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公開日: 2023.06.08 / 最終更新日: 2024.01.04

Googleアナリティクス360の料金や機能とは?無料版との違いや使い方

Google Analytics(グーグル アナリティクス)は、基本的に無料で利用できますが、有料の機能や関連サービスも用意されています。どのようなデータを収集・分析したいかによって必要な機能が異なるため、概要をきちんと理解し、自社コンテンツの改善に活用しましょう。今回は、Googleアナリティクスでできることや無料版・有料版の違い、Googleアナリティクス360の使い方、各種ツールの料金体系などを紹介します。

Googleアナリティクスでできること 

Googleアナリティクスでできることは?Googleアナリティクスは、Googleが提供する「Webサイトのアクセス解析ツール」です。無料で使える機能も多いため、幅広い企業・個人がコンテンツ改善やWebマーケティングに活用しています。Googleアナリティクスの機能やできることは多岐に渡りますが、アクセス解析の結果を以下のようなレポートで確認できます。

①リアルタイムレポート
②ユーザー属性
③コンバージョン
④集客レポート
⑤行動レポート

では、それぞれのレポートについて以下で紹介します。Googleアナリティクスの導入方法や初期設定のやり方は、以下のページを参考にしてください。
関連記事:Googleアナリティクスとは?使い方や導入方法・初期設定のやり方を解説

①リアルタイムレポート

リアルタイムレポートでは、「現在、自社サイトを何人のユーザーが閲覧しているか」「どのページを見ているか」といった、ユーザーの行動データをリアルタイムで確認できます。PR活動(広告出稿・メール配信など)の直後のユーザーの反応を把握できるため、マーケティング施策の効果測定で活用されています。
また、Webサイトだけでなく、アプリと連携してアクセス解析を行えるため、SNS(Instagram・Twitter(X)など)の投稿後に、ユーザーの関心が高いか・反響があるかをすぐに確認し、SNS運用方法の改善につなげることも可能です。

②ユーザー属性

ユーザー属性のレポートでは、自社サイトを閲覧しているユーザーの属性データ(年齢・性別・職種など)を把握できます。オンライン上での購買行動から、興味・関心があるカテゴリの情報まで収集できるため、自社の商品・サービスをどの層に向けてアピールすればいいかを判断する材料とすることができます。
また、属性データをもとにターゲット層を設定したり、購買意欲の高い層に向けて広告配信を行うといった活用方法もあります。

③コンバージョン

コンバージョン(CV)のレポートでは、コンバージョン(商品購入・サービス契約など)の達成状況を確認できます。例えば、ECサイトの場合は「商品の売上」、サービスを紹介するサイトの場合は「資料請求の数」など、あらかじめ達成したい目標を設定します。
コンバージョンの目標を設定すれば、Googleアナリティクスが収集したデータをもとに、コンバージョンに至ったセッション数の推移などをチェックすることができます。

④集客レポート

集客レポートでは、自社サイトに訪問したユーザーのアクセス経路を確認できます。ユーザーのアクセス経路のデータを分析すれば、効果的な広告の選定やサイト設計に活用でき、どのアクセス経路の集客力を強化すべきかを判断する材料になるでしょう。
アクセス経路は以下のような種類があり、アクセス経路ごとにコンバージョンに至ったかどうか、アクセスにどれくらい時間がかかったかなどのデータを収集することも可能です。

【Organic Search/自然検索】
・Googleなどの検索エンジンで検索し、そこから流入したアクセス

【Social】
・ソーシャルメディア(Instagram・Twitter(X)・Facebookなど)から流入したアクセス

【Display】
・バナー広告をクリックし、流入したアクセス

⑤行動レポート

行動レポートでは、閲覧したページ数・ページ別の訪問者数・ページの滞在時間など、ユーザーがサイト内でどのような行動をしたかを数値で確認できます。とくに重要とされるのは、ページを閲覧してすぐに離脱したユーザーの割合を表す「直帰率」です。
直帰率の高いページは、ユーザーの満足度が低い(=読みにくい・ページの表示速度が遅いなどの問題がある)可能性があるため、サイト設計やコンテンツの改善が必要だと判断できます。

Googleアナリティクス360でできること

Googleアナリティクス360とは?できることは?Googleアナリティクス360は、Googleアナリティクスの有料版です。使える機能やデータ処理量が増えるため、大規模なサイト分析を行う際に適しています。ここでは、Googleアナリティクス360でできることを紹介します。

①実数値の非サンプリングレポートの出力

サンプリングとは、データ全体から必要な情報を得るために、データの一部をサンプルとして抽出することです。非サンプリングレポートは膨大な処理容量はかかりますが、レポートの精度が高くなります。
無料版は50万セッション以上、有料版では1億セッション以上でサンプリングが実行されるため、有料版のほうが実数値に近いレポートを作成可能です。

②大規模なデータ処理

Googleアナリティクス360はヒット数の上限が多く、大規模なデータ処理を行えます。無料版は1カ月あたり1,000万ヒットが上限で、超過した分は正常に処理されないケースがあるため、アクセス数の多いWebサイトの場合は注意が必要です。
有料版は1カ月あたりの上限が20億ヒットまで保証されているため、より正確なデータ分析が行えます。

③カスタムディメンションの増加

カスタムディメンションは、新しい分析軸を追加する機能です。あらかじめ用意されている分析軸(会員・非会員、購入回数など)だけでなく、収集したいデータに合わせて必要な分析軸を作成できます。
無料版は20個まで、有料版では200個まで分析軸を追加できるため、独自の基準でデータを収集し、深掘りして分析することが可能です。

④短時間でのリアルタイムデータの反映

Googleアナリティクス360は、アクティビティ(サイト訪問者数・閲覧ページ・コンバージョンなど)のリアルタイムデータを短時間で反映することが可能です。無料版の場合、収集したデータが反映されるまでに24時間程度かかりますが、有料版は4時間以内の更新が保証されています。
通常であれば1時間以内に反映されるため、アクティビティのリアルタイムデータをもとに現状を把握・分析し、より早くコンテンツ改善につなげられます。

⑤BigQueryへのデータのエクスポート

BigQueryは、大規模データを短時間で処理できる「クラウドデータウェアハウス」です。BigQueryを利用すれば、Googleアナリティクス360のデータと関連データを連携(統合)できるため、総合的なマーケティング施策を行えます。
例えば、自社の店舗データ・顧客管理システムのデータをエクスポートし、Googleアナリティクス360のデータと連携すれば、ECサイトから実店舗までのすべての顧客データなどを可視化することができます。

⑥他サービスとの連携

無料版では、Google Search Consoleなどのサービスと連携できます。有料版では、ほかの多くのサービス(Google検索広告360・Googleディスプレイ&ビデオ360など)とも連携可能です。
他サービスと併用すれば、必要なレポートを連携したり、広告運用を効率化できる機能を活用したりなど、マーケティング施策の幅が広がるでしょう。

Googleアナリティクスの無料版・有料版の違い(料金・機能など)

Googleアナリティクスの無料版・有料版の違い(料金・機能など)Googleアナリティクスは、無料版でもアクセス解析を行うために十分な機能を利用できます。ただし、有料版(360)はデータ処理量やヒット数の上限、更新頻度などが格段に上がるため、より高度な機能・スペックを用いて分析できます。Googleアナリティクスの無料版・有料版(360)の主な違いは、以下のとおりです。

料金・機能・条件など

無料版

有料版(360)

非サンプリングの範囲

50万ヒット

1億ヒット

ヒット数の上限

月間1,000万ヒット

月間20億ヒット

カスタムディメンションの追加

20個まで

200個まで

更新頻度

24時間(保証なし)

4時間以内(保証あり)

利用料金

無料

年間130万円(※)

(※)GA360の利用料金は、月間10億ヒットまでは年間130万円が目安です。

上記のほか、無料版・有料版ではサポート体制が異なります。無料版はセルフサービス(ヘルプセンター・コミュニティフォーラムなど)のサポートがありますが、有人サポートは用意されていません。
有料版では、有人サポート(カスタマーセンター・導入設定サポート・教育トレーニングなど)が充実しています。有料版は担当者に問い合わせを行えば、自分で調べる手間や時間を削減できるため、アクセス解析などの業務にリソースを集中できます。

Googleアナリティクス360の料金体系について

Googleアナリティクス360の料金体系はやや複雑で、契約内容や利用状況によって変動します。具体的には、以下のような要件が定められています。

【基本料金】
・月間ヒット数に応じて、設定したTier(テーブル)ごとに月額料金が発生する

【最低ランクのTierの場合】
・最低ランクでも月間5億ヒットまでカバーされる(料金は年間固定)

【最低ランクのTierで月間5億ヒットを超えた場合】
・ヒット数の段階ごとに料金が設定されている

【Tierが年間固定の場合】
・契約時に選択したTierに応じた料金(年間契約)

【Tierに設定したヒット数を超えた場合】
・ヒット数を超えた分の超過料金が発生する

なお、新バージョンのGoogleアナリティクス4(GA4)には、2023年7月1日から移行が開始されていますす。以下のような料金体系が予定されているため、最新情報を確認してください。

イベント数/1か月あたり

料金

1~2,500万件

基本料金(月額固定)

2,500万件~

超過料金(月額変動)

Googleアナリティクス360の使い方

Googleアナリティクス360の使い方ここでは、Googleアナリティクス360の使い方をいくつか紹介します。

高精度のデータ分析

Googleアナリティクス360は、非サンプリングレポート(推定値のかからないデータ)の閲覧・抽出が可能です。非サンプリングレポートであれば、よりリアルな数値に近いデータを取得できるため、正確なデータ分析を行えます。

ビッグデータの処理・解析

Googleアナリティクス360のデータをBigQueryにエクスポートすることで、膨大なデータの処理・分析が可能です。BigQueryのデータは日付ごとにテーブル化されるので管理しやすく、過去のデータ(連携前のデータ)をBigQueryに転送することもできます。

LTV分析データの活用

Googleアナリティクス360と統計解析ツールを連携すれば、LTV(※)を算出できます。これにより、購買意欲の高いユーザーへのマーケティング施策の実行・改善ができるため、ユーザーの満足度向上や収益率アップにつながります。

※LTV(Life Time Value)は、ユーザーが自社のサービスなどを利用している場合に、利用開始~利用終了の期間において、そのユーザーから自社がどれくらい利益を得られるかを表した指標のこと

Firebase Analyticsとの併用

Firebase Analytics(※)を併用すれば、Googleアナリティクス360のアカウント管理画面で、Webサイト・アプリの分析レポートをまとめて確認できます。複数メディアのアクセス解析を行いたい場合、管理画面を切り替える手間がなく、スムーズに分析作業を行えます。

(※)Firebase Analyticsは、モバイルアプリに特化したアクセス解析ツールで、ユーザーのアプリの利用状況や行動データなどを取得できます。

Google Marketing Platformとは?ツールの種類と料金は?

Google Marketing Platformとは?ツールの種類と料金は?Google Marketing Platformは、Webマーケティングに必要な機能をまとめて利用できるようにパッケージ化したサービスです。Googleアナリティクス360を含めて7種類のツールがあり、単体で契約することもできます。ここでは、各ツールの特徴や料金体系を紹介します。

※各ツールは無料版・有料版があります。有料版の料金は利用状況によって異なるため、問い合わせを行って見積もりを確認する必要があります。

Looker Studio(ルッカースタジオ) 

Looker Studioは、大量のデータを分析・加工できるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。Googleアナリティクスで集めたデータを分析し、チャートやグラフ、表を用いてレポートを作成できます。グラフなどのサイズ・形をカスタマイズできるため、売上予測のシュミレーションや資料作成などで役立つでしょう。
Googleアカウントを持っている場合は、基本的に無料で利用でき、有料版(Looker Studio Pro)も用意されています。

※Looker Studioの旧名称は、「Googleデータポータル」です。

Googleオプティマイズ360

Googleオプティマイズ360は、A/Bテストや多変量テスト(MVT)などの高度なテストを行えるツールです。Webコンテンツを改善するために、PDCAサイクルでテストを繰り返し行う場合などに活用できます。
なお、Googleオプティマイズ360は、2023年9月30日でサポートが終了しています。その他最新の情報については、公式ページをご確認ください。

Googleサーベイ360

Googleサーベイ360は、オンラインのアンケート調査を行えるツールです。無料版は、調査対象の年齢・性別・地域を指定でき、有料版では対象とするユーザーリストや郵便番号まで指定することができます。20カ国以上の地域を指定できるため、国内だけでなく、海外の市場調査のアンケートを実施したい場合に活用されるケースもあります。
Googleサーベイ360の利用料金は、アンケートの質問数や有効回答率などによって変わりますが、アンケートの最低料金は1回答あたり3ドル(あるいは現地通貨の相当額)です。

Googleタグマネージャー360

Googleタグマネージャー360は、アクセス解析のためのタグ(計測タグ・広告タグなど)を管理する機能です。無料版でも十分な機能を利用できますが、有料版は同時進行で作業できるワークスペースの人数の上限がなくなるため、大規模なWebサイトを運用する場合に適しています。
タグ管理を行う場合、HTMLを編集してタグを貼り付ける作業が必要ですが、タグマネージャーを利用すれば、HTMLの編集が不要で管理画面からタグ管理を行えます。

Google検索広告360

Google検索広告360は、広告の出稿・掲載・分析などを効率的に管理できる検索管理プラットフォームです。Google検索広告360を導入すると、検索エンジンごとに広告やキーワードを管理する手間がなくなり、広告掲載の効果を分析したレポートや高度な自動入札などの機能を利用できます。
これにより、複数の検索エンジンやメディアチャネルで広告運用を行う場合でも、Webマーケティングを一括管理して効率的に効果測定・改善を実行できます。

※Google検索広告360の旧名称は、「DoubleClick Search」です。

Google広告の掲載費用やクリック単価の相場、課金方式などについては、以下のページを参考にしてください。
関連記事:Google AdWords(Google広告)の費用相場・課金方式をご紹介

Googleディスプレイ&ビデオ360

Googleディスプレイ&ビデオ360は、広告効果の最大化を支援するDSP(デマンドサイドプラットフォーム)です。Googleディスプレイ&ビデオ360を利用すると、国内の主要なSSP(Supply Side Platform)にアクセスでき、広告枠の買い付け・入札単価の調整などを行ってくれます。
また、多くのメディアに広告を出稿できることが利点で、他のDSPでは基本的に対応していない「YouTube」にアクセスすることも可能です。

※Googleディスプレイ&ビデオ360の旧名称は、「DoubleClick Bid Manager」です。

Google Marketing Platformの費用相場

Google Marketing Platformの費用相場Google Marketing Platformの費用は公表されておらず、利用するツールの数や契約内容などによって異なります。すでに紹介したとおり、Googleアナリティクス360を単体で利用する場合、月間10億ヒットまでは年間130万円が目安料金です。ヒット数が10億を超えるようなWebサイトの場合は、ヒット数に応じて段階的に料金が設定されます。
一般的に、アクセス解析ツールにかける費用は広告予算の10%以内とされているため、広告予算が月額1,300万円以上の企業の場合は有料版(360)の導入を検討しましょう。

Googleアナリティクスを使ったお仕事・案件を探すなら「クラウドワークス」へ

Googleアナリティクス関連の仕事を外注したい場合、クラウドソーシングサービス(※)を利用すれば、さまざまなスキルを持つ人材を探すことができます。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」には、WebマーケターやECコンサルタント、SEO対策やWeb集客に詳しい人材などが多数登録しています。

【クラウドワークスで発注されたGoogleアナリティクス関連の案件例】
・Webマーケティングの企画書・提案書の作成:時給1,200~2,500円
・Googleアナリティクスの導入やアクセス解析の代行作業:時給2,000~3,000円
・Looker StudioによるGA4のアクセス解析レポートのテンプレート作成:1~5万円

クラウドワークスで発注されているGoogleアナリティクス関連の仕事・案件の一覧を見てみる

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まとめ

Googleアナリティクスは有料バージョンや関連サービスも用意されていますが、基本的には無料で利用できるツールです。まずはGoogleアナリティクスを無料で導入し、不足するデータや使いたい機能があった場合は、有料版(360)にグレードアップするか、他ツールとの併用を検討しましょう。また、Googleアナリティクスに詳しい人材を探し、データ分析やレポート作成、ツール・関連サービスの導入代行などを外注するという選択肢もあります。Googleアナリティクスの導入とあわせて、アクセス解析などの業務を社内で対応するか・外注するかを検討されてはいかがでしょうか。

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クラウドソーシングTimes編集部
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