シンプルに生きることの重要さ ~夏休みの宿題の話し

2014.03.25

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)  
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​雑誌やウェブのインタビューで最近良く話すのが

「夏休みの宿題を出せない夢を見る」というネタです。

 

私は、今でも中学校ぐらいの時の夢を見るのですが、

その内容が、いつも決まっていて夏休み明けの9月の学校にいる自分の姿です。

 

みんなが夏休みの宿題を出すのですが、

自分だけ全くやってなくて「家に忘れてきました」という嘘を付きます。

 

それで学校の先生が「家に忘れてきたのね、じゃあ次回出して下さい」と返事をするのですが、

当然学校の先生は信じていません。そして、それを子供ながらひしひしと感じています。

 

これは正直に言うと、夢でも何でも無く実話なのですが(苦笑)、

実際にそれを毎日毎日繰り返して、最初は出していない人が数人いたのですが、

いつしか9月30日とかになって夏休みの宿題をやってない人は私一人ということが

何度かあったように覚えています。

 

それで9月の1ヶ月間、毎回の授業で

「家に忘れてきました」「そうですか、じゃあ次回出して下さい」

をやっていたのです。

 

ある意味徹底的に誰よりも逃げ続けていて(笑)、

今から考えるとよくもまあそんなことやってたな、と思うのですが、

これは精神的に平気でもなんでもなく、毎日心苦しくてやましくて本当につらかった。

 

じゃあすぐにやればいいじゃないか、という話ですが、

夏休みの間に毎日少しづつやっていかないと終わらない量なので、

正直全くやってないところから、数日で出来る内容では無いのです。

 

いずれにせよ、その経験から痛感したことは、

「問題から逃げ回っていても絶対に解決せず、

 問題がどんどん重なってきてやましい思いを抱え続ける」

ということで、至極当たり前のことなのですが、

今でも夢を見るぐらいですのでトラウマに近いレベルで強烈に焼き付いています。

 

だからこそ、今は経営でもマネジメントでも問題が発生したら逃げずに徹底的に考え続ける。

しつこくしつこく考え続け、一刻も早く解決策を見出すことを心がけています。

 

そうしないと夏休みの宿題がどんどん溜まってきて

心苦しくなって健全な状態を保つことができません。

 

そうやって一つ一つの問題を徹底的に潰して出来る限り負荷を減らし、

自分をシンプルな状態を保つことで

精神的に健全な毎日を歩むことができると考えています。

 

 

一方で、その経験を通して逆に今思っていることは、

「若いうちに逃げるだけ逃げてみて良かった」とも思っています。

 

逃げた経験があるから逃げるとどうなるかを痛感している。

人だから時として逃げたい時もあると思っています。

そういう時は逃げるという選択肢があっても良いと思っています。

(他人から出資を受けて勝負している起業家とかであれば

逃げるというのはありえないことが多いと思いますが。)

 

なので、最近若い人から相談を受けるときも、

「逃げたいという気持ちをどこかで持っているときは、逃げてみたらいい。
ただし全力で逃げる。逃げてみてどうなるかを早めに体験するのが良いです。」

と話しています。

その先に見えるものを受け止めてみて、どう考えるか、どう行動するか、

でその人のその後の方向性が決まると思っています。

 

追記:大企業や大人数の経営になってくると、解決しない問題を多数抱えながら

前に進み続けるということが必要になるようにも思うので

あくまでスタートアップ3年目までの経営経験として読んで頂ければ幸いです。