2018年3Q決算とクラウドワークスの強みである「エフェクチュエーション経営」



クラウドワークス3Q決算発表をしました。想定通りの決算で今期も順調に事業推進しています。


■1.サマリー



・ 前年同期比 売上高約2.4倍、売上総利益約1.7倍


・M&A関連で一時費用を計上するが、通期営業利益の見通し0円に変更なし(※一時費用については2Qで事前告知済)


・営業利益は前年同期比263百万円増加


・リンクアンドモチベーションによる組織状態を示すエンゲージメント・レイティング」でAAA(実施企業の上位3%)を獲得



■2.トピック



また、会員数が200万人を突破したほか、ファクタリング領域の新サービス、事業提携、そしてブロックチェーンの新会社共同設立を発表しています。


1.フリーランスの報酬を保証する請求代行サービス 「フィークル(feecle)」提供開始




2. 世界190ヵ国650社で導入「SAP Fieldglass」とのソリューション連携を発表



3.会員数が200万人を突破 ~「ありがとうボタン」で贈りあった感謝の数は1000万回に~



4.ブロックチェーン技術を活用した自律分散組織(DAO)のプラットフォームを開発する株式会社volvoxを共同設立



■3.諸藤さんとの対話によって見出されたクラウドワークスの強み「エフェクチュエーション経営」



昨年末ごろからリアプラ代表の諸藤さん(エス・エム・エス創業者)と意気投合して、20時間以上2人で1on1を続けてきました。多数の投資先を抱えている諸藤さんにこれだけのお時間を割いて頂いたこと感謝いたします。


この時間を通して、諸藤さんがどういう経緯を経て今の挑戦に至ったのかが良く理解できまして、諸藤さんの明確な目的と意志を知るとともに私としてもリアプラ社の大いなる成功を祈っています。これらの対話を通して諸藤さんは私の経営メンターの一人であり、人生の盟友であると考えています。


その中で諸藤さんから


「吉田さんほどエフェクチュアル(未来を予測するのではなく、行動を通して未来を創り出す)な人は見たことない」


という言葉があり、恥ずかしながら諸藤さんから言われるまでエフェクチュエーションという経営における言葉を知らなかったので、そこから調べ始めました。


諸藤さんをご存知の方は良く知っているかと思いますが、諸藤さんはあらゆる歴代の経営者を研究しており、その中から経営手法の再現性を追求しています。(※再現性の追求の理由は諸藤さんのこれまでの人生にあるのですが、それは長くなるのでまた別の機会にします)


元々はサラス・サラスバシー氏による著書「Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertise」から来ている言葉で、その著書は『「1つ以上の企業を創立し、フルタイムで10年以上働き、最低でも1社を株式公開した人物」を研究した結果、最初に浮上してきたテーマは「熟達した起業家は、マーケットリサーチを信用しない」ということだった』というくだりから始まります。


一番大きな違いは、コーゼーションは「未来は予測可能であるもので、そこから逆算した現在の目的を持てる」と考えているのに対して、エフェクチュエーションでは「未来は不確実なもので、人間の行為によってコントロールされ、また創造される」と考えています。


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エフェクチュエーションとコーゼーションという考え方は以下に良くまとまっているかと思います。



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クラウドワークスにおけるこれまでの経営判断と成果を整理してみます。


・創業1年目で(教育コストがかかる)新卒採用開始、その中からプラットフォームのリードデザイナーが生まれ活躍している

・創業1年目で、慶応在学中の学生の成田を執行役員に抜擢、現在は取締役副社長 兼 COOとしてマネジメントしている

・創業1年目で3億円調達、その後創業2年目で11億円調達、3年目でマザーズ上場承認

・上場直後に29名の正社員の状態から100名新規採用し、新規事業を(私以外の役員・社員によって)多数起ち上げ、撤退もある中で現在は新規5事業が年率50-240%で成長

・上場4年目でMUFGグループと大和証券と業務資本提携、未経験の領域であるFintech事業を続々リリース、ウォレット事業「クラウドウォレット」、ファクタリング「フィークル」など


これらの事象は、実は「過去のその時点では、行動規範によって今あるリソースの中で判断しただけであり、そのような結果を生むとは予想していなかった行動」によってもたらされています。


例えば、MUFGグループとの資本提携の原点は、実は2012年の私の行動にあったと提携後に先方からお伝え頂きました。その時点で資本提携など考えてもいなかったことです。単に行動規範に基づいて行動していて、それが結果を引き寄せていた。




そして皆さんにとってわかりやすい話で言えば、成田の抜擢も当時賛否両論があり、「うまくいくはずがない」と複数人に言われました。私も未来を全て見通していたわけでは無く、成田のその当時の悔しさからくるエネルギーの量の大きさを見ていたにすぎません。

 

クラウドワークスは、不確実な中で意思決定をして、不確実な中で行動し成果をあげる力が強い会社であると考えています。



また、過去の経営判断における重要な局面では、第二位株主である私の最大のメンターであるサイバーエージェント藤田晋さんのアドバイスによって行動仮説を生み出したことが複数回あるのですが、藤田さんのアドバイスは常に非連続な特徴があり、その論理性を説明されたことはありません。そういう中で、私は藤田さんのアドバイスを基に考え実践して成果を出していったことが数多くあります。


それらが2018年諸藤さんとの対話によって、 それらの経営判断が 一つの線となり、クラウドワークスの強みを明確にすることができました。


藤田さんは多くは語らないのですが、おそらく私にある種の「エフェクチュエーション」的な特性を見出し、当時サイバーエージェントの外部出資としては過去最大額の10億円の投資を行っていただけたのではないかと今は推察したりします。



私自身、上場社長と数多く話していて思うのは、「コーゼーション」を強みにしている創業者が基本的には多いですし、コーゼーションによる合理化を追求することによって未来からの論理性を維持し、利益を創出していくというのが一般的には理解しやすいアプローチなのだと思います。一方で、例えばサイバーエージェントは一つ一つの打ち手は今あるリソースを活用しているが、一見不可解だったり無謀だったりする打ち手になっているように見える中で、最終的に確実に利益へ結実していってると思います。
クラウドワークスの打ち手の一つ一つも同様でその時点では未来からの逆算では無いように見えるため数多くの批判を浴びますが、これまで一つ一つ成果をあげて成長を続け未来を創り出しています。


我々クラウドワークスは、未来が規定されていて逆算して答えがあるのではなく、我々の行動によって未来が創り出されていると考える会社です。


諸藤さんによって気づかされたクラウドワークスの強みは、間違いなく「エフェクチュエーション経営」です。もちろんコーゼーションによる「未来から逆算する形での計画と実行」も行っていますが、その中で発生した不整合や不都合、失敗に対してもエフェクチュエーション経営の中で消化され、必ず成果をあげると考えています。


この「エフェクチュエーション経営」は、今後長期にわたって世界のあらゆる上場企業や市場に対してクラウドワークスが最も優位性をもって推進していけると確信しており、その気づきを頂いた諸藤さんに重ねて感謝を申し上げます。


想定通りの2018年3Q決算の中で、来期以降の経営計画を経営陣で立案していますが、クラウドワークスが掲げる「世界で最もたくさんの人に報酬を届ける会社になる」というビジョンの実現イメージがさらに深まり非常にワクワクしています。今後とも末永くどうぞよろしくお願い申し上げます

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8/14追記:友人からご質問を頂きまして、『そもそも「世界で最もたくさんの人に報酬を届ける会社になる」というビジョンはどのようにして生まれたのですか?』と聞かれたのですが、考えてみればこのオンリーワンの価値指標自体が、上場後2,3年経過して
「売上・利益では無い我々独自の価値提供とは何だろうか?」
「創業時から掲げる総契約額という指標は何の価値を提供しているのだろうか?」
と今一度考えた末に創出されたものでした。
(※創業から上場までは総契約額の最大化を指標としており、クライアントの発注金額の最大化こそが社会への価値提供としていました。それが上場を経て考え続けた結果、変革した形になります。)

つまり創業時にこのような指標設定は無く、創業後5,6年して生み出された「未来」になります。これこそがまさにエフェクチュエーション経営の好例と言えるかと思い、追記しておきます。