企業のマーケティング業務を支援するMAツール(マーケティングオートメーションツール)は、機能性や操作性が多様化しているため、導入するには自社環境との相性、使用にあたっての知識やスキルを考慮する必要があります。そこで、MAツール導入における注意点やおすすめツール3種の比較、MAツールを活かしてさらに業務を効率化する方法を紹介します。
目次
MAツールを比較検討する際のポイント
MAツールを比較する際、以下のような点に注目すると自社に合うツールかどうか判断しやすくなります。
自社に適した機能を搭載しているかどうか
MAツールは、企業のマーケティングプロセスの各段階で行うアクションをシステム化し、効率的な活動を支援するものです。そのため、自社が必要としている機能を搭載しているMAツールでなくてはなりません。
MAツールの基本的な機能は、リードを獲得するためのプロモーションや広告配信機能・リード情報管理機能・リードとの継続的な関係を築くためのメール配信機能などです。自社にとって何が必要なのか優先順位をつけ、それに対応するMAツールを選ぶようにしましょう。
なお、必要な機能を見極めるためには自社の課題を明確にしておくことも重要なポイントです。その上でツールができること・できないことを整理して、自社が使いやすいものを選ぶようにします。
自社の環境で使えるかどうか
自社の環境や人材、システムでそのツールを使えるかどうか検討します。MAツールの中には高度な機能を備えたものもあり、使い方が複雑で理解するのに時間がかかることもあります。もしそのようなツールを選ぶ場合、使いこなせそうな人材がいるか、慣れるまでの時間はあるかなどの確認が必要です。自社の顧客管理システム(Sales Cloudなど)と連携させて運用できるものを選んだほうが、スムーズに業務を進められることもあります。
サポート体制は充実しているかどうか
人的・時間的なリソースが乏しい場合は、サポート体制が充実しているツールを選ぶことも大切です。これは、ツールを使いこなすまでに不明点・疑問点などが多く生じてしまう可能性があるからです。メールや電話での対応、時間外や緊急時のサポートなど、事前にどこまでの内容が含まれているのか確認しておきましょう。
以降はこうした選択ポイントを踏まえて、企業においての導入実績が豊富な「SATORI」「Pardot」「HubSpot」という3つのMAツールをご紹介します。
【機能比較】おすすめMAツール3選
まずは、それぞれの機能面の違いを比較していきます。
Webでの顧客獲得に強い「SATORI」
「SATORI(サトリ)」は、リード獲得に強いMAツールです。特定のターゲットにアプローチできるリターゲティング広告のほか、リードに合わせてコンテンツを最適化する機能など、Webでの顧客獲得に強い機能が充実しています。新規客獲得数と成約率のアップを実現できます。
Sales Cloudと連携しやすい「Pardot」
「Pardot(パードット)」は、セールスフォース・ドットコムが提供しているMAツールです。多くの企業においての導入実績がある同社のCRM(顧客関係管理)ツール、Sales CloudやMarketing Cloudと連携しやすいのが最大の特徴です。リード獲得の精度が高く、着実にリードナーチャリングを実現する営業支援機能も搭載しています。
基本的な機能が揃っており使いやすい「HubSpot」
インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングに適したMAツールとして知られる「HubSpot(ハブスポット)」は、基本的なCRM機能も備えており、使いやすさに定評のあるツールです。Webサイトトラッキングやランディングページ作成、SNS管理などの機能を搭載しています。
MAツールに搭載された機能を十分に生かすためにも、以下の記事で運用の流れや基礎知識などを押さえておきましょう。
関連記事:マーケティングオートメーションとは?基礎からツール運用法まで解説
【価格比較】おすすめMAツール3選
続いて、価格面の違いを比較してみましょう。
「SATORI」は初期費用が30万円から
「SATORI」の利用料金設定としては、初期費用が30万円~、月額利用料が最低14.8万円~となっています。このほかにも有料のオプションサービスがあり、利用する機能やサービスによって初期費用・月額利用料が変わるため、必要に応じて事前に見積りを取ることをおすすめします。なお、「SATORI紹介セミナー」を予約・受講すると、無料トライアルを試すことができます。
「Pardot」は約15万円からニーズごとに選べる
「Pardot」の利用料金設定はニーズに応じて3つに分かれており、標準プランの「Growthプラン」(月額15万円/税抜)、アナリティクスを搭載した「Plusプラン/税抜」(月額30万円)、イノベーションを実現する高度な「Advancedプラン/税抜」(月額48万円)の中から選ぶことができます。
また、Salesforceとの連携でマーケティングと営業を効果的につなぐ「Salesforce Engage for Pardot」を利用する場合は、ユーザー1人につき月6,000円の料金が別途必要となります。
「HubSpot」は無料版でも機能が充実
「HubSpot」には無料のトライアル版が用意されており、無料でありながらコンタクト管理やWebチャット、トラフィック・コンバージョン解析など、リート獲得を効果的に実現する機能が充実しています。
有料版としては、「Starter」(月額6千円~)、マーケティングオートメーション機能が充実している「Professional」(月額9万6千円~)、HubSpotの機能を全て利用できる「Enterprise」(月額38万4千円~)の3つのプランがあります。また、「Starter + CMS Hub Professional」(月額4万2千円~)プランは、効果的なWebサイトを作成するための機能もついています。
【サポート体制比較】おすすめMAツール3選
最後は、サポート体制の違いをご紹介します。
「SATORI」はカスタマーサポートが充実
「SATORI」では顧客サポートのことを「カスタマーサクセス」と表現しており、SATORIを通じて共に成功に向かうプログラムを幅広く提供しています。無料のサポートには、技術面のサポートだけではなく、今後の目標に向けてどの機能を使うべきかをアドバイスする「オンラインサポート」、テーマ別の「ハンズオンセミナー」などがあり、問題の解決や活用法の理解拡大に役立っています。
また、同じく無料で利用できる「コミュニティ」では、自社以外の人との交流により悩みや知識を共有し、モチベーションやスキルアップを促しています。
「Pardot」はサポート用の動画チャンネルあり
「Pardot」のサポート体制には、会員専用の問い合わせフォームや電話サポート、質問リンク集、問い合わせガイドなどがあります。ユーザー同士でコミュニケーションができる「Pardot オンラインコミュニティ」で不明点・疑問点を質問すると、コミュニティメンバーが答えてくれるため、簡単に解決できます。ただし、レスポンスがすぐに来るとは限らないため、急を要する場合はプレミアムサポートへの加入をおすすめします。
また、Pardotでは動画チャンネルも用意しており、操作方法などを視覚的に繰り返し確認することもできます。
「HubSpot」は講座形式のトレーニングもあり
「HubSpot」には、一般的な電話やメールによるサポート、コミュニティーサポートのほか、講座形式の「トレーニングプログラム」もあり、自分で問題を解決して学習しながらスキルアップ図ることができます。
ほかにもプロフェッショナルサービスとして、インバウンドマーケティングに特化した「インバウンドコンサルティング」、技術面をサポートする「テクニカルコンサルティング」など、会員ごとに異なる悩みやそれぞれのレベルに合わせたフォローを行っています。
さらなるマーケティングの効率化を図るには?
MAツールを利用しながら、さらに自社マーケティングの効率化を図るには、業務の一部をアウトソーシングする方法があります。MAツールを活用したリード獲得や、CRMなどの知識を有する人材が不足している場合、LPやブログ作成、SNSやメルマガの配信などの広告運営を含めたノンコア業務を外注することで社員の有効活用とコスト削減が可能です。
ノンコア業務の外注先として広告会社やプロダクションなどが挙げられますが、クラウドソーシングなどのオンラインサービスを利用するのも有効です。広告やWebに関する知識・経験を有するプロが多数登録しており、短時間で簡単に依頼することができます。
数あるクラウドソーシングの中でも「クラウドワークス」はユーザー数ナンバー1をもつサービスです。プラットフォーム上でWebサイト制作やSNS配信といったキーワードを入力すると、自動的にフィルタリングを行って希望に近い人材を表示させることができるうえ、各個人の実績や評価もその場で確認できます。スカウト機能を使って気になる人に直接依頼することもでき、単発や短期間での発注も可能です。
▶クラウドワークスの使い方や事例、発注相場がわかる資料をダウンロードする
まとめ
MAツールを選ぶときは、自社に合う機能かどうかの見極めや、万一の時のサポート体制はどの程度なのかといった点も大切なポイントです。当記事で紹介した3つのツールは導入率が多いため、初心者でも比較的使いやすいといえます。コア業務に集中するためにマーケティングを効率化するならば、ぜひノンコア業務を外注してみてください。