機会とした業務の見直しや体制の整備、社員の意識改革も一緒に行うことが重要です。以下の5ステップに分けて確認しましょう。

導入目的・計画の策定

最初に、テレワークによって何を成し遂げるのかのゴールを明確にして、全員で共有することが大切です。その目標を達成するための計画を、経営企画、情報システム、人事、現場スタッフなど、横断的なプロジェクトで立案します。

業務の棚卸し

現状の業務の中で不要な業務を整理します。必要な道具や環境を見直すと、テレワークでも可能な業務が明確になります。

ICTの導入と制度・運用ルールの整備

「社内情報へのアクセス」「コミュニケーション」「マネジメント」の3つの観点で、社外でも安全に実施できるツールを選定します。その後、これらのツールの運用ルールを整備し、既存の就業規則との齟齬を調整して、テレワークのルールを構築していきます。

意志の統一と意識改革

多様な働き方を認め、テレワークを成功させるためにも、社員の積極的な参加や意識改革が必要です。そのためには、トップダウンで意思統一を図ることが重要です。

トライアル~PDCA~制度化

準備したツールや制度を使って実際にトライアルを行います。試行錯誤を繰り返し、成果と課題を振り返りながら改善を図っていきます。最終的に制度化できたルールは、労働基準監督署に届出が必要となります。

中小企業のテレワーク導入は無理なのか?


中小企業はテレワークの導入が難しいと言われていますが、果たしてそれは本当でしょうか。

できるところから始める

中小企業でテレワークを成功させるには、最初から全社一斉に導入するのではなく、「週に1回から始めてみる」「曜日によって半数ずつ在宅勤務を試みる」など、できる範囲や費用がかからないことから始めるのがポイントです。トライアルを繰り返しながら自社に合ったテレワークのルールを整備していくことで、スムーズで効果のある運用が可能となります。

ITツールを最大限活用するのがコツ

最近はWeb会議システムのほか、チャットツールや営業ツール、業務管理システムなど、テレワークの導入に便利なさまざまなツールが充実しているので、これらを有効活用しましょう。こうしたツールの活用により、事務職や技術職だけではなく、営業職やマーケティング、人事など、多様な職種や業務もテレワークで対応できるようになります。こうしたツールを上手に活用することもテレワーク成功の秘訣です。

中小企業がテレワークを成功させるポイント

中小企業がテレワークを導入する際は「業務改革」「ICT導入」「制度整備」「意識改革」に注目して取り組むことが重要です。上でも細かく説明しましたが、大事なポイントなので繰り返し紹介します。

最初の業務改革では、テレワーク導入を契機として現状の業務を整理・分析し、デジタル化を推進するために、業務手順の再構築を行います。次の「ICT導入」では、再構築した業務を円滑に効率よく進め、テレワークでも社内と同様に働けるような情報アクセスやコミュニケーション、マネジメントを可能とするツール類の導入を行います。その際セキュリティ対策も忘れずに行うようにしましょう。

その後の「制度整備」では、テレワークを適切に行うために勤怠管理や業務の進捗管理など、業務を見える化できるシステムやルールを設計・構築します。最後の「意識改革」とは、トップダウンによる社員の意識改革。テレワーク導入後も、全員で生産性向上に取り組む意志の統一、士気向上が重要となります。これらをしっかりと行うことがテレワーク成功のカギです。

中小企業のテレワーク導入事例とは?


次に、中小企業の導入事例を紹介しましょう。

情報通信業の事例

「ヘルステック」の開拓にチャレンジする株式会社FiNC Technologiesでは、リモートワークで働く優秀な人材を数多く採用しています。採用基準が独特で、事業やプロダクト作りの目的に対するコミットメントの高さや、エンジニアとしてのスキルだけではなく、一般的な仕事力、段取り力、プロダクトマネジメント力などに長けている人を選んでいます。感度が高いリモートワーカーを積極的に活用して生産性向上につなげている企業事例です。

関連記事:「エンジニアリング×◯◯」を多く生み、エンジニアが挑戦できる環境を用意する重要性:株式会社FiNC Technologies

製造業の事例

サロン専売の化粧品販売やクリニックの運営、ECサイトの制作などを手がける株式会社ハイサイド・コーポレーションでは、バナーやLPの制作にクラウドソーシングサービスのクラウドワークスを利用し、テレワークで働く人材を活用しています。

クラウドワークスに登録しているデザイナーに対して、バナーやLPのデザインをコンペ形式で募ることにより、クオリティの高い消費者目線の作品が数多く集まり、競争力の高い作品の採用に成功しています。また、社内スタッフをコア業務に集中させることにもつながっています。

関連記事:自社のテイストに合ったデザイナー確保するためにはコンペ活用が有効的:株式会社ハイサイド・コーポレーション

サービス業の事例

機密文書の保管や処理などを行う株式会社日本パープルは、社員の出産を契機にテレワークを導入。本社勤務の営業部4名、バックオフィス5名の計9名で、2カ月間に週1回、在宅勤務を実施し、同時にサテライトオフィス勤務も取り入れました。結果、時間の有効活用や1人あたりの生産性向上につながっています。

今後の課題としては、テレワークに不向きなドライバーや構内作業のスタッフとの不公平感をなくすことで、彼らへの代替案として休暇の充実など別制度の採用などを検討しているそうです。

卸売業の事例

金属材料の卸売がメイン業務のエスメタル株式会社では、営業職の時間ロスの多さや業務の効率の悪さなどを改善するため、テレワーク導入1年前からグループウェアを採用し、社員がテレワークに慣れる環境を整備しました。

実際の導入時にはPC3台とモバイル端末2台を貸与し、無料のクラウドシステムの活用で、社員がどこにいても必要な情報にアクセスできるようにしました。これにより、営業職の時間ロスの軽減や、モバイル勤務社員の残業時間の減少、顧客先での効果的な営業が可能になっています。

不動産業の事例

不動産の資産価値を高めて販売を行う株式会社アトリウムでは、子育てや介護が必要な社員やシニア社員も働き方改革を行うために、在宅勤務・モバイル勤務・サテライトオフィス勤務のテレワークを導入しました。モバイル勤務者にはノートPCを貸与、在宅勤務者は個人パソコンでリモートアクセスと使い分けたルールを設定し、いつでもどこでも仕事をできる環境を整備。

特に注意を払ったセキュリティ面は、リモートアクセスを利用し、社内のVPN環境に接続することで確保しました。この取り組みにより業務スピードや生産性が向上し、「社員幸福度」も高まったそうです。

中小企業の労働力強化には「クラウドワークス」がおすすめ

中小企業に限らず、テレワーク導入には費用や時間がかかるものですが、最初から以下のようなサービスを利用すると、緊急時にも対応が可能です。また、テレワーク環境下で仕事をしていても、外部のサービスを利用することで即戦力を起用でき、労働力の強化につながります。

さまざまな職種のスキルを有するフリーランスなどが登録している「クラウドワークス」は、業界ナンバー1の利用者がいるクラウドソーシングです。クラウドソーシングとは、企業と個人が繋がることでインターネット上で仕事を受発注できるサービス。クラウドワークスでは250種類以上の仕事を発注でき、あらゆる業務の経験者やプロが揃っています。

単発依頼でも気軽に利用でき、プラットフォーム上で希望する職種のクラウドワーカーを検索して実績や評価を確認できるので、ニーズに合った人材を簡単に探せます。情報漏えいなどが心配な人のためにNDAも締結できるようになっています。

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まとめ

中小企業は大企業に比べてテレワークの導入が難しいのでは?と感じるかもしれませんが、テレワークだからこそ得られるメリットや気づく点も多くあります。最初はできるところから始め、クラウドワークスやクラウドテックなどの外部サービスも利用しながら、自社に合ったテレワークを少しずつ整備していくことがおすすめです。

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coolpolaris
広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。

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