近年、ライティングやデザイン制作などをAIツールで行う「AI副業」が注目を集めています。文章作成だけでなく、画像・動画・音声などを自動生成できるツールもあり、副業でAIを活用している人も少なくありません。今回は、AI副業の種類やAIを活用するメリット・デメリット、おすすめのAIツール、AI副業を始める際の注意点などをご紹介します。
目次
AI副業とは
AI副業とは、AIツール（ChatGPTなど）を使った副業のことです。AIツールを活用すると、データの収集や分析、コンテンツ作成などにかかる時間や労力を削減でき、コンテンツの品質を高めることもできます。また、オンライン上で完結する仕事内容であれば、稼働する場所や時間帯を問わずに副業収入を得られることから、AI副業への関心が高まっています。
クラウドワークスが行った調査では、2023年11月の「生成AIに関連する仕事・案件の契約件数」は前年同月比で8.4倍、さらに「生成AI関連の案件単価」も1.8倍と増加傾向にあり、将来的に発展性がある市場として注目されています。
AIを使った副業10選
AIを使った副業には、さまざまな種類があります。今回は初心者にもおすすめのAI副業を10つご紹介します。
①【AI×ライティング】
ライティングとは、文章を作成する仕事全般を指します。具体的には、Web記事作成やレポート作成などが挙げられ、クラウドソーシングサイトなどを通してライティングの仕事を請け負えば報酬を得ることが可能です。
例えば、手作業だと3時間かかるライティングの仕事も、AIを活用すると数十分～1時間程度で完了できるケースもあります。作業時間が短縮される分、文字数が多い案件にも挑戦しやすくなるでしょう。
②【AI×文字起こし】
文字起こしとは、音声データをテキスト化する作業です。会議やセミナーの議事録、顧客対応の記録、インタビューの対話内容などの音声ファイルをAIツールに読み込ませると、文字起こしを効率化できます。
手作業による文字起こしよりもすばやく作業ができ、特別なスキルがなくても取り組めるため、副業初心者の方にもおすすめです。
③【AI×ブログ運営】
AIを活用したブログ運営も、おすすめの副業の1つです。ブログ運営とは、作成した記事をWeb上にアップロードして広告収入を得る仕事（アフィリエイト）を指し、特定のクライアントがいないという点がライティングとの違いです。
自分の好きなテーマで記事作成を進められること、頑張り次第で報酬アップが狙えることなどの利点がある一方、軌道に乗るまでは無報酬の期間が発生するケースもあるため注意が必要です。
④【AI×翻訳】
AIツールを活用すれば、英語やスペイン語、中国語などの多言語の翻訳ができます。従来の翻訳ツールより精度の高い訳文を作成できるため、AIが翻訳した文書にスペルミス・文法の間違いなどがないかをチェックするだけで翻訳案件の仕事を受注できます。
ある程度の語学力は必須になりますが、AIが翻訳した文書をベースにより自然な文章になるように調整すれば、作業の効率化＆翻訳品質の向上につながるでしょう。
⑤【AI×事務作業】
AIは単純作業との相性が良いため、専門的なスキルがなくてもできる副業を探している場合は、事務作業の受注を検討してみましょう。例えば、Excelの関数などを出力できるAIツールを使えば、リサーチ業務やデータ入力といった事務作業を効率化できます。
なお、AIチャットボットを導入し、問い合わせ対応やコールセンター業務などを効率化するケースもあります。AIチャットボットについては、以下のページでまとめています。
関連記事：AIチャットボットとは？仕組みや機能、導入成功事例を紹介
⑥【AI×画像やイラスト作成】
プロフィールアイコンやロゴ、バナーなどのイラスト作成を請け負い、報酬を得ることもできます。生成したいイラストのキーワードや説明をAIへ入力すれば、手間をかけずにイラストを作成することが可能です。AIを使って高クオリティなイラストを作成し、素材サイトなどで販売することで副収入を得ている人もいます。
AIイラストの作り方や、イラストを自動生成できるAIツールの種類などについては、以下のページを参照してください。
関連記事：【料金・対応OSがわかる】AIでイラストを自動生成できるツール・サービス8選
⑦【AI×動画編集】
YouTubeなどで使う動画の編集は難しいと思われがちですが、AIツールの進化にともない技術的なハードルは下がっています。動画編集ソフトによっては、AIがナレーションや素材を選別したり、色味を調整したり、自動で字幕を付けたりなど、便利な機能が搭載されているためです。
動画編集の基礎知識は必要ですが、コンテンツ内で動画を使うクライアントも多くいる（需要がある）ため、スキマ時間を活かして副業にするケースも少なくありません。
⑧【AI×オーディオブックの販売】
オーディオブックとは、声優・ナレーターなどが書籍を読み上げた音声をデータ化したもので、「耳で聴く本」とも呼ばれています。近年では、人間の声質・話し方などを学習したAIを搭載したツールもあり、自然な抑揚や感情を表現できるようになっています。
そのため、AIツールを活用すれば顔出し・声出しをせずに、AIがナレーションした高品質なオーディオブックを作成でき、AudibleやApple Booksで販売することが可能です。
⑨【AI×プログラミング】
AIツールを活用すれば、指示した要件に合うコードを自動生成できるため、プログラミングを効率化することも可能です。プログラミングの知識は必要ですが、ソフトウェアの設計、アプリ開発といったIT関連の業務を受注できます。
また、プログラミングに関する知識を活かし、ChatGPTで使用するプロンプト（命令文）を販売するという稼ぎ方もあります。
AIツールの開発費用の相場などについては、以下のページを参照してください。
関連記事：AI開発の費用相場は？コストカットのコツや外注のポイントまで詳しく解説
⑩【AI×SNS運用】
AIをSNSに活用した副業もあります。具体的には、SNSへの投稿文・投稿画像の作成や、投稿のアイデア出しなどを行います。例えば、再生数に応じた収益を受け取れる仕組みが開始されたTikTokでは、投稿動画がバズれば自動で5万円、10万円を稼げることもあります。自身のアカウント運用にAIを活用するだけでなく、個人や企業のSNS投稿を請け負うことで報酬を得る副業も増えています。
そのほか、SNS広告をAIで作成するケースもあります。広告分野でのAIの活用方法や、AIを導入した企業事例などについては、以下のページを参照してください。
関連記事：AIによる広告活用事例を紹介！広告分野でAIにできることとは？
AI副業が初心者でも稼ぎやすい理由
続いて、初心者でもAI副業で稼ぎやすい理由をいくつかご紹介します。
高度なスキルがなくても始めやすいため
AIツールの進化により、専門的な知識・スキルがなくてもAI副業を始めやすくなっています。多くのAIツールはシンプルな操作画面で、初心者でも使いやすいシステムになっているためです。
手作業では時間や労力がかかる作業の場合、AIツールで業務を効率化すれば、少ない時間でも副業収入を得ることができます。
AIを利用できる仕事が増えているため
近年、多くの企業がAI技術の導入を進めています。AIへの理解が広まるにつれてAIツールの使用を許可するクライアントも増えており、とくにライティングやデザインの分野でAIツールが利用されるケースが増加傾向にあります。
このような環境の変化も、AI副業が稼ぎやすいとされる理由のひとつです。
AIツールが多様化しているため
AIツールは需要に合わせて多様化しており、文章の作成や画像生成、データ分析、マーケティングなど、さまざまな業務領域で活用されています。
AIツールでできることが多様化したことで、自分の得意分野でAIツールを活かせるようになり、AI副業における選択肢の幅が広がっています。
AIを副業で活用するメリット
ここからは、AIを副業で活用するメリットをご紹介します。
作業時間を短縮できる
今まで手作業で行っていた仕事をAIに任せることで、作業時間を短縮できることがメリットです。例えば、ライティングの場合は、記事作成に必要な情報収集や文章の執筆・推敲などを高速化できます。また、手動だと時間のかかるイラストや動画の作成も、AIに指示を出せば数分で生成されます。AIを活用することで、まとまった作業時間を確保しにくい方でも副業に取り組みやすくなるでしょう。
コンテンツの質が高まる
AIツールはデータの傾向を分析できるため、ターゲット層の属性・好みなどに合わせてコンテンツを作成できることがメリットです。例えば、ユーザーの行動データをもとに興味・関心を引くトピックやキーワードを抽出し、Web記事やプロモーションなどに反映すれば、よりユーザービリティの高いコンテンツを効率的に作成できます。
また、AIツールをアイデア出しで活用する方法もあります。キャッチコピーやネーミングなど、アイデアの考案でAIを活用する方法については、以下のページでまとめています。
関連記事：【ブランド名の決め方】使えるツールやネーミングのコツ、AI活用のポイントを解説
副業の選択肢が増加する
AIを活用するとさまざまな種類の副業を行える点もメリットといえます。通常、イラスト・画像作成やライティングなどで収入を得るためには、一定のスキルを身につけることが必須です。スキルの習得にも時間がかかること・副業に割ける時間が限られていることなどを踏まえると、副業の選択肢が限られてしまう側面がありました。
しかしAIであれば、指示を与えるだけで高品質なイラストを作成したり、SNSの投稿文を出力したりすることが可能です。取り組める副業の選択肢が増えることは、AI活用の大きな利点でしょう。
AIを副業で活用するデメリット
AIを活用して副業を行う際には、デメリットも理解しておきましょう。
オリジナリティが出しづらい
AIツールを使うと、オリジナリティを出しづらいことがデメリットです。多くのAIツールは、クリエイティブなアウトプットが制限されるためです。生成されるコンテンツが類似しやすく、他サイトなどとの差別化が難しい傾向にあります。
そのため、自分の得意ジャンルでAIツールを活用し、独自性を持たせながら作業を効率化する使い方をしましょう。
誤った情報を出力する可能性がある
AIは、過去に得た学習データをもとに情報を出力しています。そのため、学習データの内容に誤りや偏りがあると、事実とは異なる情報を出力する可能性があります。
誤った情報の発信によってトラブルに発展するリスクもあるので、ハルシネーション（※事実とは異なる誤情報が生成されてしまう現象）が発生していないかをきちんと確認しましょう。
著作権侵害のリスクがある
AIツールを使う場合、著作権侵害（※）のリスクがあることがデメリットです。AIによって生成された類似コンテンツが、すでに他サイトで掲載・販売されていることも少なくないためです。既存の類似コンテンツがある状態で著作物の納品・販売等を行うと、著作権侵害とみなされて法的に罰せられる可能性があります。
「知らなかった」では済まされないため、類似コンテンツの有無を事前に確認しておきましょう。
（※）著作権とは、イラスト・文章などの著作者に与えられる権利のことです。著作者の許可なく、著作物を転載・再配布することは法律で禁じられています。
著作権については、以下のページでもまとめています。
関連記事：知らないと危険！アイコン使用・作成で著作権侵害になるものとは
副業で使えるAIツールの種類
副業で使えるAIツールには、以下のような種類があります。
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AIツールの種類 |
代表的なAIツール |
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文章生成AI |
ChatGPT |
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画像生成AI |
DALL-E3 |
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動画生成AI |
FlexClip |
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音声生成AI |
Vrew |
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その他 |
クラウドワークスAI |
文章生成AI
文章生成AIとは、指示したキーワードやテーマをもとに、自然な文章をAIが自動生成する技術のことです。記事の作成や文字起こし、プログラミング言語のコーディング、よくある質問（FAQ）の自動応答など、さまざまな用途で使われています。
なかでも「ChatGPT」は、ライティングや翻訳、コード生成などのさまざまなタスクに対応できる代表的なAIツールです。音声や動画、画像などのデータも処理でき、無料版と月額20ドルで利用できる有料版があります。ChatGPTの使い方や活用事例などについては、以下のページを参照してください。
関連記事：ChatGPTとは？日本語での使い方やPC・スマホでの始め方をやさしく解説
画像生成AI
画像生成AIとは、既存の画像を読み込ませたり、テキスト形式で入力したりするだけでAIが画像を自動生成する技術のことです。例えば、「洗車 夏」と入力すれば、夏の風景で洗車している様子を撮影したような画像やイラストを生成できます。アニメや3Dモデル、実写など、画像のテイストを選べるツールもあります。
代表的なツールの「DALL-E3」は、ChatGPTと同じ開発元が提供するAIツールです。日本語に対応しており、ChatGPTに指示を与えるだけでAI画像を生成できます。ChatGPTのビジネス（有料）ユーザーは月額20ドルから利用でき、ChatGPTの無料ユーザーも制限付きで利用可能です。
動画生成AI
動画生成AIは、画像生成AIの動画バージョンです。テキストや画像などの情報を入力すれば、AIが自動で動画を生成してくれます。WebサイトやSNS、企業PV、CMなどの幅広い用途で利用されており、動画の撮影・編集にかかる時間やコストを大幅にカットできます。
代表的なツールの「FlexClip」は、6000以上のテンプレートを用意しており、ビジネスやマーケティング、スポーツ、ウェディングなど、さまざまな用途の動画撮影・編集で利用できるAIツールです。背景の削除や字幕の文字起こし、動画翻訳などにも対応しているため、初心者でもワンストップで動画を作成することができます。
音声生成AI
音声生成AIとは、入力したテキストを音声に変換したり、音声から自動字幕を生成したりできる技術のことです。人間のような音声を生成できるため、読み聞かせ動画やオーディオブック、BGM素材などを制作・販売すれば収益化が期待できます。
代表的なツールの「Vrew」は、AIによる声モデルの種類が豊富にあり、操作性も簡単なので日本語のナレーション動画などをすぐに作成できます。また、テンプレートとして使えるBGMが200個、効果音は1000個もあり、いずれも商用利用できる素材のため、オーディオブックなどの販売目的で利用することも可能です。
その他
そのほか、「クラウドワークスAI」のような副業に特化したAIツールもあります。文章生成・画像生成などの幅広い機能を利用でき、関連サービスでAI副業の案件を広く探すこともできます。プロンプト（AIに指示する際の命令文）を一から自分で書く必要がなく、いくつかの項目を埋めるだけでコンテンツの生成が可能であるため、初心者でも使いやすいことが特徴です。
月額制の料金プランが複数あり、利用できる機能やサポートがそれぞれ異なります。無料プランも提供されているため、お試しで使ってみたい方にもおすすめです。
AI副業を始める際の注意点
AI副業を始める際は、以下のようなことに注意しましょう。
完全自動で稼げるわけではない
AI副業は、「AIに指示すればなにもしなくても稼げる」というイメージがありますが、完全自動で稼げるわけではありません。AIは発展段階であり、誤情報が出力されることもあるので自分で確認・修正する必要があります。AIツールを活用した副業にはさまざまな種類があるものの、いずれの副業も完全自動で稼ぐことは難しいのが現状です。
収益化できるとは限らない
AI副業のなかには、収益化のハードルが高いものもあります。例えば、AIイラスト販売のような「作品の販売利益を得る副業」は、作品を購入してくれる人がいないと利益が発生しません。また、ブログ運営の場合、PV数やクリック数などによって広告収入が変わるため、必ずしも収益化できるとは限らない点に注意しましょう。
AI関連の詐欺に注意する
AI副業の案件を探す際は、詐欺情報に注意しましょう。SNS上では「AIによる完全自動で副収入を得る方法！」といった怪しい情報も少なくありません。情報料として高額な料金を請求されたり、投資商材を買わされたりするケースもあるので、不安な場合は「特定商取引法に基づく表記」をチェックし、不審な点がないかをあらかじめ確認しましょう。
まとめ
今回は、初心者でも稼ぎやすいAI副業や、副業でAIを活用するメリット・デメリットをご紹介しました。現在、生成AI関連の仕事・案件契約数や契約案件単価は増加傾向にあり、稼ぎやすくなっている今こそ、AI副業に挑戦するチャンスです。
なお、AI副業初心者の方やAIツールを使いこなせる自信がない方は、クラウドワークスAIがおすすめです。プロンプトレスなので初心者でも使いやすく、サポートサービスが受けられるプランもあるため、安心して利用することができます。
