UX(ユーザー体験)改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることでは無い

2014.03.17

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)  
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弊社では、​2015年新卒のインターンが佳境でして、

3月だけで50名ぐらいの学生がインターンでUX改善を行っています。

色々な学生がいるのですが、100%失敗するのは、

「マッチングの流れが悪いので改善して、精度を上げます!」

とか

「契約の流れを全面的に変える!」

みたいな感じで一見正しそうだけど、非常に曖昧な目標設定になっているチームです。

おそらく上場企業のインターンで、ロジカルシンキングの適性みたいなものをやっていて、

それがインターンのやり方だ、という思い込みを植え付けられているのでは無いかと思っています。

で、メンターが結構止めるのですがあまり聞き入れられず、

画面の繋がりとかを洗い出して、ゼロからサービス作りをしようとして、

こんな機能があったら良い、こんな機能は不要だ、みたいな大風呂敷を広げていくのですが、

数日のインターンでそういったものが上手く行くことはまず無いです。

 

そして何より、クラウドワークスとしてはそんな机上の空論を求めていないです。

私がいつも話しているのは、

 

「UX(ユーザー体験)改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることで無いです。

表示されている言葉一つの改善でもUX改善です。 

擬似的に改善したいわけじゃなくて、毎日使っている本サービスへ実際に反映させる前提なので、 

まずは自分自身が使ってみた時の不便さや違和感を大切にして下さい。」

 

ということです。

 

実際に3~5日間のインターンで、10個ぐらいの項目は毎回本番サイトに反映されます。


​見方を変えれば、

「インターンで実際のサービス改善に関わることができるという大きな醍醐味」

があるはずです。

 

そのはずなのですが現実として、

IT系上場企業数社で内定を取っている学生がクラウドワークスでは

内定出ないことは非常によくあるので何かが違うんだと思っています。

 

恐らく他の上場企業のインターンは、左脳的思考(論理)を見ているような印象なのですが、

クラウドワークスは、右脳的(感覚)思考と左脳的思考のバランスを見てます。

 

「不便さや違和感という個人に紐づく感覚を

 きちんと他人に伝えられるように言語化できるかどうか」

 

を見ています。

それがサービス作りとして一番大切だと考えているからです。

そのような中で先日大学1年生が手がけたUX改善が秀逸でした。

 

内容はシンプルで、

・「応募する」ボタンを押して応募すると、

 完了画面で「条件を提示しました」とだけ表示されるのがおかしい。 

→初めてのユーザーは、

「条件を提示しました」=「応募」かどうかが分からないので

ボタンを押したら「応募しました」になる方が自然だと思います。

というものでした。

 

これだけ見ると、クラウドワークスはこんなこともできていないのか!というぐらい

当たり前な内容だったのですが、社員の誰もが慣れてしまっていて気づいていなかったのです。

 

そして、​実際にこれを聞いた全員が同意して即採用になったUX改善でした。

(※どうやら機能追加や削除をしているうちに整合性が取れていなかったようです。)

大学1年生で文章一つに対するささいな違和感をきちんと言語化するのは凄いな、と感じました。

ということで、

UX改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることでは無くて、

ユーザー体験の改善につながれば文章一つの変更で良いという好例

だったと思いますので書いてみました。