業務効率化
公開日: 2019.06.04 / 最終更新日: 2024.04.03

コストパフォーマンス(コスパ)とは?意味や計算方法、タイパとの違いなどをやさしく解説!

コストパフォーマンスは、「コスパが良い」のように普段から使われる言葉ですが、ビジネスシーンでも重要視されている指標のひとつです。今回は、コストパフォーマンスの意味や使い方、コスパの計算方法、「タイパ(タイムパフォーマンス)」との違い、企業のコストパフォーマンスを上げる方法などを紹介します。

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コストパフォーマンスとは?


まずは、コストパフォーマンスの基本的な知識から紹介します。

コストパフォーマンスの意味

コストパフォーマンス(コスパ)とは、支払ったコストに対して得られる価値やメリットの度合いを示す言葉です。

【コスト】
・支払った費用(あるいは費やした労力)のこと

【パフォーマンス】
・コストに対して、得られる効果・成果のこと

消費者が商品やサービスを購入するケースでは、コスパが価格に対する消費者の満足度を表す1つの指標となります。単純に商品やサービスの価格が安いことを良しとするわけではなく、数や量が期待したより多い=お得感があるときなどに「コスパが良い」と表現します。

企業活動においては、なるべく少ない費用や労力で成果を上げれば利益が増加するため、「人的コスト」に対する観点を踏まえてコスパの良し悪しに言及する場合もあります。例えば、投入した資金に対して想定を超える利益が生じたときは、「優れたコストパフォーマンスである」とみなされます。

和製英語で、省略形は「コスパ」

コストパフォーマンスは、「コスパ」や「CP」のように省略されることが多い言葉です。日常的にもよく使われる言葉ですが、和製英語(日本人が作った造語的な英語。通常日本のみで使われる)であるため、海外のビジネスシーンで使う際は注意が必要です。

「Cost Performance」でも通じないことはありませんが、一般的な単語としてはvalue(バリュー)やreasonable(リーズナブル)が近いかもしれません。コスパが良いと英語で伝える場合は、以下のように表現するとよいでしょう。

・This product has good value for the price.(この商品は値段のわりに価値が高いです)
・That’s a very reasonable price!(お買い得な価格ですね!)

ビジネス英語では「price」を「deal」などに置き換えるケースもあります。価格交渉する場合は、以下のような表現で伝えることもできます。

・I felt it was bad poor value for money.(コスパが悪いと感じました)
・Can you give me a better deal?(もっと良い取引をしてもらえますか?)

「費用対効果(対費用効果)」との違い

コストパフォーマンスと費用対効果は同義とされる場合もありますが、厳密には「コストパフォーマンス=消費者目線の指標」、「費用対効果=企業目線での指標」として意識されるという違いがあります。

コストパフォーマンス=費用対効果として扱われるケースも多いことから、シチュエーションによって柔軟に使い分けると良いでしょう。

「タイムパフォーマンス(タイパ)」との違い

タイムパフォーマンスは「時間対効果」を意味する言葉で、「コストパフォーマンスの時間版」ともいえる考え方です。かけた時間に対する満足度を表す指標で、Z世代(1990年代後半~2010年頃に生まれた世代)が特にタイパを意識する傾向にあります。少ない時間で満足度の高い経験を得るために、以下のような効率性を重視した行動をとることが特徴です。

・10~20秒に内容をまとめた「ショート動画」を視聴する
・他の作業をしながら、映画を倍速で視聴する
・参加したくない飲み会は遠慮なく断る……など

コスパは「費用に対して得られる成果」を重視しますが、タイパは「時間を浪費しないこと、限られた時間を有効活用して効率的に情報や経験を得ること」を重視するという違いがあります。

また、生産性アップを目指して効率的に業務を遂行する「タイムマネジメント」という概念もあります。タイムマネジメントについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:タイムマネジメントとは?実践のコツや使えるツールを紹介

コストパフォーマンスの使い方・使用例


続いて、コストパフォーマンスという言葉の具体的な使い方をいくつか紹介します。

「コストパフォーマンスが高い」

コストパフォーマンスが高い(良い)という表現は、支払った金額に対して期待以上の成果を得られたときに使います。例えば、お手頃な価格でバッグを購入したときに、想像よりも使い勝手が良かった・丈夫な作りだった場合などは満足感を得られるため、コスパが良いと言います。
ただし、商品やサービスのクオリティが絶対的に高いことを表すわけではなく、コストのわりにはパフォーマンスが高い(良い)という意味合いを持っています。

「コストパフォーマンスが低い」

支払った金額に対して期待どおりの性能が備わっていない場合などは、コストパフォーマンスが低い(悪い)と表現します。例えば、購入した高級バッグがすぐに壊れてしまった場合は、「ブランド物だから壊れにくいはず=長く使える」という期待があった分、満足度は下がるのでコスパが悪いという評価になるでしょう。
コスパが高い場合と同様に、商品やサービスのクオリティが絶対的に低いことを表すわけでなく、あくまで「コスト」と照らし合わせた場合にパフォーマンスが低い(悪い)ということを意味します。

「コストパフォーマンスを上げる」

コストパフォーマンスは「上げる」と表現されることもあります。消費者にとってのコスパを上げる場合、商品の価格はそのままで品質や性能を上げる、あるいは価格を下げて品質や性能を維持する、といったケースが該当します。
企業視点でみると、同じ給与の営業担当者が2人いたとして、社員Aは月1,000万円・社員Bは月500万円の売上だった場合、社員Aのほうが企業にとってのコスパが良い(給与に対して得られた成果が多い)ことになります。

コストパフォーマンスの計算・活用方法


コストパフォーマンスは計算によって割り出すことができます。日常生活では感覚的に「コスパが良い」「悪い」と捉えられますが、ビジネスの場では具体的な算出方法を覚えておくと良いでしょう。

コストパフォーマンスの算出方法

ビジネスシーンでは、コストパフォーマンスは「投資対効果」という意味合いでも使われます。この場合、コスト(投資した金額)とパフォーマンス(得られた成果・利益)を用いてコスパを算出することが可能です。
例えば、10万円の投資によって50万円の利益を得た場合、「50万円÷10万円」という計算でコスパを求めます。算出した数値そのものを単体で見て高い・低いと考察するのではなく、通常は「他の数値と比較するとき」に活用します。以下で例を紹介します。

算出したコスパの活用方法

ここでは、広告を出稿する場合を例としてコスパの数値の活用方法を紹介します。例えば、自社商品の広告で、ソーシャルメディアを使ったAプラン(100万円)と、雑誌広告を使ったBプラン(200万円)を出稿したとします。Aの宣伝効果は商品の売上が2,000万円、Bプランは3,000万円とすると、コスパは以下のように算出できます。

・Aプラン:2,000万円÷100万円=20
・Bプラン:3,000万円÷200万円=15

このように比較すると、AプランはBプランより売上は低いものの、Aプランのほうがコスパが良い(投資した金額に対して得られた売上が多い)ということがわかります。

企業のコストパフォーマンスを上げる方法


では、企業のコストパフォーマンス(費用対効果・投資対効果)を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?具体的な方法を紹介します。

社員のモチベーションを上げる

企業におけるコストの中で大きな割合を占める「人件費」ですが、社員のモチベーションを高めることで社内の生産性を向上させれば、結果的にコストパフォーマンスを上げることが可能です。
例えば、社内での表彰制度を作る、成功事例を共有する、インセンティブをつけるなど、さまざまなアプローチの方法があります。企業のコストパフォーマンスを上げるために、高いモチベーションで働けるような職場環境を整備しましょう。

そのほか、企業のコストパフォーマンスを上げるために間接費を削減する方法もあります。間接費の特徴や削減する方法などについては、以下のページを参考にしてください。

関連記事:間接費とは?直接費との違いや削減方法などを詳しく解説

IT化を進める

デジタルツールを導入して社内業務のIT化を進めることで現状の工数や労力を削減し、コストパフォーマンスを上げるという方法もあります。とくに、定常業務(毎日のようにルーティンとして発生する仕事)や、単純な作業はソフトウェア導入などによる自動化を検討してみましょう。業務の効率化・自動化によってリソースを確保すれば、人手不足の部署に人材を回すといった適切な人材配置を行うきっかけにもなります。

AIを活用した業務効率化の方法や、業務効率化の事例などについては、以下のページで詳しく紹介しています。

関連記事:AIによる業務効率化とは?RPAでの効率化や作業事例などを解説!

業務の一部を外部に委託する

企業のコストパフォーマンスを上げるために、業務の一部を外注するという選択肢もあります。外注する方法はいくつかありますが、クラウドソーシング(仕事を外注したい人・受注したい人をインターネットでマッチングするサービス)を利用する方法がおすすめです。

基本的にはリモートでの業務委託契約になるため、社員を雇用する際にかかる費用(福利厚生費や賞与、交通費、その他備品代など)が不要で、コストを抑えながらさまざまな仕事を外注することができます。依頼内容や業務の範囲、依頼料金、納期などを柔軟に相談できるため、多くの企業がクラウドソーシングを外注の窓口として活用しています。

一部の業務を外部に委託し、結果としてコストパフォーマンスを上げた企業の事例はこちらです。あわせてご覧ください。
関連記事:自分たちで出来る業務は外注して、会社の競争力を高めていく。開発領域を外注する時のノウハウを大公開:株式会社チュートリアル(現:オートロ株式会社)

関連記事:社内に専属ディレクターを配置し、作業の外注で会社力を数倍に。多くの業務を発注するノウハウ大公開:株式会社ケースオクロック

【無料で資料をダウンロード】クラウドソーシングの利用企業500社のアンケート結果や成功事例を大公開しています。ぜひ参考にしてみてください。

コスパを高めるには「クラウドワークス」が有効!

社内業務の外注化でコスパを高めたい場合、クラウドソーシングサービスを活用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録者数480万人を超えており、さまざまなスキル・実績を持つ人材が多数登録しています。

登録ワーカーのプロフィール(実績や経歴、保有資格など)を事前に確認でき、依頼内容の相談・契約・報酬の支払など、一連の流れがオンライン上で完結することが特徴です。事務領域のプロやエンジニア、デザイナー、コンサルタントなどが多数登録しているため、自社の要望に合ったスキルを持つ人材を探してスムーズに依頼することができます。

【クラウドワークスでの発注事例】
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・経理代行(仕訳や記帳、領収書の整理、給与計算など):時給1,000~1,500円
・秘書代行(スケジュール管理、問い合わせ対応など):月額3~15万円
・Excelの関数設定やフォーマット作成、VBAを用いた自動化システムの開発:1万円~
・イラストやロゴ、広告デザインなどのクリエイティブ制作:3~5万円程度
・キャリアに関する相談やコーチング、社員研修の代行など:要相談

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まとめ

今回はコストパフォーマンスという言葉の意味や使い方、計算方法などを紹介しました。企業活動においてコストパフォーマンスを上げるにはいくつかのアプローチがあり、業務の外注も有効な手段です。コストパフォーマンスに課題を感じているのであれば、検討してみてはいかがでしょうか。

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