チームのコスト意識を強化することは、会社の利益と密接に関係しています。ただし、間違った意識を持つとデメリットとなる可能性も高いです。この記事では、コスト意識を高める目的をはじめ、コスト意識のメリット・デメリット、正しく組織のコスト意識を高めるにはどうしたらいいかを解説していきます。
目次
チームのコスト意識を高める目的とは?
会社の利益を上げるにはコスト意識を高めることが重要です。
結果的に会社の利益アップにつながる
会社は利益で従業員の給与を払ったり、次の事業への投資を行ったりしますので、利益を上げていかなくてはいけません。それでは、会社の利益はどのようにして上がるのでしょうか?
恐らく「売上を上げること」だと多くの人は思うことでしょう。しかし、もうひとつ答えがあります。会社の利益を上げる方法には「コストの削減」があります。
利益とは「売上-コスト」で算出します。売上ばかりが増えても、同じようにコストも増えていってしまっては結局利益は増えません。むしろ、コスト増加の割合のほうが大きくなれば利益が減ることもあります。コストを減らすことは、結果的に会社の利益に直結する重要なミッションです。
無理のあるコスト削減は禁物
コストを減らせば利益が増えるからといって、むやみやたらにコストを切り詰めていけば良いというものではありません。無理なコストカットは従業員のモチベーションに大きな影響を与えるうえ、本当に事業に必要な経費までをカットしてしまうと売上自体が落ち込んでしまい本末転倒です。
費用対効果が低いものや、安いものに代替可能であるもの、影響が少ないものなど、本当に無駄なコストをカットしていくからこそ、利益増加に一役買うことができます。コストは何もお金だけとは限りません。業務効率化や時短を図り、時間をカットすることも結果的には利益を増やすことにつながります。
コストを削減する具体的なコツや成功事例を以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:コストを削減する方法とは?進め方や成功事例を徹底解説!
コスト意識のメリット・デメリット
コスト意識を持つことは重要です。コスト意識を持つことで得られるメリット、デメリットについて考えていきましょう。
正しいコスト意識によるメリット
正しいコスト意識を持つことで、無駄な出費を削減することができます。コストを削減することで財政に余裕が生まれ、新規事業や設備投資など、他に必要な部分にも財源を充てることが可能です。また、コスト削減は業務効率化と親和性が高いため、自ずと生産性向上が図れるというメリットがあります。
間違ったコスト意識によるデメリット
間違ったコスト削減を行うことで考えられる大きなデメリットは、社員のモチベーション低下です。本当に必要な経費を削減してしまうと、業務効率が悪化して社員への負担が増えます。また、生産性の低下は売上の低下にもつながるので、利益を上げるためのコストカットが逆に利益を下げてしまうことにもなりかねません。
コスト意識を教育するうえで大切なこと
コスト意識を持つのは経営陣だけではありません。社員一人ひとりに意識が根付くからこそ、効率化を図ることができます。
ただし、コスト意識は勝手に芽生えるものではありません。社員教育をしないと「なぜこのコストが必要なのか」「逆にこれはなぜ不要なのか」がわからない状態です。社員自身がコストについて考える意識が芽生えるからこそ効果を発揮します。コスト意識を教育する際には、「社員自ら考えること」をキーポイントにしましょう。
コスト意識を高めるポイント
コスト意識を高めるには、以下の3つのポイントに力を入れると高い効果があります。
業務を「コア」と「ノンコア」に分類
コスト意識を高めるためには、無駄な経費を洗い出すことが重要です。まずは何が無駄で何が必要かを分類しましょう。分類は業務別に考えていくとわかりやすいです。
現在行なっている業務はコア業務とノンコア業務に分類することができます。コア業務とは、社員自身がやらないといけない重要な業務で、取引先との商談や決済、企画運営に関わる業務のこと。
一方、ノンコア業務は掃除、オフィスの整理整頓、表作成、資料作成、翻訳など、社員自ら携わらなくてもできる業務のことを指します。多くの企業では、ノンコアに分類される業務は外注やアルバイトに担当させることが多いです。
なお、外注先は提携企業ばかりでなくフリーランスに委託するという方法もあります。特に、単発の案件や少額案件は最低ロットが決まっている専門企業には委託しづらいため、クラウドソーシングを使ってフリーランスへ委託すると便利です。
社員がコア業務に集中できるようになると3つのメリットが発生します。コア業務とは何かはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:コア業務の定義とは?コア業務に集中するメリットや方法も徹底解説!
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無駄なコストを分析・見直しする
分類した業務の中で、無駄なものは何かという分析・見直しを行います。既存の契約の金額は妥当なのか、もっと安い代替案はないか、効率化できるものはないのかという視点から考えていくと良いでしょう。具体的には、ペーパーレス化を進めてカラーコピーを減らす、IT機器などの見直し、福利厚生費の見直しなどがあります。
コスト削減の目標を設定する
通常の業務や経営においてもそうですが、目標が不明確だと人は動きません。コスト削減においても目標を明確化しましょう。なんのためにコスト削減を行うのか、それはどのくらいで達成されるのか具体的に取り決めることが重要です。さらに、それを経営陣だけでなく全社員に共有し、全社体制でコスト意識を持って取り組むようにしましょう。
まとめ
コスト削減は企業の利益を上げるためには重要な項目です。しかし、無理なコスト削減は売上の減少を招くため、正しいコスト意識を持って取り組むことが大切です。経営陣だけでは効果も薄いため、社員教育を行い、全社体制でコスト意識を高めましょう。