商品名やサービス名、ブランド名を決める際に、「決め方がわからない」「アイデアが浮かばない」「決めるまでに時間がかかる」といった悩みも少なくないでしょう。そこで今回は、ブランド名の決め方やネーミングの成功事例、ブランド名を決める際に役立つツール、AIを活用する方法、おすすめの外注先などをまとめて紹介します。
目次
ブランド名の重要性や注意点

はじめに、ブランド名が重要な理由や、ブランド名に関する注意点を簡単に紹介します。
ブランド名を決める目的
ブランド名を決める目的は、ブランドの名前をしっかりと記憶してもらい、ブランドに関するプラスのイメージを想起させることです。優れたブランド名をつけるとユーザーから認知されやすくなり、SNSや口コミの拡散でより多くの人が興味・関心を持つきっかけにもなります。
なお、ECサイトなどのオンラインで商品を販売するブランドはとくに、検索しやすさ・覚えやすさを意識したネーミングにするとよいでしょう。消費者が商品・サービスを検索する際に、自社サイトや商品の販売ページにたどり着きやすくなり、集客力が高まるためです。
優れたブランド名の法則
優れたブランド名には、以下のような3つの法則があります。
①アルファベット表記で5~10文字以内
②硬音(B・G・K・P・Zなどの文字)が含まれる
③同じ文字が2回以上使われている
例えば、BURBERRY(バーバリー)、Google(グーグル)、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)といった有名ブランドなどは①~③の法則にすべて当てはまり、短く・発音しやすく・覚えやすいネーミングにしています。
ブランド名を決める際の注意
ブランド名を決める際は、著作権・商標権を侵害していないか、海外でも使える名称なのかをあらかじめ確認しましょう。オリジナルのブランド名であっても、すでに類似したブランドがあったり、同じ発音の言葉が海外では悪い意味になったりなど、想定外のトラブルにつながる可能性があるためです。
また、特許庁が「商標制度の概要」を定めているとおり、ブランド名には使用できない文字・符号がある(法律で禁止されている場合もある)ことにも注意しましょう。
ブランド名・会社名のネーミングルールや注意点などについては、以下のページでも紹介しています。
関連記事:会社名の決め方早わかり!ネーミングのルールやポイント、注意点は?
ブランド名の決め方

次に、効果的なブランド名の決め方をいくつか紹介します。
複数の言葉を連結させる
ブランド名を決める際によく使われるのが、複数の言葉を連結させる方法です。企業や商品の特徴、個性などのキーワードを組み合わせてネーミングします。
【ブランド名の例】
・ブレス(息)とケア(手入れ)を組み合わせた「ブレスケア」
・タフ(強い)とヒューマン(人)を組み合わせた、栄養ドリンクの「タフマン」
キーワードや類語などを抽出し、同時に英語のワードも洗い出すとより候補が広がるでしょう。端的な表現で、語感が強く響きの良い組み合わせにするのがコツです。
また、商品・サービスの機能やアピールポイントなどのキーワードを連結させる方法もあります。一部を省略したり、複数のワードの頭文字だけをつなげたりするケースが一般的です。
【ブランド名の例】
・恵み+ミルクを連結させた「メグミルク」
・爽やかに、健やかに、美しくの頭文字をとった「爽健美茶」
キーワードのインパクトが薄い、語感が悪い、発音しづらいといった場合に効果的で、ブランドのイメージとかけ離れない程度に変化させることがコツです。
他言語(英語など)へ置換する
あえて英語などの他言語へ置換する方法も効果的です。スペルが難しいと読めなかったり、検索しづらかったりするため、シンプルなネーミングが好まれる傾向にあります。
【ブランド名の例】
・口の奥まで届くという特徴を英語にした、歯ブラシ製品の「リーチ」
・ラテン語で雪の白さを意味する、スキンクリームの「ニベア」
ブランド名の発音(海外での読み方、略称の場合での読み方など)を意識しつつ、ブランドの意味・雰囲気・イメージが伝わるように他言語へ置換しましょう。
ダジャレやオノマトペを使う
ダジャレ、オノマトペ(擬音語・擬態語)を使い、ブランド名を覚えてもらう方法もあります。一度聞くだけで記憶に残り、商品が連想できるようなネーミングにすると効果的です。
【ブランド名の例】
・おなかの張りやおならを抑える「ガスピタン」
・階段用滑り止めの「スベラーズ」
そのほか、「ゴキブリホイホイ」のように言葉の響きや面白さ、インパクトを重視し、印象的なネーミングに仕上げることもあります。
ブランドを擬人化する
ブランド名・商品名を人の名前のようにしたり、敬称(〇〇ちゃん・〇〇くん・〇〇さんなど)をつけたりして擬人化する方法もあります。
【ブランド名の例】
・商品名を擬人化した、漬物の「きゅうりのキューちゃん」
・オノマトペ+擬人化を組み合わせた、氷菓の「ガリガリ君」
擬人化することで、商品やブランドに愛着を持つファンを獲得できるため、CMなどで流す特徴的なメロディーと合わせてブランド名を覚えてもらう事例もあります。
ブランド名の決定・変更における成功事例
発売当初は「缶煎茶(かんせんちゃ)」という名前で販売されていた伊藤園の緑茶飲料を「お~いお茶」と改名したところ、約6倍の売上になりました。わかりやすく印象的な名前に変えたことでイメージが変わって親近感がわき、消費者の購買意欲を後押しした良い例です。
また、以前は「フレッシュライフ」という名前をつけて販売していた靴下を「通勤快足」と改名したところ、約15倍の売上アップにつながった事例もあります。商品の特徴だけでなくターゲットもすぐにわかるネーミングであるため、サラリーマンを中心に爆発的なヒットとなったのです。長く記憶に残るようにとの考えから、「快速」と「快足」をかけた表記にしています。
なお、ブランドの認知度や売上を上げるためには、ロゴのデザインも重要です。ロゴデザインの作り方や費用相場については、以下のページで詳しく紹介しています。
関連記事:ロゴ作成・ロゴデザインの費用相場!有名企業はいくらかけてる?
ブランド名の決定時に役立つツール

続いて、ブランド名を決める際に役立つツールを紹介します。
nomyne(ノミネ)
「nomyne」は、ブランド名がすでに権利化されていないかどうかのチェックや、ブランド力に関する調査を無料で行い、商標登録までサポートしてくれるツールです。キーワード型検索エンジンでは見つけられない名前の類似も検索できる点が特徴です。
Panabee(パナビー)
「Panabee」はドメイン名の自動検索ツールですが、商号や屋号、商品、サービスなどの一般的なネーミングにも活用できます。任意のワードを入力して検索ボタンをクリックすると、利用可能なドメイン名が表示されます。また、2種類のワードを入力して検索するとドメイン名のアイデアが表示されるため、ネーミングの参考にもなります。
なお、日本のドメインである「.co.jp」だけではなく、co.us(アメリカ)、co.uk(イギリス)、co.in(インド)など、各国で利用できるものも確認できるため、世界で通用するネーミング考案の一助となります。
ネーミング辞典
「ネーミング辞典」は、入力した任意のワードを英語やドイツ語、アラビア語、中国語など12カ国語に変換してくれるサービスです。例えば、「海」と入力して検索すると、各国の単語・読み方が表示されるため、スペルや発音・音の響きを活かしたネーミングも可能になります。
AIでブランド名をつけるには
ブランド名をつける際に、生成AIを活用する方法もあります。
そもそもAI(生成AI)とは?
生成AIとは、学習したデータをもとにさまざまな形式のコンテンツ(テキスト・画像・音楽・プログラミングのコードなど)を生成できる技術のことです。
生成AIを導入すると、ネーミングなどのコンテンツの生成やデータ分析などにかかる工程を自動化でき、作業にかかる時間やコストを削減できるため、さまざまなビジネスシーンで導入されています。
AIが注目される理由
生成AIに大量のデータを学習させると、それらのデータをもとに新しいデータを生成できるという点がポイントです。これにより、既存データの模倣だけでなく、オリジナルのデザインやアイデアを生み出せるため、クリエイティブな業務領域でも注目されています。
また、AIは顧客のニーズを学習し、需要にマッチした製品・サービスを提案することも可能なので、顧客満足度を向上させる目的で導入している企業もあります。
AIを導入した事例
AIは、ネーミング以外にもさまざまなビジネスシーンへ導入されています。
例えば、広告業界ではターゲット層に合わせたキャッチコピーの自動生成により、キャンペーンの効果が大幅に向上した事例があります。
また、ファッション業界では、生成AIで新たなデザインの提案やトレンドの予測を行い、市場のニーズに迅速に応えることで競争優位性を確保しています。
AIでブランド名をつけるメリット・デメリット
AIでブランド名をつけると、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
AIでブランド名をつけるメリットは、大量のネーミングを短期間で生成できることです。商品・サービスの特徴や、ターゲット層などのキーワードを入力すれば、ネーミングで使えるアイデアを得ることができ、複数の候補から絞り込むといった使い方が可能です。
また、自分では思いつかないアイデアを得られることもメリットになります。言語やクリエイティブに関するアルゴリズムによって、新しい単語の組み合わせなどを自動生成し、人間の思考パターンにはないような独創的なアイデアを生み出すことができます。
デメリット
AIでブランド名を生成できるツールは、専門のネーミングAIではなく、自然言語処理を用いたサービスの一部として使われています。そのため、高度な設定には対応できず、インターネット上にあるような平凡なネーミングが生成される場合があることがデメリットです。
また、AIはデータをもとにネーミングを生成するため、既存のブランドと類似した名前を生成してしまうなど、著作権・商標権を侵害する可能性があるので注意しましょう。
ブランド名を生成できるAIツール
最後に、ブランド名を生成できるAIツールをいくつか紹介します。
名前メーカー
「名前メーカー」は、ユニークな名前とロゴを生成できるツールです。キーワードを入力すると、AIと機械学習のアルゴリズムによってデータを分析し、クリエイティブで意味のあるブランド名とロゴをセットで提案してくれます。
また、気に入ったブランド名・ロゴをテンプレートとして使い、テキストやレイアウトなどを編集する機能も搭載されています。
KANSEI – Naming generator
「KANSEI – Naming generator」は、特定の条件をもとにネーミングの候補を生成するツールです。商品カテゴリやキーワードを指定したり、「明るい・暗い」「シャープな・マイルドな」「固い・柔らかい」などの印象値を設定したりなど、ネーミングの細かい調整ができるため、ブランドのイメージに合うアイデアを効率的に集めることができます。
ChatGPT
「ChatGPT」は、チャットによる対話型のAIサービスです。ChatGPTに質問する形式でネーミングを依頼すれば、短時間で多くのアイデアを生成してくれます。シンプルな質問には一般的な回答しか得られませんが、使い方によっては精度の高いネーミングも可能です。
ChatGPTの使い方や活用事例、生成した文章を使う際の注意点などについては、以下のページを参考にしてください。
関連記事:ChatGPTとは?日本語での使い方やPC・スマホでの始め方をやさしく解説
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