イラストを外注した際に支払う【イラスト制作料金】は、「イラストを一度だけ使用するための料金」であることをご存じですか?そのため、他の媒体でも同じイラストを使いたい場合や、イラストをグッズ化したい場合などには二次使用料を支払う必要があります。
今回は、イラスト二次使用の事例や注意点、二次使用料の相場について詳しく紹介します。
目次
イラストの二次使用とは
イラストの二次使用とは、依頼時とは別の目的・用途でイラストを使用することです。例えば、広告チラシ用に制作してもらったイラストを名刺にも使用する場合、SNSアイコン用のイラストをパンフレットにも掲載する場合などは、二次使用に該当します。
イラストの制作者(デザイナー・イラストレーターなど)は、依頼された用途やサイズに応じてイラストを制作します。そのため、依頼者がイラストの色やサイズを無断で変えたり、別の用途で使用したりすると、著作権の侵害とみなされることがあります。
イラスト制作料金を支払ったとしても、著作権はイラストの制作者が持っているため、もし二次使用をしたいのであれば、二次使用料を支払う・著作権を譲渡してもらう・制作者の許諾を得るなどの対応が必要です。
イラスト二次使用料の相場
続いて、イラスト二次使用料の相場を紹介します。
一般的な二次使用料の相場
一般的な二次使用料の相場は、イラスト制作料金の20〜80%程度です。影響力のある媒体で二次利用を行う場合ほど、二次使用料が高額になる傾向にあります。
予算1万円でチラシのイラストを発注した場合の例を挙げると、Webサイトでイラストを二次使用する場合はイラスト制作料金の80%(8,000円)程度、SNSのアイコンとして二次利用する場合は制作料金の20%(2,000円)程度が二次使用料の相場になります。
日本イラストレーター協会(JIA)の相場
日本イラストレーター協会(JIA)は、プロとして活動するイラストレーターの支援団体で、イラストレーターへ仕事の斡旋などを行っています。
JIAが定める二次使用料は、イラスト制作料金の70%(予算1万円のイラストであれば、二次使用料は7,000円)です。さらに、三次使用・四次使用料は制作料金の50%、五次使用以降は20%という規定ですが、発注者側の予算などに応じた話し合いも可としています。
【参考】完全譲渡する場合の料金相場
完全譲渡とは、イラストを権利ごと買い取る(イラストデータを譲ってもらう)ことを指します。完全譲渡を行うとイラストをさまざまな用途へ自由に使うことができますが、料金の相場はイラスト制作料金の2倍~数十倍(イラスト制作料金が1万円の場合、完全譲渡の料金は10万円など)と高額です。
完全譲渡の料金はイラスト制作者と発注者による話し合いで決まることが多く、お互いの関係性によっては(友人・知人である場合などは)相場より安くなるケースもあります。
イラスト二次使用に関する注意点
ここでは、イラスト二次使用に関する注意点をいくつか紹介します。
料金の取り決めは明確に
イラスト制作を依頼する際、イラスト制作料金や二次使用料に関する取り決めをきちんとしておかないとトラブルに発展することがあります。
依頼先がイラスト制作会社・デザイン会社などであれば制作料金・二次使用料が決まっていることが多いものの、個人のイラストレーターは決まった料金設定がない場合もあります。そのため、料金に関する事項についてはイラスト制作者・発注者側の双方が納得・合意のうえで書面などを作成し、証拠として残る形で保存することが重要です。
事前申告をきちんと行う
イラストを二次使用する際は、二次使用料の有無に関わらず事前申告が必要です。イラストレーター側の厚意で「二次使用料は不要」となった場合であっても、二次使用の目的やタイミングを制作者に知らせましょう。
事前申告をしないと、同じイラストレーターが担当した他の案件とイラストの使用期間が重複するなどの事態を招き、制作者・発注者のどちらも不利益を被るおそれがあります。
無断使用・完全譲渡によって発生するリスク
イラストを無断使用すると、予期せぬ期間に競合他社とイラストのテイストがバッティングしたり、インターネット上で複製されたイラストが制作者の意図と異なる用途で使われるおそれがあります。
このような場合、イラストの無断使用自体が著作権侵害に該当するとともに、損害賠償請求などの訴訟に発展するリスクが生じます。
また、イラストの完全譲渡時のリスクとして、データの保存・管理に関する問題が挙げられます。イラストデータの譲渡後、データの管理者は制作者から発注者へと移るため、データの破損や紛失を防ぐために適切な保存・管理・バックアップを行う必要があります。
イラスト作成依頼なら「クラウドワークス」へ
イラスト作成の外注先はいくつかありますが、クラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」には12万人以上のイラストレーター・デザイナーが登録しています。
イラスト作成の依頼数は250万件を超えており、Webサイト掲載用のイラスト・名刺用の似顔絵イラスト・オリジナルキャラクターの制作など、さまざま用途・テイストのイラスト作成を依頼できます。
プロフィールを見て気になったイラストレーターをスカウトしたり、依頼したいイラストの内容を掲載して応募を待ったりするほか、複数のイラスト案を募集する「コンペ形式」でも発注が可能です。1万円の予算で平均30ほどの提案を集めることができるため、コストを抑えて好みのイラスをを選べる点がメリットです。
▶クラウドワークスのイラストコンペで採用された作品を見てみる
イラストの二次使用を希望する際は、システム上(あるいは別途書面)で、二次使用の料金や範囲、完全譲渡の料金や期限などについて相談・合意ができます。イラストの受発注に関する規約が用意されており、過去の発注事例・二次使用例なども参照できるため、安心して発注することができます。
(※)クラウドソーシングサービスとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのこと