2014年 3月の記事

​働く上で大切にしている3原則 (4月1日から新社会人を迎える方へ)

2014.03.31

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)

クラウドワークスでは、ミッションとして

「21世紀の新しいワークスタイルを提供する」
を掲げていますが、それを直近の具体的な行動に落とし込んだスローガンとしては、
「”働く”を通して人々に笑顔を」
としています。

それに沿って働く際に重要な3原則を、明日話そうと思って整理してみましたのですが、
​4月から新しい環境で働く際に参考になるかなと思ってここに書いてみます。

 

​​1.仕事を選り好みしない(≒当事者意識)

クラウドワークスでは、アシスタントや秘書という職種が現状存在しません。
掃除やお花への水やりも重要な仕事であり、

また私の日程調整も現状は自分でやっていて良いと思っています。

「雑務」という言葉は無いと思っていて、
​全ての業務が「”働く”を通して人々に笑顔を」に繋がっていると思っています。

​仕事や職種・役職に貴賎はありません。
​だから困っているユーザー、クライアント、そして社員がいれば誰が手伝っても良いと思っています。

​前も書きましたが、エンジニアでも時として展示会でブースに立って説明するし、
デザイナーがユーザーサポートをすることもあります。
​私もつい先日1時間ほどユーザーサポートをしたこともあります。

 

一番良くないのは、困っている人がいるのに、

「これは私の仕事では無い」と思って見て見ぬふりをすること。

 

本当に大きくなればまたマネジメントも変わるかもしれませんが、

現在のうちの会社では全てのことに当事者意識であるという事を大切にしています。

 

2.他者を尊重する

新卒でも中途でも、皆これまでの人生にプライドを持って入社してきます。
一方で、会社にはそれまで築いてきた文化があります。

 

それを踏まえてクラウドワークスでよく話しているのは「サッカー日本代表」の話です。

 

もし仮に日本代表へ招集された時に、

これまでいたチームでの実績「私はこんなに凄かった」を言うことは役に立たず、

その日本代表のフィールドで他者と連携して結果を出せるかどうかだけで信頼関係が決まるでしょう。

そんなイメージで、

 

「入社時は目の前にいる人との信頼関係や実績は0(ゼロ)であるぐらいに考えて、

他者を尊重して連携して仕事に望んで下さい」

 

と話しています。
創業メンバーである吉田、野村、佐々木でさえ

この2年で信頼関係がようやく少しづつできてきたかな、ぐらいに感じています。
他者尊重の姿勢として、新卒や年下であっても原則「○○さん」と呼ぶように私は心がけています。

 

3.ユーザーへの熱意が最も大切

こう書くと当たり前に見えるのですが、仕事においてユーザーへの熱意ではなく、

仕事そのものが目的になっているケースが良くあると思っています。

 

例えば、最近バズワードのグロースハックにおいて、数値分析をする、ということは非常に重要ですが、データベースにある数値を単に引っ張ってきてこねくり回しても何か判るものではありません。

グロースハックというバズワードの元に、

数値分析すること自体が自己目的化している時があると思っています。

そもそもユーザーの体験の何を改善したいのか?、というユーザーへの熱い思いがあって、

そこから必要な数値を設定して、その数値を計測する仕組みを作らなければいけません。

 

そういう意味では、

弊社では地頭はもちろんですが、それよりもユーザーへの熱意を一番重視しています。

地頭は最低限必要なラインはあると思っていますが、地頭が多少弱くても

ユーザーへの有り余る想いがあれば最終的にはカバーできると思っています。

ということで、クラウドワークスでは、
「”働く”を通して人々に笑顔を」というスローガンに基づき、

 

1.当事者意識を持ってあらゆる業務に取り組み、

2.他者を尊重し、

3.ユーザーへの熱意を持って

 

仕事をすることを大切にしています。皆さんにも何かの参考になれば幸いです。

それでは、明日から4月1日を迎える新社会人の皆さん、頑張って下さい!

個人が持つあらゆる資産が見える化する時代

2014.03.27

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)

​日々クラウドソーシングやクラウドワークスの説明を知らない方々に解説しているのですが、

クラウドワークスのサービス説明をする時に良く引き合いに出すのが「ヤフオク」です。

​「ヤフオク」は、皆さまも良く御存知の通り、個人の余ってるモノを売買するサービスです。

スマホ時代にフォーカスされた​「メルカリ」なども急速に伸びているようですが、
​いずれも個人の余ってるモノを見える化してマッチングするのが基本的な仕組みです。

 

ヤフオク : 個人が所有する「モノ」を売買

​クラウドワークス : 個人が所有する「スキル」を売買

 

といった流れで、個人の色々な資産を売買するようになっているんですよ、説明しています。

例えば、

「明日1日だったらデザインする余裕がある」

「子供が眠ったこの2時間だけ仕事できる」

といった個人のスキルと空き時間を見える化して、

企業や個人がダイレクトにアクセスできる世の中の実現を目指しています。

そうすることで、日本中のあるいは世界中の個人の空いたリソースを有効活用できる、

というのがクラウドワークスの考え方です。

 

また、インターネットにある程度詳しい学生相手などにはこれに加えて、

「AirBnB」「Uber」の話をします。

「AirBnB」は、言わずと知れた急成長中のメガベンチャーで、

個人の「部屋」を一泊単位で世界中の誰かに貸すサービス。
2013年には年間600万泊を超えたそうです。

※参考記事 : ​​Airbnbは、なぜ旅人に受け入れられたのか

​「Uber」は、最近日本に上陸したことでも話題のベンチャーで、

アメリカでのビジネスモデルは個人の「車」を世界中の誰かにタクシーとして貸せるサービス
※日本で提供されているのは一部のサービスでしか無く、

個人の車をタクシーにしてしまうという一番破壊的な「UberX」は日本では提供されていません。

以下が詳しいです。

参考記事 : ​​Uberの本質は高級車ではなく、低価格タクシー(uberX)にある

 

こちらの文脈で説明をすると、

AirBnB : 個人の「部屋」の空き枠を売買

Uber : 個人の「車」の空き枠を売買

クラウドワークス : 個人の「スキル」の空き枠を売買

という流れになります。

 

これはインターネット業界では「シェアリングエコノミー」などと言われていて一つのトレンドになっています。

NHKでも特集されています。

※参考記事 : ​米で広がるシェアリング・エコノミー
いずれにせよ、国や企業に囚われず個人が持つあらゆる資産が見える化する時代であり、

そのような背景の中でクラウドワークスが伸びている、という話を常々しています。

 

読者の皆さんが新しいビジネスモデルを考える時には、

「個人のどんな資産が次に見える化するのかな?」

を考えてみると面白いかもしれません。

シンプルに生きることの重要さ ~夏休みの宿題の話し

2014.03.25

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)  
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​雑誌やウェブのインタビューで最近良く話すのが

「夏休みの宿題を出せない夢を見る」というネタです。

 

私は、今でも中学校ぐらいの時の夢を見るのですが、

その内容が、いつも決まっていて夏休み明けの9月の学校にいる自分の姿です。

 

みんなが夏休みの宿題を出すのですが、

自分だけ全くやってなくて「家に忘れてきました」という嘘を付きます。

 

それで学校の先生が「家に忘れてきたのね、じゃあ次回出して下さい」と返事をするのですが、

当然学校の先生は信じていません。そして、それを子供ながらひしひしと感じています。

 

これは正直に言うと、夢でも何でも無く実話なのですが(苦笑)、

実際にそれを毎日毎日繰り返して、最初は出していない人が数人いたのですが、

いつしか9月30日とかになって夏休みの宿題をやってない人は私一人ということが

何度かあったように覚えています。

 

それで9月の1ヶ月間、毎回の授業で

「家に忘れてきました」「そうですか、じゃあ次回出して下さい」

をやっていたのです。

 

ある意味徹底的に誰よりも逃げ続けていて(笑)、

今から考えるとよくもまあそんなことやってたな、と思うのですが、

これは精神的に平気でもなんでもなく、毎日心苦しくてやましくて本当につらかった。

 

じゃあすぐにやればいいじゃないか、という話ですが、

夏休みの間に毎日少しづつやっていかないと終わらない量なので、

正直全くやってないところから、数日で出来る内容では無いのです。

 

いずれにせよ、その経験から痛感したことは、

「問題から逃げ回っていても絶対に解決せず、

 問題がどんどん重なってきてやましい思いを抱え続ける」

ということで、至極当たり前のことなのですが、

今でも夢を見るぐらいですのでトラウマに近いレベルで強烈に焼き付いています。

 

だからこそ、今は経営でもマネジメントでも問題が発生したら逃げずに徹底的に考え続ける。

しつこくしつこく考え続け、一刻も早く解決策を見出すことを心がけています。

 

そうしないと夏休みの宿題がどんどん溜まってきて

心苦しくなって健全な状態を保つことができません。

 

そうやって一つ一つの問題を徹底的に潰して出来る限り負荷を減らし、

自分をシンプルな状態を保つことで

精神的に健全な毎日を歩むことができると考えています。

 

 

一方で、その経験を通して逆に今思っていることは、

「若いうちに逃げるだけ逃げてみて良かった」とも思っています。

 

逃げた経験があるから逃げるとどうなるかを痛感している。

人だから時として逃げたい時もあると思っています。

そういう時は逃げるという選択肢があっても良いと思っています。

(他人から出資を受けて勝負している起業家とかであれば

逃げるというのはありえないことが多いと思いますが。)

 

なので、最近若い人から相談を受けるときも、

「逃げたいという気持ちをどこかで持っているときは、逃げてみたらいい。
ただし全力で逃げる。逃げてみてどうなるかを早めに体験するのが良いです。」

と話しています。

その先に見えるものを受け止めてみて、どう考えるか、どう行動するか、

でその人のその後の方向性が決まると思っています。

 

追記:大企業や大人数の経営になってくると、解決しない問題を多数抱えながら

前に進み続けるということが必要になるようにも思うので

あくまでスタートアップ3年目までの経営経験として読んで頂ければ幸いです。

 

UX(ユーザー体験)改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることでは無い

2014.03.17

(本記事は、他サービスで記事投稿後、サービス終了に伴って保存のために転載したものになります。)  
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弊社では、​2015年新卒のインターンが佳境でして、

3月だけで50名ぐらいの学生がインターンでUX改善を行っています。

色々な学生がいるのですが、100%失敗するのは、

「マッチングの流れが悪いので改善して、精度を上げます!」

とか

「契約の流れを全面的に変える!」

みたいな感じで一見正しそうだけど、非常に曖昧な目標設定になっているチームです。

おそらく上場企業のインターンで、ロジカルシンキングの適性みたいなものをやっていて、

それがインターンのやり方だ、という思い込みを植え付けられているのでは無いかと思っています。

で、メンターが結構止めるのですがあまり聞き入れられず、

画面の繋がりとかを洗い出して、ゼロからサービス作りをしようとして、

こんな機能があったら良い、こんな機能は不要だ、みたいな大風呂敷を広げていくのですが、

数日のインターンでそういったものが上手く行くことはまず無いです。

 

そして何より、クラウドワークスとしてはそんな机上の空論を求めていないです。

私がいつも話しているのは、

 

「UX(ユーザー体験)改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることで無いです。

表示されている言葉一つの改善でもUX改善です。 

擬似的に改善したいわけじゃなくて、毎日使っている本サービスへ実際に反映させる前提なので、 

まずは自分自身が使ってみた時の不便さや違和感を大切にして下さい。」

 

ということです。

 

実際に3~5日間のインターンで、10個ぐらいの項目は毎回本番サイトに反映されます。


​見方を変えれば、

「インターンで実際のサービス改善に関わることができるという大きな醍醐味」

があるはずです。

 

そのはずなのですが現実として、

IT系上場企業数社で内定を取っている学生がクラウドワークスでは

内定出ないことは非常によくあるので何かが違うんだと思っています。

 

恐らく他の上場企業のインターンは、左脳的思考(論理)を見ているような印象なのですが、

クラウドワークスは、右脳的(感覚)思考と左脳的思考のバランスを見てます。

 

「不便さや違和感という個人に紐づく感覚を

 きちんと他人に伝えられるように言語化できるかどうか」

 

を見ています。

それがサービス作りとして一番大切だと考えているからです。

そのような中で先日大学1年生が手がけたUX改善が秀逸でした。

 

内容はシンプルで、

・「応募する」ボタンを押して応募すると、

 完了画面で「条件を提示しました」とだけ表示されるのがおかしい。 

→初めてのユーザーは、

「条件を提示しました」=「応募」かどうかが分からないので

ボタンを押したら「応募しました」になる方が自然だと思います。

というものでした。

 

これだけ見ると、クラウドワークスはこんなこともできていないのか!というぐらい

当たり前な内容だったのですが、社員の誰もが慣れてしまっていて気づいていなかったのです。

 

そして、​実際にこれを聞いた全員が同意して即採用になったUX改善でした。

(※どうやら機能追加や削除をしているうちに整合性が取れていなかったようです。)

大学1年生で文章一つに対するささいな違和感をきちんと言語化するのは凄いな、と感じました。

ということで、

UX改善とは、必ずしも機能を追加したり削除したりすることでは無くて、

ユーザー体験の改善につながれば文章一つの変更で良いという好例

だったと思いますので書いてみました。