マーケティングに関わる仕事をしていると、「ペルソナ」という言葉をよく耳にするでしょう。ペルソナはターゲティングに関連した言葉です。ペルソナを設定することで、商品を購入してもらうためにとるべき戦略が明確になります。今回はペルソナの作り方や注意点について紹介します。
目次
マーケティングで重要なペルソナとは?
ペルソナとは、一言で言うと、ターゲットの中でも最もコアとなる人物像を想定して、その人物の思考や行動などを設定することです。性別、年齢、居住地、職業、趣味、家族構成などの基本情報に加え、ライフスタイルや休日の行動、考え方など、本当に実在しそうだと思えるレベルまで細かく設定することがポイントです。
ペルソナを設定するメリットとは?
ペルソナという言葉の意味は理解できたと思いますが、ではどのようにマーケティングに活かしていけば良いのでしょうか?ここではペルソナを設定して活用していくことのメリットを3つ紹介します。
関係者の中で認識が共有できる
ターゲット設定でよくある「40代男性・既婚・子持ち」などのプロファイルですが、一言で「40代男性・既婚・子持ち」と言ってもさまざまです。議論を重ねた社内外の関係者の間でも、同じ認識を持てているとは限りません。「こういう人いるよね」と皆が同じ人物を想定できることにより、それぞれが精度の高い戦略を考えられるようになります。
ピンポイントにアプローチできる
先ほどの「40代男性・既婚・子持ち」を例に挙げると、ターゲティングの際に狙うべき大きな母体としてこのように表現するのは良いですが、ペルソナを作ることによってよりピンポイントにアプローチできます。ターゲットが広いままだと、多くの人が「良いね」とは思うものの誰の心にも深く刺さらない、というぼやけた施策になってしまいます。
客観的に判断できる
ペルソナを設定することによって「私ならこうする」「こう思う」といった主観を排除できるようになります。マーケティングでは、主語は自分ではなく、ターゲットの立場に立って考えることが重要です。どうしたらWEBサイトに訪問してくれるのか、何を経由して商品を買ってくれるのかなど、ペルソナの視点を通して客観的に判断することが可能です。
ペルソナの作り方は?
ペルソナはどのように設定していけば良いのでしょうか?設定のポイントは「架空ではあるけれど、本当に実在する人物のように詳細を設定する」ことです。ここでは、ペルソナの作り方を4つのステップに分けて紹介します。
質問をフォーマット化する
ペルソナを実際に設定していく前に、まずはデータ収集を行っておきましょう。「本当に実在しそう」ということが重要になるため、架空ではあるけれど実在する人のデータを参考にすることがポイントです。ペルソナを作る際はこのような事実をベースに進めていかないと、自社に都合の良い独りよがりのペルソナができあがってしまい、機能しなくなる恐れがあります。
ペルソナ作成のための調査を行う
ペルソナを設定する際に重要なことは、このリストにあるような項目を実際のターゲットから収集していくことです。調査の方法は、インタビューなどの深掘りができる定性調査と、アンケート調査など短期間で一定数の収集が可能な定量調査を組み合わせて行います。
詳細にペルソナを設定する
調査データを元にペルソナを作っていきます。上のリストで挙げた項目を参考にして、詳しく設定していきましょう。実際に収集した生の声を参考にしつつ、その行動や嗜好の背景にある考え方を本質的に捉えることで、より深い消費者理解ができ、消費者自身も気付いていないインサイト開発にもつながります。
ストーリー性をもたす
詳細を設定できたら、ペルソナの人生や日常生活が目に浮かぶようなストーリー性を持たせましょう。基本属性だけではイメージできない、日常の行動や会社での立ち位置、仕事のスケジュール、休日の過ごし方などを設定していきます。そのストーリーの上に、購買行動やメディア接触など自社の施策に関わることを付け加えましょう。
ペルソナを作る際の注意点は?
ペルソナの作り方が理解できたら実際に設定していきますが、いくつか気をつけたいポイントが存在します。例えば、ある個人ではなく、会社をターゲットとするBtoBの場合です。陥ってしまいがちな注意点を紹介します。
btobの場合は作成方法が異なる
会社をターゲットとしたBtoBの場合は、個人のペルソナを作る前に会社のペルソナを設定しましょう。個人の場合で挙げた基本属性は、会社の名前・規模・業種などに置き換えて考えていきます。パーソナリティとしては、企業文化や決裁プロセス、働く社員の考え方などを設定します。さらに、BtoBの場合は担当者・使用者・決裁者がそれぞれ違う場合が多いので注意しましょう。
特定の人物になるまで絞り込む
ペルソナを設定する際に、抽象的な部分を残さないようにしましょう。例えば「お酒を飲むことが好き」という表現は多くの人に共通して言えることです。このままではなく、誰とどこで飲むことが多いのか、どのようなシチュエーションなのかなど、特定の人物になるまで絞り込んでいきましょう。
根拠を持って特徴を設定する
根拠を持って詳細を設定することは時間と労力がかかることですが、人物像を明らかにしていくうえでは重要なプロセスです。調査で明確にできなかった部分は追加でヒアリングをかけるなど、あくまでも事実や根拠に基づくようにして設定していきましょう。想像で決めると自社に都合の良いペルソナになり効果が薄れます。
一度作ったら終わりではない
トレンドの変化によって私たちの興味関心が変わっていくように、一度作ったペルソナも後から見直しを行い、必要があれば改定していくことが重要です。実際の施策の効果検証から肉付けしていくことも良いでしょう。
関連記事:マーケティングでペルソナ設定は必要?意味やメリット、作り方を解説
まとめ
今回はペルソナについて、言葉の意味や作り方、実際に設定していくうえでの注意点を紹介しました。調査をしてデータを集めたり、細かく設定したりする点では難しいと感じるかもしれませんが、ターゲットの精度が施策の成功確率を上げることにつながるでしょう。今回の記事を参考にペルソナ設定に挑戦してみてください。