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公開日: 2019.09.23 / 最終更新日: 2020.01.06

採用基準とは何か?新卒・中途それぞれで作成する際のポイントを解説

採用基準とは、自社に必要な人材を採用するために、応募者を公正に評価するための指標のことですが、自社の採用基準にはどのような項目を入れるべきなのでしょうか。ここでは、採用基準作成のポイント、新卒採用と中途採用で異なる基準、盛り込んではいけない要素などについて解説します。

そもそも採用基準とは何か?


採用基準とは「採用する側に適する人物を、比較・判断するための一定の要件」です。この採用基準を設けておくと、違う面接官であっても一定のものさしで判断するために、応募者を正しく公平に評価することができます。また、採用側の求める条件がはっきりするため、雇用のミスマッチを防ぐことも可能です。

採用基準を作成する前にやるべきこと


自社の採用基準を決める際には、事前に準備をしておかねばならないことがあります。

現場へのヒアリング

採用する部署や役割が決まっている場合は、現場の声を聞くことが重要です。どんな人物が何人必要なのか、どのようなスキルを求めているのかなどを事前に確認しないと、雇用のミスマッチが起きてしまいます。また、現場のヒアリングは管理者だけではなく、実作業の従事者や教育係になりそうな人物も対象とします。これにより本当に必要な人物像がわかるはずです。

コンピテンシーの作成

高い業績や成果につながる行動特性のことを「コンピテンシー」といいますが、採用基準を作る際には、このコンピテンシーを明確にしておきます。わかりやすくいうと、現社員の中で仕事ができる、ないしは、自社の利益に貢献している人の特性を明らかにすることです。優秀な人材、将来有望な人材を集めたいのであれば、自社ならではのコンピテンシーの作成は欠かせません。

人物像の明確化

コンピテンシーをもとに、自社にとって有益となる人物像のペルソナを整理します。基礎能力やスキル、経験、性別・年齢・居住地などのデモグラフィック的な属性、価値観、コミュニケーション能力や協調性などの社会適合性、勤務条件などを整理して、理想の人物像を明確にします。

未来像の明確化

自社にとって理想の人物を確保するためには、自社のビジョンも明確にしておくことが必要です。優秀な人材は、会社の未来や発展性、自分との相性などをチェックしています。

自分がその会社に入ることで何ができるのか、自分の能力をどう活かせるか、どのように成長できるかなどを考えています。両者のニーズをマッチさせるためにも、自社の将来像を明らかにすることが重要なのです。

中小企業での採用活動を成功させるコツや企業事例はこちらをご覧ください。
関連記事:中小企業の採用活動での課題とは?成功させるコツや成功事例を紹介

新卒の採用基準を作成するには


実際に採用基準を作る際の項目のうち、「新卒採用」で必要な基準について説明します。

企業が選考時にもっとも重視するのは「人柄」

株式会社リクルートキャリアの研究機関である「就職みらい研究所」が発表した「就職白書2018」によると、企業が学生を採用するときにもっとも重視する項目は「人柄」がトップで、92.1%の企業が選んでいます。

次に「自社/その企業への熱意」(77.6%)、「今後の可能性」(65.6%)が続き、これらの回答がトップ3となりました。新卒者の場合は、多くの企業が学力やスキルなどよりも人柄や情熱、将来のポテンシャルを選んだことになります。

出典元:就職白書2018 ₋ P22

新卒選考の採用基準にするべき5項目

厚生労働省は、公正な採用選考を行うために、企業に対して「求職者の適正・能力のみ」を採用基準とするよう要求しています。中でも、新卒者の多くは社会人経験が無いため、仕事のスキルや経験値よりも以下のような人間性を形成する基礎力を見極めることが重要となります。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、話し上手とは異なります。「相手のニーズや真意をくみ取ることができる」「自分の考えを相手に正しく理解させることができる」「意見が食い違っても解決策を見つけ、信頼関係を築くことができる」といった能力のことです。組織の中では、この対人スキルが重要となります。

主体性

ものごとに自ら進んで取り組んでいく能力や姿勢が主体性です。主体性が高ければ、自己評価や自己管理能力の高さも期待できます。

協調性

組織で働く以上は、個性を発揮するだけでは無く、周囲と協調しながら業務を進めることが求められます。

チャレンジ精神

仕事への熱意や意欲のことです。また、何事にも前向きに取組み、高いハードルも乗り越えようと努力する姿勢です。

誠実性

法令や社内ルールを遵守するだけではなく、人を裏切らない、嘘をつかないなど、人として信頼される態度や努力を行う姿勢です。

特に新卒採用時は採用パンフレットや採用サイトを作っておくことも大切です。
関連記事:採用パンフレットの効果とは?掲載するべき内容や制作方法を解説!
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中途の採用基準を作成するには


続いて、「中途採用」時に必要な採用基準を紹介します。

企業が選考時に求めるものは「第一印象の良さ」

dodaエージェントサービスが実施した「採用担当者1,000人に聞いた調査」によると、中途採用の面接で採用担当者がもっとも重視しているのは、ほぼすべての職種で「第一印象」となりました。また、「受け答えの仕方」もすべての職種で上位にランクインしており、見た目だけではなく、真摯な態度で仕事に取り組めるかどうかを判断しているようです。

職種別では、営業系は「誠実さ・素直さ」「身だしなみ」。企画・管理系は「論理的思考力」が上位となりました。また、専門性が強い技術系(IT・通信)では、「スキル」「経験」。金融系専門職は、9職種の中で唯一「仕事の成果」がランクインする結果になっています。

出典元:dodaエージェントサービスが採用担当者1,000人に調査

中途選考の採用基準にするべき3項目

中途採用に関しては、その企業の事業内容や求める職種により基準は異なりますが、おおむねその企業の「即戦力となる人材」にあてはまる能力や人格となります。

求めるスキルや経験

中途採用でもっとも重要なのが、即戦力となり得る能力や経験、実績を持ち合わせているかという点です。採用する側も、自社が必要とするスキルや能力を選考前に整理しておく必要があります。

仕事への熱意や自社での達成目標

スキルや経験と共に重要なのが、自社で働く熱意や志望動機、成し遂げたい目標などです。転職理由や応募の背景なども判断基準のひとつとなります。

良好な人間関係を構築できるか

中途採用の場合は、社会人としての個性が確立されていることが多く、ほかの社員とうまくやっていけるかどうかの見極めも必要です。また、リーダーやマネージメント職を採用する場合も、組織の意向を汲んで結果を出せる人物かどうかを判断します。

採用基準を見直すときの注意点


採用後であっても、人事と現場で評価が異なるようなミスマッチが頻繁におきるなどの場合は、採用基準の見直しが必要です。

法律上で禁止になっている項目の確認

厚生労働省の法律により、下記の項目は就職差別とみなされるため採用基準に含んではいけないことになっています。

・性別
・年齢
・身長、体重、体力
・障害、病気の有無
・転居を伴う転勤に応じるか

その他、採用基準に入れられない項目の確認

そのほか、下記のような個人情報は原則として収集することが認められていないため、採用基準に盛り込んではいけないことになっています。

・本人に責任のない事項(本籍・出身地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境)
・自由であるべき事項(宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合・覚醒運動などの社会運動)

まとめ

自社にとって必要な優秀な人材を確保するためには、自社独自の採用基準を作らなくてはなりません。その項目は、事業内容や職種、求めるニーズによっても異なりますが、自社の将来ビジョンも見据えながら、会社の利益に貢献できる人物像を明確化することが重要です。新卒・中途で人員増強を考えているのなら、今回の記事をぜひ参考にしてください。

採用時にもらえる助成金についてはこちらの記事をご覧ください。
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