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公開日: 2022.09.22

【簡単解説】業務委託とは?契約のメリットや注意点も紹介

今回は、業務委託の基礎知識や他の契約との違い、業務委託契約の注意点などをわかりやすく解説します。企業が業務委託を活用するメリット・デメリットも紹介するので、業務委託での人材雇用を検討している企業の方はぜひ参考にしてください。

業務委託とは

業務委託とは、特定の業務を外部の人材(企業・フリーランスなど)に任せる契約のことです。自社のリソースが不足している業務から、専門知識・スキルが必要な業務まで幅広く依頼できます。雇用契約とは異なり、業務委託契約には指揮命令権(※)がないため、依頼者と受注者の関係が対等である(=上司・部下の関係ではない)ことが特徴です。

(※)指揮命令権とは、使用者が業務のやり方・進め方などを決めて、労働者に指示する権利のこと

なお、「業務委託契約」という名称は法律上に存在しません。民法で定められた「請負契約」「委任契約・準委任契約」の3つを総称して業務委託契約と呼ばれています。

【請負契約とは】
・依頼した仕事の「成果物」に報酬を支払う契約
・受注者は、契約内容どおりの仕様の成果物を、納期を守って完成させる義務を負う
・依頼者は、納品された成果物に対して報酬を支払う

請負契約で依頼する業務は、成果物が明確なものです。具体的には、建設工事や運搬業務、Webコンテンツ制作、システム開発などが挙げられます。受注者は「仕事の完成」を約束し、期日までに納品する契約のため、完成しなかった場合は原則として報酬は発生しません。
また、成果物に不足・遅延があった場合は、修正や報酬の減額などを交渉できます。

【委任契約・準委任契約とは】
・依頼した仕事の「行為の遂行」に報酬を支払う契約
・受注者は、善良な管理者の注意(※)をもとに業務を遂行する義務を負う
・依頼者は、業務の進捗や稼働時間に応じて報酬を支払う

委任契約・準委任契約は、請負契約のように「成果物」を目的とした契約ではありません。委任契約で依頼する業務は、法律関連の事務処理・代行などです。具体的には、司法書士と顧問契約を結ぶ場合や、弁護士による訴訟手続きの代行などが挙げられます。準委任契約で依頼する業務は、法律関連ではない事務処理・代行などです。例えば、コンサルタントに企業分析を依頼したり、医師に診察してもらったりする場合などが該当します。

(※)善良な管理者の注意義務とは、一般的な常識の範囲で要求されるレベルの注意をもとに、業務を遂行する義務のこと

業務委託と他の契約との違い

次に、「業務委託」とその他の契約の違いについて簡単に紹介します。

雇用契約との違い

雇用契約とは、企業と従業員が結ぶ労働契約のことで、正社員・契約社員・パート・アルバイトなどの雇用形態があります。雇用契約では、「使用者」と「労働者」という主従関係が発生し、業務の実施方法・進捗などに関する指揮命令が行われます。

一方で、業務委託契約は、依頼者と受注者の関係が対等である(上司・部下の関係ではない)ため、業務に関する指揮命令を受けることはありません。また、「定時は9~17時」といった稼働時間の制約がないことが多い点、月収・時給などの給与が基本的に発生しない点が特徴です。

派遣契約との違い

派遣契約とは、「派遣元の会社」と「派遣先の会社」が結ぶ契約のことで、ある人が実際に働く会社に直接雇用されるのではなく、派遣会社の仲介を経ることが特徴です。
業務委託契約では成果物の納品・業務の遂行に対して報酬が発生するのに対し、派遣契約では「稼働時間」に対して報酬が支払われる点が両社の違いです。
さらに、派遣契約では実際に働く人が派遣元の会社と雇用契約を結びますが、その人に対する指揮命令権を持つのは派遣先の会社となります。

なお、業務委託契約であっても、「業務の依頼者が指揮命令権を持つ場合」は派遣契約とみなされるケースがあります。この場合、派遣法などの規制を受けることになるため注意が必要です。また、業務委託契約書を作成する際は、「受注者が自分の判断で業務を遂行する」という旨を明記する必要があります。

フリーランスとの違い

フリーランスとは、特定の企業・組織・団体に所属せず、独立した個人として仕事を請け負う働き方のことです。法人化する場合もありますが、フリーランスとは「働き方」を表現した呼称であり、税務上の区分ではありません。

一方で、フリーランスと類似した用語である「個人事業主」は、税務上の区分になります。個人事業主は、税務署へ開業届を提出して個人で仕事を請け負う人を意味し、フリーランスと違って法人化することはありません。
フリーランスや個人事業主が仕事を受注する際に、依頼者(企業・個人)と結ぶ契約(請負契約、委任契約・準委任契約)をまとめて「業務委託契約」と呼ぶことが一般的です。

企業が業務委託を活用するメリット

ここでは、企業が業務委託を活用するメリットをいくつか紹介します。

人件費・教育コストを抑えられる

業務委託を活用すると、人件費を抑えられることがメリットです。業務委託先の企業・個人は自社の従業員ではないので、労働基準法が適用されません。
そのため、雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料などを自社で負担する必要がなく、設備や備品(パソコン・デスク・ロッカーなど)を準備する必要もありません。
依頼者が負担するのは、受注者へ支払う報酬や消費税、その他経費などで済むため、従業員を雇用するより人件費を削減できます。

また、教育コストを抑えられることもメリットです。
新入社員を雇用する場合は、入社手続きや研修にコストがかかります。時間や手間をかけても新入社員が離職することもあり、期待どおりに成長するとは限りません。
一方で、業務委託をすると、必要なスキル・知識を持つ即戦力の人材を獲得できるため、短期間で成果が出やすい傾向にあります。新入社員のように採用・教育する時間や手間もかからず、教育コストをカットすることができます。

業務の内容・量に応じて人材を選べる

委託する業務の内容に合わせて、適した人材を確保できることもメリットです。
たとえば、専門性の高い業務を委託すれば、社内のリソース・社員のスキル不足を補えます。事務作業などのルーティン業務を委託すれば、空いたリソースを生産性の高い業務に振り分けることができるようになります。

また、委託する業務量に応じて確保する人材の数や時間を調整することも可能です。月末などの繁忙期のみ業務委託を行って社員の負担を減らす、閑散期は業務委託の量を抑えてコストを調整したりなど、必要なタイミングで必要な業務を委託できるのが利点です。

企業が業務委託を活用するデメリット

企業が業務委託を活用する際には、以下のようなデメリットもあります。

委託内容や報酬次第では高コストになる

業務委託をすると、専門的なスキル・知識を持つ人材を確保できますが、委託内容や報酬額次第では高コストになることがデメリットです。委託する業務内容によっては、自社で採用・教育するコストより業務委託の報酬が高くなるケースもあります。委託先によって報酬額は異なるため、委託する業務の報酬相場をチェックし、費用対効果が高いかどうかを検討しましょう。

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早期に契約が終了する可能性がある

業務委託のデメリットは、受注者が契約を継続してくれるとは限らないことです。受注者は報酬を得るために仕事を受けるため、他に条件の良い案件が見つかった場合は契約更新をしないケースも少なくありません。早期に契約を終了されてしまうと、募集・採用・現場の調整などといった手間が無駄になる可能性があるため、依頼先を十分に検討してから業務委託契約をする必要があります。

業務委託契約を行う際の注意点

業務委託契約を行う際は、以下のような点に注意が必要です。

業務委託契約書に関する注意点

業務委託契約書とは、依頼者と受注者で締結する契約書のことです。主に、依頼する業務内容や契約条件、何らかのトラブルが起きた場合の対処法などを記載します。口頭の説明だけでは証拠が残らず、電話やメールのやりとりのみでは依頼者と受注者の認識がズレることもあるため、業務内容や契約条件等は書面へ明記する必要があります。

業務委託契約書を作成する際は、後日トラブルにならないように、以下のようなポイントをおさえておきましょう。

【契約の種類】
契約の種類(形態)によって、依頼する業務の対応範囲や報酬を支払う条件が変わります。成果物に対して報酬を支払うのが「請負契約」、行為の遂行に対して報酬を支払うのが「委任契約/準委任契約」になるため、契約の種類を明記することが重要です。

【報酬】
報酬をいつ・どのように支払うかを記載しないと、金銭トラブルになる可能性があります。報酬に関して、業務委託契約書へ記すべき内容は以下のとおりです。

・報酬の金額:〇〇万円(税込・税別)
・支払い方法:現金払い、銀行振込、手形など
・支払うタイミング:◯月◯日、◯月末まで、納品完了後など
・その他:各種手数料が発生する場合、依頼者と受注者のどちらが負担するのか

【成果物の権利】
成果物の知的財産権(著作権・商標権など)について、誰が権利を持つのかを明記しましょう。依頼者・受注者のどちらが成果物の権利を持つか明らかにしておかないと、「著作権譲渡料を支払ってほしい」「二次利用してほしくない」など、認識の違いによるトラブルへと発展する可能性があります。

【損害賠償の範囲】
業務委託に関するトラブルで依頼者に損害が発生した場合、受注者には原則として損害賠償義務が発生します。万が一民事訴訟に発展した場合であっても、業務委託契約書に損害賠償の範囲を明記しておけば、裁判で不当に不利になる可能性を減らすことができます。
業務委託契約書へは「損害賠償の限度額」「損害の種類」「損害賠償責任の発生要因ごとの規定」などを記載するケースが一般的です。

【電子契約書】
書面をデジタル化した電子契約書を作成する場合は、電子帳簿保存法を守って作成する必要があります。また、業務委託契約書は電子データ・紙媒体に関わらず、原則として7年間の保管が義務付けられるため、保管・管理も確実に行う必要があります。
電子帳簿保存法は近年も改定が繰り返されているため、国税庁のHPで最新の情報を確認することをお勧めします。

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源泉徴収に関する注意点

源泉徴収とは、給与・報酬・配当などを支払う人が、支払い分から税金(所得税・法人税など)を差し引き、しかるべきところへ納付する制度のことです。個人や企業と業務委託契約を結び、報酬を支払う場合は、依頼側が源泉徴収を行わなければならないケースもあります。

不当な理由で源泉徴収を行わなかった場合、納付する税額の10%に相当する「不納付加算税」や、納付が遅れた場合にかかる「延滞税」を支払うことになります。

源泉徴収が必要な範囲や計算方法などについては、以下のページを参照してください。

関連記事:【企業向け】業務委託の報酬は源泉徴収が必要?税率や計算方法は?

契約内容に変更が生じた際の注意点

業務委託の契約内容を変更する場合は、覚書(※)を作成し、再締結する必要があります。原契約書(元の業務委託契約書)のように契約内容の全文を記載する必要はないため、変更・修正した個所のみ覚書に記載しましょう。覚書・原契約書をセットで保管しておけば、契約に関するトラブルが起きた場合でもスムーズに対処できるでしょう。

(※)覚書(おぼえがき)とは、原契約書を有効とした状態で、変更内容のみを再締結する際に使用する契約書のこと

契約の更新・解除に関する注意点

業務委託契約を更新する方法は、「自動更新」と「再契約」の2種類です。
自動更新の場合は、契約内容の見直しや契約書を再作成する手間がかかりません。一方で、再契約する場合は、契約内容・報酬などの見直しを行い、業務委託契約を再締結する必要があります。契約期間満了後に、継続的に業務委託するかどうかは、依頼者・受注者の双方の合意が必要なため、あらかじめ契約の更新方法を決めておきましょう。

なお、「契約違反が生じた」「受注者が業務を遂行できない状況になった」などの理由から、契約期間の途中で解除する場合もあります。
この場合、契約を解除する事由(理由・条件)が契約書に明記されていないと、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
また、契約を解除するまでの期間にかかった費用を依頼者・受注者のどちらが負担するかについて決めておくと、契約解除後の料金トラブル防止につながります。

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また、クラウドワークスではNDA(秘密保持契約)を締結できます。そのため、業務委託先が個人情報・社内秘の情報などを扱う際に、セキュリティ対策を施すことも可能です。業務内容や納期に合わせて人材を広く募集できるため、必要なタイミングで必要な業務のみ単発で依頼する場合と、中長期的に業務委託する場合のどちらでも活用できます。

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クラウドソーシングTimes編集部
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