3Dモデリングとは、3DCG・3DCADなどのソフトで立体的なデータを形成する技術のことです。デジタル上であらゆるもの(人間・動物・乗り物・風景など)を生成できるため、VTuber(バーチャルYouTuber)の3Dモデル制作、VRゲーム制作、3Dプリンター用の出力データ制作などにも活用されています。
今回は、3Dモデリングの費用相場や料金を抑えるポイント、3Dモデリング依頼時の注意点などを紹介します。
3Dモデリングの費用相場
はじめに、3Dモデリングを外部へ依頼する際の費用相場を紹介します。
人型キャラクターの費用
人型キャラクターの3Dモデリング費用は、5~100万円程度が相場です。3Dモデリング制作にかかる工数や期間のほか、外注先ごとの条件(制作可能クオリティ・アフターサービスやオプションの有無など)によって費用は大きく変わり、数百万円を超えるケースもあります。
それ以外(動物キャラクター、既製品など)の費用
人型以外(動物キャラクター・家具・背景など)の3Dモデリング制作を外注した場合、数千円~50万円程度が費用相場です。既製品の3Dモデルを購入する際の相場はは数千円~10万円程度で、3Dモデリング制作をオーダーメイドで外注するより安い傾向にあります。
オプション費用、VTuberとして使用する費用
3Dモデルを外注する際に、ボーンの設定(※1)やアニメーションの追加(※2)も依頼したい場合は、オプション費用がかかります。
ボーンの設定にかかる費用は、3Dモデル自体の複雑さや設定によって異なり、3~5万円程度が相場です。アニメーション追加費用の相場は、簡単な動作れであれば3~5万円程度、複雑な動作を付けたい場合は10~20万円程度です。
また、VTuberとして3Dモデルを使用する場合には、より複雑な動作(腕を組む・しゃがむ・踊るなど)を付加する必要があるため、オプション費用として80〜100万円程度の料金がかかります。
(※1)ボーンとは、3DCGソフトの機能のこと。骨格を作ってオブジェクト(3Dキャラクターなど)を曲げたり、変形したりできるように設定することを意味します。
(※2)この場合のアニメーションとは、3Dモデルに動作(手を振る・うなずくなど)を付けて、実際に動いているかのように演出することを意味します。
VTuberの「立ち絵」作成を外注する際の費用相場やポイントについては、以下の記事に詳しくまとめてあります。
関連記事:【VTuber】立ち絵作成のポイント!おすすめの依頼先も
3Dモデリングの外注先と費用相場
次に、3Dモデリングの外注先について、それぞれの特徴と費用相場を紹介します。
3Dモデル制作企業
3Dモデル制作企業には、3Dモデリングを専門的に請け負うデザイナーが在籍しているため、さまざまな要件に対応してほしい場合におすすめです。例えば、3Dモデルの原画から制作してほしい・短納期で納品してほしい・予算内で3Dモデリングを制作してほしいなど、求める条件に合わせて適した提案・サービスを受けることができます。
依頼時にかかる費用として、人型キャラクターの3Dモデリングは50万〜数百万円、それ以外の3Dモデリングは10~50万円程度が相場です。
個人のデザイナー、クリエイター
個人のデザイナー・クリエイターに3Dモデリング制作を依頼することもできます。なかには企業から独立した経験豊富な人材や、有名VTuberの3Dモデル制作を担当したデザイナーもいるため、クオリティの高い3Dモデルを制作したい場合におすすめです。3Dモデリングの費用は人型キャラクターで10〜100万円程度、それ以外の場合は1~10万円程度が相場です。過去に制作した3Dモデルを販売している場合は、既製品を購入することもできます。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのことです。さまざまなスキルを持つ人材を探すことができ、3Dモデル制作だけでなく、VTuberとして活動する際に必要な作業(ロゴや2Dイラスト制作、OP・ED動画の編集など)を依頼することも可能です。
発注費用は他の依頼先よりも安い傾向にあり、人型キャラクターの3Dモデリングは5〜30万円程度、それ以外の3Dモデリングは数千円〜5万円程度が相場です。
発注に関して不明点がある場合や、納品・報酬の支払い等でトラブルが起きてしまった場合、クラウドソーシングの運営側(事務局や担当者)が間に入ってサポートしてくれるため、個人のデザイナーに依頼するより発注の手間やリスクを軽減できるメリットがあります。
3Dモデリング費用を安く抑えるには?
続いて、3Dモデリング費用を安く抑えるポイントを紹介します。
可能な範囲で自作する
3Dモデリングを制作する際には複数の工程があり、依頼したい工程が多いほどトータル費用が高くなります。そのため、対応可能な範囲は自作し、自分では対応できない部分のみ外注すると3Dモデリング費用を安く抑えることができます。
たとえば、以下のような作業は自分で対応することも可能なので、自作を検討してみても良いでしょう。
・3Dモデルの元となるデジタル原画(2Dイラスト)の作成
・レイヤー分け(イラスト内の各パーツを別階層として編集できるように分割する作業)
・アニメーションの追加(3Dモデリングの制作後、3Dモデルへ動きを付ける作業)
シンプルなデザインにする
形状が複雑なデザインや、細かい装飾が多いデザインだと3Dモデリング制作の工数が増え、追加料金が発生することがあります。
一方、装飾の少ないシンプルなデザインは3Dモデリングを制作しやすく、アニメーションを追加する際にも動かしやすいため、3Dモデリング費用を安く抑えられます。
コスパの高い依頼先を探す
3Dモデリング制作は、依頼先ごとに料金設定が異なります。さらに、対応可能な工程や成果物のクオリティ、納期、サービス内容などに応じて費用が変動するため、「どこに・誰に依頼するか」が料金を大きく左右します。
3Dモデリング制作を外注する際は、同じ条件(依頼内容)で複数の依頼先に見積もりを請求し、比較・検討するとコスパの高い依頼先を探すことができます。
3Dモデリング依頼時の注意点
ここでは、3Dモデリング制作を依頼する際の注意点をいくつか紹介します。
用途や要望を具体的に伝える
3Dモデリングの依頼時には、想定する用途や制作に関する要望を具体的に伝えることが重要です。以下のような点を明確に提示しておけば、依頼先との齟齬や連絡回数、修正回数などを減らすことができ、費用を抑えることにもつながります。
・3Dモデルの設定(キャラクターのプロフィール情報など)
・3Dモデルに付加したい動作や表情
・物理演算の有無(髪や洋服、装飾品などに動きを付けるか)
・使ってほしい色彩のカラーコード(58FAF4など)
また、三面図(キャラクターを正面・横・背後の3アングルから見たイラストを1枚にまとめた図)を用意すると完成イメージを共有しやすくなります。三面図では表現しきれない情報(質感・世界観・3Dモデルの細かい設定など)は、文章で具体的に伝えましょう。
納品物を明確にする
外注先によって3Dモデリング制作時の納品物や納品方法が異なるため、事前に確認しておかないと後日トラブルになることがあります。
3Dモデリング制作の依頼前には以下のような点を明確にし、納品後には納品物の種類や形式などを確認するようにしましょう。
・3Dモデルの納品データ形式
・何パターンの3Dモデルが納品されるか
・商用利用の可否(可の場合、料金の有無)
・著作権は譲渡されるか(著作権譲渡の費用はかかるか)
使用ツール・機材を確認する
3Dモデリング制作に使用するツール(無料・有料のソフト)や機材にはさまざま種類があります。そのため、3Dモデルを動かすプラットフォームの仕様や納品データ形式が合わないと、制作した3Dモデルが正常に作動しない場合があります。
とくに、VTuberとして使用する3Dモデルを制作する場合は、フェイストラッキング(※1)やモーションキャプチャー(※2)の専用機材にくわえ、Webカメラ・ボイスチェンジャーなどについても、プラットフォームの仕様と合っているか事前に確認しましょう。
(※1)フェイストラッキングとは、3Dモデルに「自分の表情」を反映させる技術
(※2)モーションキャプチャーとは、3Dモデルに「自分の身体の動き」を反映させる技術
3Dモデリングの依頼なら「クラウドワークス」
3Dモデリングの依頼先はいくつかありますが、比較的安価で依頼できるクラウドソーシングを利用する方法がおすすめです。
なかでも業界最大手の「クラウドワークス」には3Dモデリングを得意とする人材が多数登録しています。
各ワーカーのプロフィール画面から、3Dモデリング制作の実績やスキル、過去に制作した3Dモデルのサンプルなどを確認でき、それらをもとに複数のワーカーを比較・検討することができます。気になるワーカーに個別でメッセージを送り、3Dモデリング制作の依頼料金や納期などを交渉することも可能です。
【依頼できる仕事の例】
・3DCG制作
・3Dキャラクターのモデリング制作
・VTuber向けの3Dアニメーション制作
・3Dプリンター用のデータ制作……など
▶発注初心者にもおすすめ!3Dモデリングを依頼できるデザイナーのプロフィールはこちら
グラフィックデザイナー・イラストレーター・ゲームデザイナー・CADデザイナーなど、さまざまなクリエイターが登録しているため、3Dモデリングで制作したいモノに合わせて適した人材を探すことができます。クリエイティブディレクター・アートディレクターなど、3Dモデリング制作のディレクション経験が豊富な人材も多数探せるため、3Dモデリング制作の進行管理や品質チェックを依頼することも可能です。