外注ノウハウ
Pocket

公開日: 2019.09.23 / 最終更新日: 2020.08.17

アルバイトと業務委託の違いを解説!採用側からみたリスクとは?

働き方が多様化し、アルバイトなどの雇用契約だけではなく、フリーランスなどに業務委託をするケースも増えています。採用側も柔軟な対応を余儀なくされていますが、「雇用契約」と「業務委託」には大きな違いがあります。今回は、雇用契約と業務委託の違い、業務委託をする際の注意点などについて紹介します。

『即戦力』になるフリーランスを見つけるには?
全国のプロや優秀なフリーランスを探すなら「クラウドソーシング」がおすすめです。利用企業の声をご覧ください。▶クラウドソーシングの利用企業500社から聞いた調査結果を大公開

 

「アルバイト」とは?


労働基準法で「アルバイト」はどのような立場にあるのでしょうか。

アルバイトや正社員はすべて雇用契約

アルバイトとは「1週間の所定労働時間が、勤務先の正社員の所定労働時間よりも短い労働者」のことをいい、労働基準法では「パート」との違いはありません。アルバイトとパートが分けられているのは、アルバイトが学生向けの仕事、パートが主婦向けの仕事が多いなど、企業が便宜上使い分けをしているだけにすぎません。

また、アルバイトやパート、正社員などの呼称は法律用語ではありません。労働基準法では、アルバイト・パート、正社員、契約社員、臨時社員などをすべてまとめて「労働者」とよびます。「労働者」がある特定の相手である「使用者」のために労働することを約束し、「使用者」が「労働者」に報酬を与えることを約束すると、これが「雇用契約」となります。

「雇用契約」を結んだ「労働者」は、アルバイト・パートであっても正社員と同じ規定が適用され、最低限の労働条件が法律で守られます。労働時間や労働日数など、一定の基準を満たせば有給休暇の取得も可能です。

アルバイト採用での雇用契約書に関してまとめています。
関連記事:アルバイトの採用で雇用契約書は必須?書き方や注意点を解説!

「業務委託」とは?


アルバイトや正社員などの「雇用契約」のほかに、「業務委託」という働き方もありますが、両者はどのように違うのでしょうか。

請負契約と委任契約の2つに分かれる

業務委託とは、受注者側が一定の業務における事務処理や成果品の納品を約束し、仕事の依頼者がそれに対して報酬を支払う契約です。俗にいう、フリーランスなどがこれにあたります。

実は民法では、依頼者から業務を依頼されて業務を行うことで報酬を得るものとしては、「雇用」「請負」「委任(準委任)」と規定しており、業務委託という契約は定められていません。そのため、実務上の業務委託とは、「請負」と「委任」の2つの総称として使われています。

このうちの「請負」とは、成果品を完成させる業務を行うことで報酬を得る契約です。たとえば、イラストの書き起こしやホームページの制作などが当てはまります。

一方で「委任」とは、業務を行うことで報酬を得ますが、成果品を完成させる責任は負わない契約です。たとえば、事務的な作業などが当てはまります。また「委任」と「準委任」の違いは、業務内容が法律行為か否かです。前者は「委任」となり、弁護士などが当てはまります。一方、後者は「準委任」となり、マーケティングコンサルタントなどがこれにあたります。

請負契約と派遣契約の違いや請負契約のメリットは上記事、請負契約と委任契約の詳しい違いや業務委託契約の注意点3つは下記事をご覧ください。
関連記事:【弁護士監修】業務委託契約で請負契約と委任契約の違いを徹底解説!
関連記事:【弁護士監修】業務委託契約とは?委任と請負の違いや契約時の注意点

自営業なのですべて自己責任

「請負」や「委託」の業務委託契約と、アルバイト・パート、正社員の「雇用契約」との大きな違いは、労働法による保護の有無です。後者は「労働者」とみなされるため、労働法の保護対象となりますが、前者は、個人事業主のような自営業と変わらないため、労働法の保護対象下にありません。

そのため、業務委託の場合は、労働時間や賃金規制、解雇規制などが無く、「自分の好きなときに働くことができる」「交渉次第で高賃金を得ることができる」といったメリットがあります。一方、労働保険がないため、失業保険や労災などの保障がありません。仕事も自分で見つけなくてはならず、すべて自己管理、自己責任のもとで業務を行うことになります。

業務委託契約で雇用するときのリスクとは


業務委託として仕事を依頼する場合は、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。

業務委託契約なのか雇用契約なのかが曖昧なのは注意

通常、「請負」「委託」などの業務委託で仕事を契約した場合、依頼主は受注者に対して業務に関する具体的な指揮命令を行うことができません。ただし、その働き方の実態から「使用従属性」が認められれば「労働者」と判断され、労働基準法など法規の保護対象となります。

たとえば、依頼した業務以外の業務をさせた場合は、使用者からの指揮命令があったと判断される可能性が高まります。アルバイトも歩合制ならば雇用契約ですが、完全歩合制だと業務委託となります。このように、労務提供の形態や報酬の支払い方法、その他あらゆる要素を総合的に判断して、「使用従属性」が認められれば「雇用契約」とみなされます。

ただし、実際はその線引きが曖昧なことが多く、訴訟などにならないと結論を出せないケースが少なくありません。依頼主は裁判における具体的な判断基準を知り、契約形態と実態に齟齬が生じないよう注意することが大切です。

トラブル防止のためにも業務委託契約書を作成しておきましょう。
関連記事:【弁護士監修】正しい業務委託契約書の書き方は?記載内容や注意点も

労働者とみなされるかの判断基準

業務委託で契約していたにも関わらず、受注者が「労働者」とみなされて雇用契約が発生していると判断される基準には、以下のようなものがあります。

【「使用従属性」を補強する】
・業務内容や遂行方法に関して使用者の指揮命令の有無。ただし、その程度が判断の分かれ目となる
・依頼された業務以外の業務の有無。こうした業務がある場合は、使用者の指揮命令下にあると判断されかねない
・勤務場所や勤務期間の拘束。ただし、建設など安全確保のために勤務場所や時間を指定する必要があるものは対象外
・報酬が時間給で計算される、残業代が出るなどの報酬の支払い方法は、使用者の監督下で一定時間労務を提供していると判断される
・正規労働者同様の採用、給与所得者として源泉徴収を行う、労働保険の適用対象としているなどは「労働者性」を肯定する

【「使用従属性」を否定する】
・受注者が依頼者の指示に対して、承諾するかしないかを自由に決められれば、指揮監督関係を否定する要素となる
・本人に代わって代理人が労務提供をすることが認められていれば、指揮監督関係を否定する要素となる
・報酬額が当該企業の正規従業員と比べて高額ならば、「事業者」に対する代金の支払と認められ「労働者性」を弱める要素となる
・受注者が所有する機械、器具を業務に使用し、それらの機械、器具が非常に高価な場合には「事業者」としての性格が強く「労働者性」を弱める要素となる

業務委託なのに雇用契約だと判断された場合


業務委託契約を結んでいたのに、裁判所の判断で「雇用契約」とみなされた場合、業務受注者は
労働諸法令に従い「労働者」とみなされます。仮に下記のような要素が労働基準法等の基準を満たさない場合、その差額を補償しなくてはなりません。

・未払いの残業代の支払い
・労働時間に見合う有給休暇を付与
・労働法が定める最低賃金を下回る場合は差額賃金の支払い
・社会保険や労働保険などをさかのぼって加入し、それに伴う保険料の支払い
・その他、同様の業務に従事する労働者と均衡の補償

安全に業務委託の契約を結びたい場合は?
事務領域やマーケティングなどの業務を優秀なフリーランスに依頼するなら『ビズアシスタントオンライン』、開発や運用などの業務をハイレベルなITフリーランスに依頼するなら『クラウドテック』がおすすめです!発注相場や企業事例をまとめた資料は各サービス名をクリックしてダウンロードできます。

 

まとめ

業務委託の場合、労働基準法の保護下にならないため、依頼する側にとっては各種保証の責任がなく業務を発注しやすい契約方法です。ただし、働き方の実態から「使用従属性」が認められれば、「雇用契約下の労働者」と判断され各種労働法の保護対象となります。そうなると、労働基準法に定める賃金との差額を支払わなくてはならないといった補償が必要となる可能性もあります。仕事を業務委託する際は、このようなリスクにも注意しましょう。

クラウドソーシングの利用企業
500社から聞いた調査結果を大公開します。

クラウドソーシングを活用する企業が増えています。約500社の発注内容、メリットやデメリットを紹介します。

【こんな方におすすめ】
・クラウドソーシングの実態を知りたい
・利用企業のリアルな声を聞きたい
・使い方や発注の流れを知りたい

Pocket


coolpolaris
広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランやの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。        

コメントは受け付けていません。