
飲食店にとって、店の魅力やメニューを伝えるPOP(ポップ)はとても重要なアイテムです。飲食店のPOPは、大きく分けて「店前POP」と「店内POP」の2種類がありますが、それぞれどのような役割を果たすのでしょうか。POP作成の理由や作るときのコツについて解説します。
目次
飲食店の店前POPの役割
まずは、店の前に設置するPOPについてご紹介します。
店の存在や商品に興味を持ってもらう
路面店であれば店の前や、地下に店があれば地下への入口などに設置する「店前POP」は、通行者に店の存在を知らせて、店やメニューに興味を持ってもらうための重要なツールです。
歩いている人を立ち止まらせて店に誘引するには、ひと目で興味が湧くインパクトや、一瞬で店やメニューの魅力を伝える工夫が必要です。たとえば「ランチ全品500円!」「激ウマラーメン替え玉無料」など、端的でわかりやすいコピーや目を引くデザインで伝えます。
看板デザインのコツはPOP制作時に役立ちます。あわせてご確認ください。
関連記事:飲食店の看板デザインのコツとは?集客や売上アップにつなげるには?
飲食店の店内のPOPの役割
次に、「店内POP」には、どのような役割があるのでしょうか。
店のおすすめメニューを知らせる
店内POPの重要な役割は、利用者におすすめするメニューを知らせることです。店の人気メニューや今しか食べられない季節商品、単品注文よりは割安になるセットメニューなどを紹介すると、顧客の満足度が上がってリピートにもつながります。また、粗利率が高いものを訴求して利益率改善につなげるなど、戦略的な活用も可能です。
飲食店の原価率の計算方法などはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:飲食店の原価率はどのくらいが適正?計算方法をわかりやすく解説!
追加注文を引き出す
たとえば、食後のデザートを紹介するPOPを置く場合、食事後の追加注文が期待できて客単価を上げることにもつながります。また、食事をした人限定でドリンクの追加注文が通常よりも安くなるPOPも効果があります。このようなPOPは店内でも特に卓上に設置すると効果的です。
お得情報やキャンペーンのPR
「期間限定の割引キャンペーン」「今しか食べられないスペシャルメニュー」などが書かれたPOPは、目を引きやすく注文率が高まります。「限定」「今だけ」「ここだけ」「あなただけ」「おトク」などに惹かれる人は多いため、新規客が注文を迷ったときにも選びやすくなります。
イベントやキャンペーンを集客に利用するアイデアをまとめています。
関連記事:飲食店の集客方法とは?客数を増やすには何をするべきか徹底解説!
会員登録を促す
固定客を増やすためにも店の会員登録を促すことは重要です。「新規会員登録でドリンク1杯無料」「LINEお友達追加でお得情報発信」など、その場ですぐに得になる情報や特典をPRするPOPがあると、登録を促すことができます。
飲食店の効果的な卓上POPとは
店内POPの中でも、利用者が席に着いてから目にする「卓上POP」は、メニューを決めかねている場合や追加注文を促す場合に重要な役割を果たします。では、顧客の注文を後押しするためにはどのように作るとより効果的でしょうか。
キャッチコピーを入れる
「当店一番の人気商品」「雑誌で紹介されました!」などの話題性を伝えるコピーや、「もちもちふわふわ」「悶絶激辛」など味の特徴を具体化する言葉のキャッチコピーがあると、食べてみたい気持ちが高まります。
写真を入れてイメージしやすくする
飲食物は視覚のおいしさも重要なので、きれいな写真やイラストなどをPOPに掲載します。文字情報だけよりも、実際の写真やイラストを見たほうがメニューをイメージしやすく注文につながります。使う写真はシズル感を重視しておいしそうに映っているものを選び、おすすめメニューは特に大きな写真を使いましょう。
また、メニューによっては料理単品の写真だけではなく、テーブルセットされたようなイメージカットも使用するようにします。写真を効果的に見せるためにも、使うフォントやカラーなど、商品や季節に合ったデザインを施すと効果的です。
価格や特徴等具体的な情報を入れる
メニューの見た目や特徴などがわかったとしても、価格が見合わなければ注文にはつながりません。卓上POPにはキャッチコピー・写真と共に必ず価格も入れるようにして、改めてグランドメニューで確認しなくてもすぐに判断できるように作りましょう。
また、席についてしっかりと見ることができるよう、より具体的な商品の情報も入れるようにします。「地産地消にこだわった逸品」「北海道直送 海の幸・山の幸」「焼きたて30分以内しか出しません!」など、素材や製法のこだわりのような付加価値を高める要素も大切です。
ほかにも、アレルギー品目の表記や、外国人観光客が多い店では多国語で記載するなど、顧客目線のPOP作成を心がけましょう。
手書きPOPも活用する
卓上POPの書体やデザインは、パソコンなどで作ったものよりも、たとえば「店長の本日のおすすめ」など、店長直筆の手書きのほうがリアリティを感じやすくなります。
書店の担当店員による手書きの書評のほうが、有名人のレコメンドよりも参考にしたくなることもその一例です。書籍に加えCDや雑貨類も販売する「ビレッジバンガード」は、店内POPを店員が手書きしていることで知られていますが、店員によるPOPの言葉の感性が話題になることもあります。手書きの言葉には親しみや共感を生む効果があるため、手書きPOPも効果的に活用しましょう。
まとめ
飲食店のPOPは、店への誘引を促す「店前POP」と、注文や会員登録の促進・情報提供を行う「店内POP」がありますが、いずれも店やメニューの魅力を伝える重要なツールです。それに加え、売上や利益改善につなげる戦略的な活用もできます。紹介した作り方のコツなどを参考に、ぜひ効果的な活用を試してみてください。