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公開日: 2023.06.07

Linuxとは?できることやメリットを初心者向けに解説!

PCを始めとするコンピュータを作動させるには、OS(オペレーティングシステム)が必要です。WindowsやMacなどのOSが広く知られているなか、Linuxの使用を検討する人も少なくありません。今回は、オープンソースのOS・Linuxについて解説します。Linuxの特徴やメリット、用語、概念などを基礎から紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Linuxとは?

Linuxとは?Linuxは、全世界で使われているOS(オペレーティングシステム)です。非営利団体の主導によって開発され、現在は有志の開発者たちが改修・バージョンアップを進めています。
オープンソースのソフトウェアであるため誰でも無料で入手でき、組み込み・改変・再配布なども自由に行うことが可能です。
Linuxはサーバーコンピュータ用のOSとして使われるほか、家電や家庭用ゲーム機、スマートフォン、テレビなどへ組み込む形で活用されるケースも多く見られます。

Linuxの特徴とできること

Linuxの特徴とできることまず、Linuxが持つ特徴とあわせて、Linuxで実現できることを紹介します。

OSの新規開発

Linuxは自由に使えるオープンソースであるため、Linuxの基本部分を要件に合わせて改修し、新たなOSの開発を行うことができます。
スマートフォン用のOSとして広く普及しているAndroidも、Linuxを用いて開発されたOSです。

サーバーの構築

Linuxはサーバーの構築にも適しています。自由にソースコードを改修できるカスタマイズ性、無料で使えるコストパフォーマンスの良さにくわえ、セキュリティ体制が強固であるため安全性の高いサーバーを運用できる点もメリットです。

IoT技術の開発

IoT(Internet of Things)とは、モノとインターネットを結びつける技術を指し、近年特に注目を集めています。車・家電・ゲームなどへAIを搭載することで性能や利便性を高めた製品が次々と開発されていることは周知の通りですが、このような製品を生み出すIOT技術にもLinuxが用いられています。

PCの動作改善

Linuxには、容量が軽く動作が早いという特徴があります。そのため、処理速度が遅い旧型のPCなどへインストールすると動作改善につながるケースがあります。
ただし、Linuxは軽い反面、操作に便利な補助機能やソフトウェアなどは搭載されていません。必要な機能はインストール後のカスタマイズによって入手しなければならないという点には注意しましょう。

CUI(Character User Interface)の学習

CUIとは、文字列を打ち込むことによってコンピュータに指示を与える方式のことです。PC(OS)に対して用いられるCUIとしては、コマンドプロンプトなどがよく知られています。
Linuxは容量が軽く動作が早いため、他のOSに比べてCUIを動かしやすいという特性があります。特殊な動作環境をインストールすることなくスムーズにCUIを実行できるため、CUIやプログラミングの学習にも適しています。

こんな方におすすめ

こんな方におすすめ前項で紹介した内容をふまえると、Linuxの活用・スキル習得は以下のような方におすすめです。

・新規でOSを開発したい
・低コスト・高セキュリティのサーバー構築を考えている
・AIやIoT技術を用いた家電・ゲームなどの開発に携わりたい
・CUIやプログラミングに慣れたい

WindowsやMac OSと比べると使用者が少なく、OSとしての情報量やマニュアルなどもそれほど多くないため、Linuxは自分で主体的に学習・応用ができる方に向いています。
Linuxは、まったくの初心者よりある程度の知識や開発経験のある技術者に適したOSといえるでしょう。

Linuxのディストリビューション

LinuxのディストリビューションLinuxには、コンピュータにおけるハードウェアやプログラムの制御を担う「Linuxカーネル」という中核部が存在します。
しかし、カーネル単体ではLinuxを作動させるには不十分であり、任意のPCにLinuxをインストールして操作を行うには、PCの機種やスペックに応じたソフトウェアやツールもあわせて導入する必要があります。
この【Linuxの操作に必要なソフトウェア、ツール、ソフト等】をまとめたパッケージのことを「Linuxディストリビューション」と呼びます。

ディストリビューションに含まれるものの例として、エディターやローダーなどのソフトウェア、コンパイラやシェルなどの開発ツール、サーバーやデスクトップに関するアプリなどが挙げられます。

ディストリビューションはさまざまな個人・企業・プロジェクトなどが用途に合わせて開発・配布を行っており、多くのバージョンがあります。主なディストリビューションと開発元をまとめると、次のようになります。

ディストリビューション名

開発元

RHEL (Red Hat Enterprise Linux)

Red Hat社

CentOS (Community ENTerprise Operating System)

The CentOS Project

Debian GNU/Linux

Debian Project

Ubuntu Linux

Canonical社

Fedora

Fedora Project

以下、概要を紹介します。

RHEL

RHELはアメリカのIT企業・Red Hat社が開発した、法人用のLinuxディストリビューションです。ソースコードは無料で入手できますが、サポートやオプションサービスを受けたい場合はサブスクリプション形式で月額を支払います。
Red Hat社はもともと個人用の無償ディストリビューション・Red Hat Linux(RHL)の開発・提供を行っていましたが、2003年に開発を終了し、以降は法人用のRHEL(有償)を主軸とするようになりました。

なお、RHLで用いられた技術やノウハウなどは、Fedora(※後述します)の開発に活かされています。

CentOS

CentOSは、The CentOS Projectによって開発されたディストリビューションです。前述のRHELのオープンソース部分を再編集したクローンディストリビューションであり、法人のシステムサーバなどに適しています。

無料で利用できますが、Red Hat社のサポートを受けることはできません(RHELとは開発元が異なるため)。
その代わり、CentOSの開発元であるThe CentOS Projectがメンテナンスやセキュリティパッチの配布などを行っています(リリースから10年間の保証)。

Debian GNU/Linux

Debian GNU/Linuxは、Debian Projectが提供するディストリビューションです。1993年に開発されて以来幅広いユーザーを獲得し、複数のクローンや派生ディストリビューションが生まれています。
「.deb」というファイルフォーマットによってディストリビューションを配布しており、パッケージ管理は「dpkg」という独自ツールによって行っている点が特徴です。

Ubuntu Linux

Debian GNU/Linuxの派生ディストリビューションとして開発されたのがUbuntu Linuxです(開発の主体はイギリスのCanonical社)。デスクトップ用・サーバ用のパッケージが展開されており、日本語のフォントやソフトが使える日本語版のデスクトップ用パッケージも存在します。

DVD形式で提供されている点、用途別・デスクトップの環境別にパッケージが用意されている点などといった使いやすさ・導入しやすさが多くの支持を集めています。

Fedora

Red Hat社が開発・提供していたRHLの後継として開発されたのがFedoraです。RHLの技術や資産をFedora Project(有志の開発者集団)が引き継ぎ、何度かの改定・改称を経て現在のFedoraが公開されました。

Fedoraの特徴は、およそ半年ごとにバージョンアップを繰り返すスタイルにあります。技術や環境を常に最新の状態に保てる反面、サポート期間が短い点はデメリットといえます。

Linux用語

Linux用語続いて、Linuxを理解するうえで重要な用語をいくつか紹介します。

パッケージ管理ツール(パッケージ管理システム)

任意のOSへソフトウェアを導入・適用する際に使うパッケージ管理ツール(パッケージ管理システム)のうち、Linux向けのものがいくつかあります。

Debian GNU/Linux用の「dpkg」のほか、以下のようなパッケージ管理ツールが知られており、用途や適した環境・ディストリビューションなどはそれぞれ異なります。

・RPM(RPM Package Manager)
・APT(Advanced Package Tool)
・Yum(Yellowdog Updater Modified)
・DFN(Dandified Yum)
・EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux)

ディレクトリ

OS内において、ファイルの格納・分類・整理などを行う場所のことをディレクトリといいます。同様の構造のことをWindowsでは「フォルダ」と呼びますが、LinuxやUNIXなどのOSではディレクトリという名称を使用します。

シェル

シェルとは、ユーザーがOSやプログラムに対して何らかの指示を行うためのソフトウェアやアプリケーションを指します。
Linuxでよく使われるのは以下のようなシェルです。

・bash(Bourne Again shell)
・sh(Bourne shell)
・ksh(Korn Shell)
・zsh(Z Shell)
・csh(C shell)

コマンド

コマンドとは、シェルへ指示を与えるために用いる文字列のことです。Linuxでよく使われるのは以下のようなコマンドです。

・cp…指定したファイルやディレクトリをコピーする
・wc…指定したテキストファイルの行数・ワード数・文字数をカウントする
・rm…指定したファイルやディレクトリを削除する
・od…指定したファイルの内容をダンプする
・df…指定したファイルシステムやディレクトリの空き領域を表示する
・hostname…使用中のコンピュータのホスト名を表示する

Linuxのメリット

Linuxのメリットでは、Linuxを使うメリットはどのような点にあるのでしょうか。これまで紹介してきた内容も振り返りつつまとめました。

無料で使える

LinuxはオープンソースのOSであるため、導入コストがかかりません(一部ディストリビューションのサポート等は有料)。
無料で使えるだけでなく自由にカスタマイズもできるため、PCが多数必要となるプロジェクト(サーバ用、開発用など)から個人の学習用までさまざまなシチュエーションで有効活用されています。

軽量で動作が速い

LinuxはOSのなかでも容量が軽いため、古いPC・低スペックのPCにも導入しやすいというメリットがあります。
軽量であると同時に動作も速く、PC使用時にストレスを感じにくい点もメリットといえます。

ニーズに合ったディストリビューションを選べる

Linuxには用途別に多くのディストリビューションがあり、無料で配布されているものもあることはすでに説明した通りです。
Linux自体が無料で導入できることにくわえ、ディストリビューションによってさらにニーズに合った使い方が可能となるのもLinuxの大きな利点といえるでしょう。

セキュリティ面が優れている

Linuxは、WindowsやMacなどのOSと比べると利用者が多くありません。そのため、独自のウイルスが少なく、セキュリティ性が高いといわれています。情報漏洩や損害などのリスクが低い状態でPCを利用できるのもLinuxのメリットです。

Linuxのデメリット

Linuxのデメリットメリットが多い反面、Linuxにはデメリットもいくつか存在します。使用前に把握しておきましょう。

公式サポートがない

LinuxはオープンソースのOSであるため、自由にインストールやカスタマイズができる一方で公式のサポートはありません。ディストリビューション単位でサポートが受けられるケースはありますが、トラブルや不具合が起きた場合は自分で解決する必要があるため注意しましょう。

使えるソフトウェアが制限される場合がある

多くのソフトウェアはWindowsやMacでの使用を前提に開発されているため、Linuxでは使えないことがあります。導入したいソフトウェアがある場合、Linux上でも使えるかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。

周辺機器が正常に作動しない場合がある

ソフトウェアと同様、PCやOSの周辺機器もLinuxに非対応のものが多く見られます。Linuxに対応している周辺機器を購入する、もしくはLinux用のフォーマットへ書き換えるなどの手間が発生するケースがあることを覚えておきましょう。

操作に慣れるまでに時間がかかる場合がある

WindowsやMacを使い慣れている人は、Linuxの操作に慣れるまでに時間がかかるケースがあります。用語や構造などもLinuxに独特のものが多いため、使い始めは戸惑うことも多いかもしれません。

Linuxを使ったシステム開発の外注依頼は「クラウドワークス」へ

Linux関連の仕事を外注したい場合、クラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」には、さまざまなスキルを持つ人材が登録しています。

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まとめ

LinuxはオープンソースのOSであり、誰でも無料で利用することができます。コストがかからない反面、公式サービスがない・トラブルシューティングを自分で行わなければならないなどの問題もあるため、事前にメリットとデメリットを把握してから利用することをおすすめします。
導入・バージョンアップ・サポートなどを有識者に依頼したい場合や、Linuxを使った開発案件を立ち上げたい場合、Linuxサーバの運用保守要員を探したい場合などは、クラウドソーシングを活用して人材を確保することもできるため、ぜひ検討してみてください。

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クラウドソーシングTimes編集部
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